丸紅の年収・ボーナスを解説【2023年: 平均1,594万円】

総合商社として屈指の就職難易度と人気を誇る丸紅。今回は丸紅の現役社員へのインタビューを参考にしながら、丸紅のリアルな年収・新卒の年収・ボーナスや駐在時の手当て等について徹底解説いたします。

なお、丸紅への転職方法に関しては下記で解説しているので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

本記事のポイント

丸紅は10年目から年収2,000万円、海外駐在があればさらにアップサイドを取れる年収水準の高い会社となっています。レベルの高い環境に身を置きながら高い給料を享受したい人にとってはおすすめの勤務先です。

下記は本記事の要約です。詳しく知りたい方は是非最後までお読みください。

丸紅の年収は？

丸紅は有価証券報告書にて平均年収を掲載しています。有価証券報告書によれば、2023年3月期における丸紅の平均年収は1,594万円と非常に高い水準です。

年度	平均年収	平均年齢
2023年3月期	1,594万円	42.3歳
2022年3月期	1,470万円	42.3歳
2021年3月期	1,192万円	42.2歳
2020年3月期	1,453万円	42.1歳
2019年3月期	1,389万円	41.9歳
2018年3月期	1,322万円	41.6歳

丸紅のグレード別年収は？

丸紅は職群制を採用しており、JグレードからTグレードまでのグレードがあります。グレードごとの年収イメージは下記の通りです。

グレード	年収	年次
Jグレード （J1-8）	500-1,200万円	1-8年目
Mグレード	1,400-2,500万円	9-20年目
Sグレード	2,500万円-	20年目以降
Tグレード	3,000万円-	25年目以降

中途で丸紅に転職した場合の年収は？

中途で丸紅に転職したいと思っている場合、「自分の年収がどれくらいになるか」というのは誰しもが気になることだと思います。

実は新卒で入社したときの年収と中途で転職した場合の年収は大きく異なるケースが少なくありません。

中途で入社した場合の具体的な年収を知るためには、転職サイトに掲載されている実際の求人を見ることが最も確実です。口コミサイトやSNSよりも最新かつ正確な情報を知ることができます。

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中途で丸紅に転職するには？

丸紅は年収の高さや成長機会の豊富さ、その後のキャリアパスの広がりなどから転職市場で非常に高い人気があります。

一方で、近年では中途採用を積極的に行っており、20代や第二新卒での転職実績も出ているため、正しい選考対策を行うことで十分転職可能だと言えます。

正しい選考対策の方法が分からない場合や、キャリアアップしたいけど何から始めていいか分からない場合は、転職のプロである転職エージェントに一度相談してみましょう。

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丸紅はどんな会社？

丸紅は日本の総合商社です。国内だけではなく、グローバル120拠点に事業を展開している日本を代表する大企業です。

丸紅は伊藤忠商事と同じルーツを持っており、伊藤忠商事との分割・合併等の組織再編を繰り返しながら1949年に現在の丸紅株式会社が設立されました。

丸紅は、穀物事業や電力事業に強みを持っており、穀物取扱量及び国内外持分発電容量は他の総合商社対比トップとなっています。

現代表取締役社長は柿木 真澄氏で、本社は東京都千代田区大手町に置いています。

会社名	丸紅株式会社
英語名	Marubeni Corporation
純利益	5,430億円（2023年3月期）
従業員数	4,340名（2023年3月末時点）
資本金	262,947百万円
本社所在地	東京都千代田区大手町一丁目4番2号

丸紅の事業内容

丸紅の事業領域と各事業本部ごとの当期利益は下記の通りです。穀物事業や電力事業に強みを持っているとは言えども、基本的に金属を中心とした資源への依存度が高いビジネスモデルであることが分かります。

セグメント	当期利益（実態純利益）
ライフスタイル	80億円
情報・物流	100億円
食料第一	120億円
食料第二	250億円
アグリ事業	390億円
フォレストプロダクツ	50億円
化学品	140億円
金属	2,010億円
エネルギー	460億円
電力	540億円
インフラプロジェクト	90億円
航空・船舶	310億円
金融・リース・不動産	400億円
建機・産機・モビリティ	230億円
次世代事業開発	-10億円
次世代コーポレートディベロップメント	-20億円

丸紅の平均年収は1,594万円（平均年齢: 42.3歳）

丸紅は上場企業なので、有価証券報告書にて平均年収を掲載しています。有価証券報告書によれば、2023年3月期における丸紅の平均年収は1,594万円（平均年齢: 42.3歳）と非常に高い水準です。

年度	平均年収	平均年齢
2023年3月期	1,594万円	42.3歳
2022年3月期	1,470万円	42.3歳
2021年3月期	1,192万円	42.2歳
2020年3月期	1,453万円	42.1歳
2019年3月期	1,389万円	41.9歳
2018年3月期	1,322万円	41.6歳

国税庁が開示している日本人の平均年収が461万円であることから、丸紅の平均年収は日本人全体の平均よりも有意に高いと言えます。

また、dodaが公表している業種別平均年収ランキングによると、総合商社の平均年収は446万円となっており、丸紅の平均年収は総合商社全体の平均年収よりも高い水準になっています。

丸紅の平均手取りはいくら？税金・社会保険料と手取りをシミュレーション

国税庁・日本年金機構・全国健康保険協会の公式情報をもとに試算すると、三菱商事の平均と同じく43歳で年収1,939万円の場合、年間の手取り額は約1,066万円、ひと月あたりの手取り額は約89万円となります。

なお、実際の手取りは年収に占めるボーナスの割合や家族構成等によって変動する可能性があります。詳しく知りたい方は手取り計算ツールをご覧ください。

なぜ2021年3月期の平均年収は大幅に下がった？

丸紅の平均年収は2021年3月期に前年対比260万円も下がっています。

年度	平均年収
2023年3月期	1,594万円
2022年3月期	1,470万円
2021年3月期	1,192万円
2020年3月期	1,453万円
2019年3月期	1,389万円
2018年3月期	1,322万円

これは、2020年3月期に新型コロナウイルスの流行による資源価格下落に伴う大幅減損損失の計上で、通期決算が1,975億円の赤字に転落したことが原因です。商社は業績連動ボーナスの割合が高いため、その影響を受けて平均年収水準は大きく引き下がったと考えられます。

2021年3月期で平均年収水準は大幅に下がりましたが、2022年3月期からは前年度の業績回復影響も相まって平均年収水準は回復傾向にあります。このことから、平均年収水準の低下も一時的なもので、今後も年収は向上していくと考えられます。

他の総合商社と比較した際の平均年収水準

また、競合企業である他の総合商社と比較したテーブルは下記の通りです。

2023年3月期	平均年収	従業員数
三菱商事	1,939万円	5,448人
三井物産	1,784万円	5,449人
伊藤忠商事	1,730万円	4,112人
住友商事	1,606万円	5,068人
丸紅	1,594万円	4,340人

2023年3月期の丸紅の年収水準は、5大商社の中でも最も低い水準となっています。下記の平均年収推移をみると、丸紅の平均年収水準は総合商社において4-5位程度となっていることが分かります。

企業	2021年3月期	2022年3月期	2023年3月期
三菱商事	1,678万円（1）	1,559万円（2）	1,939万円（1）
三井物産	1,483万円（3）	1,549万円（3）	1,784万円（2）
伊藤忠商事	1,628万円（2）	1,580万円（1）	1,730万円（3）
住友商事	1,356万円（4）	1,406万円（5）	1,606万円（4）
丸紅	1,192万円（5）	1,470万円（4）	1,594万円（5）

丸紅は利益水準が他総合商社より低く、平均年収水準も低くなる傾向にあります。丸紅は伊藤忠商事と同程度の従業員数にもかかわらず、利益が倍程度異なっています。（伊藤忠商事: 8,005億円、丸紅: 5,430億円）

従業員数は単体ベースですが、下記のようにこうした従業員あたりの収益性が商社間の平均年収の差の要因となっています。

2023年3月期	当期利益	従業員数（単体）
丸紅	5,430億円	4,340人
三菱商事	11,807億円	5,448人
三井物産	11,306億円	5,449人
伊藤忠商事	8,005億円	4,112人
住友商事	5,652億円	5,068人

丸紅の給与体系と総合職における役職別年収を解説

丸紅の平均年収や、他総合商社との比較を見てきたところで、丸紅の年収がどのように決まるのか、給与体系について解説いたします。尚、以降は基本的に総合職の年収について解説します。

丸紅の年収は、基本給、残業代（若手のみ。管理職以降は支給無し）、賞与（夏・冬2回）で決定されます。これに加えて、駐在の場合は駐在手当もつきます。

丸紅の年収＝基本給（役職別） + 残業代 + 賞与（夏・冬2回） （+ 駐在の場合は駐在手当）

まとめると丸紅での年収は下記の様な要素で決まってきます。

丸紅の基本給はグレードによって決定されます。基本給自体は部門によって変動せず、どこの部門に所属していても同じ年次であれば基本給は同様となります。（部門ごとの差は賞与でつきやすい）

丸紅のグレードは下記の通りです。

学部卒の場合、J1からスタートし8年かけてJ8まで到達した後、9年目からM1となります。大学院卒の場合はJ3からスタートとなります。海外赴任や研修の不出来により、昇進に1年程度の個人差が生まれることもあります。JグレードからMグレードは基本的に全員が昇進することができますが、以降は上司の評価次第で昇進ができない場合もあります。

昇進が難しくなってくるのはSグレード以降であり、M5（部長代理）までであれば殆どの人が昇進できるというのが現状です。

丸紅におけるグレードごとの年収イメージは下記の通りです。なお、海外駐在の有無などによって年収水準にぶれが生じる可能性があります。

グレード	年収	年次
Jグレード （J1-8）	500-1,200万円	1-8年目
Mグレード	1,400-2,500万円	9-20年目
Sグレード	2,500万円-	20年目以降
Tグレード	3,000万円-	25年目以降

Jグレードでは毎年100万円程度年収が増え、30歳手前で年収1,000万円に到達することができます。Sグレード以降は誰しもが到達できるわけではありませんが、到達できた際は3,000万円に迫る水準です。

丸紅の残業代

丸紅では、Jグレードが終わる8年目までは残業代が支給されます。月給のうち2割程度は残業代が占めますが、最近は働き方改革の影響から残業が減り、残業代も少なくなっている傾向にある模様です。また、労働基準法により残業上限が規定されているため、残業代で制限なく稼げるわけではありません。

9年目以降は管理職となり、基本給が上がる代わりに残業代が出なくなります。

丸紅の賞与・ボーナス・評価制度

丸紅は年収に占める賞与・ボーナスの割合が高いのも特徴的です。賞与は年に2回（夏・冬）支給され、夏ボーナスの方が金額は大きくなります。具体的には、年収の3-5割程度をボーナスが占めています。

ボーナスは個人の成績（上司の評価によって決定される）と全社業績に連動しています。特に丸紅のボーナスは全社業績への連動度合いが大きく、好業績の場合はボーナスも跳ね上がる一方で、赤字を計上した2020年3月期の翌年に年収が大きく下がったように、業績が悪い場合は年収が大きく下がる傾向にあります。

年収に対して賞与が占める割合は非常に高く、年収の3-5割程度は賞与で占められる模様です。

丸紅の評価制度では、年度初めに決めるミッションへの達成度について上司から評価が行われます。そのフィードバックをもとに賞与が決まりますが、実際は上司の印象により評価が大きく左右されるというのが実態な模様です。

中途で丸紅に転職した場合の年収は？

中途で丸紅に転職したいと思っている場合、「自分の年収がどれくらいになるか」というのは誰しもが気になることだと思います。

参考: 丸紅の年収を解説

海外駐在時の年収は？丸紅の海外駐在手当

他の総合商社同様、丸紅においても海外駐在手当が出ます。総合商社の場合、海外駐在手当の存在は大きく、年収を底上げする要因となっています。

① 海外勤務手当
丸紅では現地給与を支払っており、現地の基準で給料が支払われます。現地の給料と日本での給料の差額が海外勤務手当として支給されます。

要するに、物価の高い国で日本にいた場合と同水準の給料を提供していた場合、物価が高い分生活が苦しくなるため、そうならないように海外勤務手当を提供しているということです。

物価によって海外勤務手当は異なりますが、おおよそ10-40万円程度が手当として支給されます。

② 家賃補助手当
丸紅では駐在に際して家賃補助手当が充当されます。

国ごとに家賃上限が設定されており、その範囲であれば丸紅が家賃負担を行うという制度です。家賃水準としては国や家族が帯同するか否かによって変わってくるものの、30-50万円程度が目安となっています。

③ 教育費用手当
家族帯同の場合、子供の現地での学費も丸紅が支払います。

商社の駐在員の子供はインターナショナル・スクールに入ることが一般的なため、その学費として年間200万円強が支給されることとなります。

④ 危険地域手当
アフリカや中南米・中央アジア等、危険度の高い国々に赴任する場合は、月額50万円程度の危険地域手当が支給されます。

⑤ 別居手当
駐在をきっかけに扶養家族と別居する場合、数万円の別居手当が支給されます。

丸紅で働く新卒の年収・初任給

丸紅の初任給は、公式HPによれば、

• 大卒: 255,000円／月（7月より266,667円）
• 院卒: 290,000円／月（7月より300,000円）

1年目から320万円程度の基本給に加え、残業代、ボーナスを合わせた年収水準は500万円強となります。

この初任給水準は、同業の総合商社全てで等しい額となっています。

5大総合商社の初任給は全社共通の水準:
・大卒: 255,000円／月（7月より266,667円）
・院卒: 290,000円／月（7月より300,000円）

参考: キャリアポータル

丸紅では女性であるからといって、年収が下がる心配はない

丸紅は国内の従業員が3,500人程度いる中で1,200人程度が女性と、全体として女性比率は35%程度です。

丸紅においては、女性だからといって特別に評価がなされることはなく、年収が下がることを心配する必要はありません。総合職の場合、男女関係なく同等の給料体系となっています。

一方で女性管理職の割合は8.1%とまだまだ低い状態であり、育児等の影響で結果的に退職する方が多い、またはいままで多かったということは留意が必要です。

特に、結婚や出産と駐在のタイミングが被ってしまう等での退職が今までは残念ながら多かった模様です。育児休暇等の制度は近年整ったこともあり、今後は女性の昇進に好影響が生まれることが期待できるでしょう。

中途で丸紅に転職するために

丸紅は転職市場で非常に人気の高い会社ですが、未経験であっても前職での実績次第で十分に転職できる可能性があります。未経験であっても丸紅に転職するためには、人気企業をよく知る転職エージェントからサポートを受けるのがベストです。

丸紅における仕事内容

丸紅では、エネルギーや金属、繊維、食料、ITなど幅広い商材・分野において事業を展開しており、各領域において商品の輸出・輸入などの取引を行ったり、外部の企業やプロジェクトに対する事業投資を行っています。

丸紅の仕事内容は、大きく分けると「営業」と「コーポレート」の2つに分けられます。それぞれの仕事内容は下記の通りです。

事業投資とは？

事業投資とは、総合商社が各企業に出資・投資先管理やシナジーの創出を通じて、トレード収益や配当収益を最大化することです。

総合商社は、世界中の企業に対して投資（出資）を行いますが、投資ファンドのように売却を目的とするわけではありません。

中長期的な継続保有を前提として、経営陣を派遣したり、ノウハウの注入やネットワークを活用することで、投資先の企業価値を最大化し、そこからの配当収益を最大化することを目的としています。

トレーディングとは？

トレーディングとは、総合商社がネットワークを活用して需要サイドと供給サイドを結び付け、コミッション（仲介手数料）とマージン（買値と売値の差）を得ることです。

例えば、バナナを売りたいフィリピンの会社とバナナを仕入れたい日本の会社を結び付け、物流や金融（為替）等のサービスを全て提供し、コミッションと売値・買値間の差であるマージンを得ることを目的としています。

コーポレートとは？

コーポレート業務は営業と異なり、決算、リスクマネジメント、為替、プロジェクトファイナンスの実行、人事、法務等、営業のサポートやアドバイスを行う部門のことです。

コーポレートには、カンパニー単位に付き営業のサポートを行うコーポレートと、全社決算やM&A、人事、法務等全社単位での意思決定・タスクに携わるを担当する全社コーポレートに分かれます。

丸紅はやばい？社員が死亡したことがある？真相を解説

日本を代表する総合商社の丸紅ですが、Googleで「丸紅」と検索すると関連キーワードに「やばい」というネガティブなワードがあります。

丸紅への就職や転職を検討している方の中でも、この検索結果を見て尻込みしてしまったり、不安になってしまった方も少なくないのではないでしょうか。

丸紅が「やばい」と言われる理由は下記の記事でも解説しているので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

丸紅は激務と言われるのは本当？

丸紅は公式で年間平均総労働時間と月間平均残業時間を公開しています。公式の情報によれば、平均残業時間は20時間程度（2023年3月期の月平均残業時間は18.4時間）と非常に短い水準となっています。

年度	年間総労働時間	月間平均残業時間
2020	2,086時間	20.0時間
2021	2,083時間	20.3時間
2022	2,055時間	18.4時間

また、離職率も下記の通り1桁台と低い水準に抑えられていることが分かります。

年度	自己都合離職率
2020	3.0%
2021	3.3%
2022	2.8%

丸紅はエリート？丸紅の採用大学は？

丸紅社員の出身大学は下記の通りです。高学歴な大学が多く、丸紅社員はエリートと言うことができるでしょう。

各出身大学別の就職者数は下記の通りです。

順位	大学	採用人数	全体（124人）に 占める割合
1	早稲田大学	20	16.1%
2	慶應義塾大学	19	15.3%
3	東京大学	10	8.1%
	一橋大学	10	8.1%
5	京都大学	5	4.0%
	大阪大学	5	4.0%
7	神戸大学	4	3.2%
	青山学院大学	4	3.2%
	東北大学	4	3.2%
10	北海道大学	3	2.4%
	東京工業大学	3	2.4%
	立教大学	3	2.4%

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