新卒1年目での転職は厳しい？原因と対処法を解説【転職したい】

新卒1年目なのに転職するのは厳しいという意見があります。本ページでは「新卒1年目での転職は厳しい」と言われる理由や対処法を徹底解説しています。

新卒1年目での転職は一般的？

そもそも、新卒1年目での転職は一般的なのでしょうか。

厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によれば、大学卒における新卒1年目の離職率は10.6%となっています。10人に1人が離職しているということで、決して珍しいことではありません。学歴別にみると下記の通りです。

中学卒	32.1%
高校卒	15.1%
短大卒	16.3%
大学卒	10.6%

ただし、新卒1年目での転職は一般的な第二新卒やスキルのある20代後半～30代の転職と比較すると難易度が高いのは事実です。以降では新卒1年目での転職は厳しいと言われる理由についてご説明します。

新卒1年目での転職は厳しいと言われる理由

新卒1年目での転職は厳しいと言われる理由としては下記の様なものが挙げられます。

新卒1年目での転職は厳しいと言われる理由#1:
すぐにやめる・忍耐力がないと思われているため

新卒1年目での転職は厳しいと言われる理由として挙げられるのは、すぐにやめる・忍耐力がないと思われているという点です。

新卒で転職活動を行ったとしても忍耐力がなく、どうせ採用したとしてもすぐにやめるのではないかと懸念する面接官も一定数います。

企業目線で見た場合、せっかく採用した人には長く会社で働いてほしいと思っているため、「この会社でなら長く働ける」というような理由付けをきちんと面接で説明できるようにしましょう。

新卒での転職を成功させるためには、次に入社する会社では長期間働くことができる理由があると説得することが重要となります。

新卒1年目での転職は厳しいと言われる理由#2:
前職の退職理由をポジティブに説明することができないため

新卒1年目での転職は厳しいと言われる理由として次に挙げられるのは、前職を辞めた理由をポジティブに説明できないという点です。

新卒での転職に至る理由は様々で、より良い待遇を求めたい、ステップアップしたいという理由もあれば、社内の人間関係に悩んだ、やりたい仕事ができていないといった理由もあるでしょう。

どのような理由があるにせよ、ネガティブな理由でそこから学びもなく退職理由を述べてしまうと、面接官としては「弊社でも同じようなことになるのではないか」と印象を持たれてしまうでしょう。

そうならないように、前回の退職（または退職したいと思っている理由）から何を学んだか、どのように自分が変えることができたか、といった形で退職の理由を自身の成長に昇華して伝えられるようにする必要があります。

退職する理由や退職した事実は変えられませんが、そこから自分が何を学び、どう変わるかはいくらでも変えることができます。新卒での転職の場合はこうした退職理由について深く考えるようにしましょう。

新卒1年目での転職は厳しいと言われる理由#3:
スキルや実務経験が不足しているため

新卒1年目での転職は厳しいと言われる理由として次に挙げられるのが、スキルや実務経験が不足しているという点です。

新卒1年目での転職だと「前職で得られたスキルや実務経験が豊富だ」と面接でアピールするのは難しい場合が多いです。新卒が前職での経験が豊富な人材を求める求人に応募して採用に至るのは至難の業と言えるでしょう。

一方で未経験であったり、スキルや経験が不足している事を重々承知したうえで、その若さを買って採用を行っている企業も多数あります。新卒での転職を目指す場合はそうした企業や求人への転職を狙うのがおすすめです。

新卒1年目で転職すべきでないケース

新卒1年目だと衝動的に会社を辞めてしまったり、実は転職すべきでない状態で転職を決意してしまうことがあります。

特に安易な理由で転職してしまうと、転職先で同様の問題を抱えやすく転職先もまたすぐに辞めてしまうという事態にも陥りかねません。

新卒1年目で転職すべきではないケースとしては、下記の様なケースが挙げられます。

新卒1年目で転職すべきでないケース#1:
やりがいのある仕事を任せてもらえない

やりがいのある仕事を任せてもらえないというのは、新卒1年目で転職すべきでないケースの1つです。

新卒1年目ではスキルや経験などが身に付いていないため基礎的な仕事を任されることが多い年代です。

仕事内容を退屈だと感じることも多くなります。しかしながら、やりがいの無さを理由に新卒1年目で転職を検討するのは危険です。

新人の場合は特に「つまらない」「やりがいのない」仕事を任されることが多いですが、やりがいのある仕事を任されるためにはこうした仕事を経てスキルや経験を身に付ける必要があります。

どの仕事においても知識や経験を身に付ける下積みの時期は存在します。こうした時期を嫌って転職したとしても、転職先でまた「仕事がつまらない」と同様の悩みを抱える可能性が高いです。

新卒1年目で転職すべきでないケース#2:
仕事ができない・ミスが多いと感じる

仕事ができない・ミスが多いと感じるのも、新卒1年目で転職すべきでないケースの1つです。

新卒1年目はまだ半分学生の様な状態で仕事にも慣れていません。仕事が出来なくても仕方のない年次ですが、仕事ができない・ミスが多いと「この仕事が自分に合っていない」と判断し転職を検討してしまうことがあります。

この様な判断は時期尚早なことが多いです。新卒1年目の時は仕事ができなくても、仕事に慣れ始めた2年目以降急激に仕事ができるようになる人は少なくありません。

単に仕事ができないという理由で、新卒1年目で転職を検討している場合は慎重になることをおすすめします。

新卒1年目で転職すべきでないケース#3:
上司と合わないと感じる

上司と合わないと感じるのも、新卒1年目で転職すべきでないケースの1つです。

新卒1年目はまだ見習いの様なステータスで、上司からの指示が命令口調であったり威圧的であることや、上司の性格に対して合わないと感じてしまうことも少なくありません。しかしながらその様な理由で転職しても、転職先で同様の悩みを抱えてしまうことは少なくありません。

仕事に慣れて仕事ができるようになってくれば上司との関係性が改善されることはよくあります。

また、仕事ができるようになったのに上司との関係が悪い場合は、異動などを通じて上司と離れることもできるようになります。上司との関係が悪い、合わないという理由で新卒1年目での転職を検討している場合は再検討をおすすめします。

新卒1年目で転職すべきでないケース#4:
労働時間が長い・給料が低いと感じる

労働時間が長い・給料が低いと感じるというのも、新卒1年目で転職すべきでないケースの1つです。

新卒1年目はスキルを身に付けるためであったり仕事に慣れないという理由で労働時間が長かったり、年収が低いことがありますが、そうした理由だけで転職を検討するのは危険です。

どこの会社であっても新卒1年目などの若い年次は給料や労働環境は悪くなりがちです。

年次が上がることで状況は改善されていきますが、転職をしてしまうとまた新卒1年目の様な状態からスタートしてしまい、労働時間・給料ともに不遇な時期が長くなってしまう可能性があります。

現職の会社で少し我慢するだけで給料・労働時間から簡単に脱却することができる可能性があるため、一時的に労働時間が長い・給料が低いと感じるからといって安易に転職しないことをおすすめします。

新卒1年目で転職すべきでないケース#5:
やりたい仕事を理解しないまま転職する

やりたい仕事を理解しないまま転職するというのも、新卒1年目で転職すべきでないケースの1つです。

新卒1年目で就職した仕事が何となく自分に合わない場合に、自分がやりたい仕事を理解しないまま転職すると転職先の仕事もまた自分に合わない可能性があります。

転職先の仕事が合わず、実は転職元の仕事が自分に合っていたという可能性もあります。そうなると転職に失敗したと後悔する可能性もあります。新卒1年目で転職する場合は、自分がやりたい仕事を明確に理解することが重要です。

新卒1年目で転職すべきケース

ここまで、新卒1年目での転職は厳しいとされる理由や新卒1年目で転職すべきでないケースについてご説明してきましたが、実は新卒1年目で転職すべきケースもあります。下記の様なケースの場合は新卒1年目であっても転職を検討して良いでしょう。

新卒1年目で転職すべきケース#1:
法外なレベルで労働時間が長すぎる・給料が安すぎる

新卒1年目で転職すべきケースとして、法外なレベルで労働時間が長すぎる・給料が安すぎる場合が挙げられます。

上記の様に法外なレベルで労働環境が悪い場合は正当な扱いを受けているとは言えません。こうしたケースだと新卒1年目で転職しても良いケースとなります。

新卒1年目で転職すべきケース#2:
職場が人手不足・連鎖退職が起きている

職場が人手不足であったり、連鎖退職が起きているような職場は新卒1年目で転職すべきケースと言えます。人手不足の職場で働き続けると、悪質な労働環境や労働時間などによって精神的に病んでしまったり、身体を壊してしまうことがあります。

人手不足が慢性的なだけでなく、離職が短期間で相次いでいるような会社だと離職せずに残っている従業員にしわ寄せがいって激務となり、結果的に連鎖退職を起こして職場が崩壊してしまうこともあります。

新卒1年目で転職すべきケース#3:
ハラスメントを受けている

ハラスメントを受けている場合も新卒1年目で転職すべきケースです。

パワーハラスメントやセクシャルハラスメントなど、職場での嫌がらせは、被害者に精神的ストレスを与えます。

種類	定義
パワーハラスメント	職場で明らかに立場が上のものが、常識的に逸脱した指示や発言をして、相手を不快にさせること
セクシュアルハラスメント	職場において、相手の意に反して性的な言動をすることにより不快な気持ちにさせること
マタニティハラスメント	妊娠・出産・育児中の女性従業員に対して、理不尽な扱いを受けるような言動をすること
モラルハラスメント	態度や言動で相手の人格を否定したり傷つけたりすること
結婚ハラスメント	未婚の人に対して避難したり、結婚に関するプレッシャーを与えたりして不快な思いをさせること

こうしたハラスメントを受けている場合、精神的に病んでしまう可能性も高いため新卒1年目で転職しても良いケースとなります。

新卒1年目で転職すべきケース#4:
職場の人間関係が最悪

職場の人間関係が最悪な場合も、新卒1年目で転職すべきケースとして挙げられます。

人間関係が最悪な職場で働くと精神的な不調にかかったり、適切な指導を受けられないためにスキルがつかなかったりなどと様々な悪影響があります。

職場の人間関係が実際にどれほど悪いかにもよりますが、精神的な拒否反応が生じてしまったり適切な指導を受けることができないレベルで人間関係が悪い場合は、新卒1年目での転職を検討しても良いでしょう。

新卒1年目で転職すべきケース#5:
精神的なストレスで仕事に行きたくない時の拒否反応が起きている

精神的なストレスで仕事に行きたくない時の拒否反応が起きているというのも、新卒1年目で転職すべきケースの1つです。

ストレスに起因した体調不良や睡眠障害は身体からの重大なSOSサインです。重大な拒否反応を放置しすぎると精神的に重大な影響が起きる可能性があるため、新卒1年目であっても転職を考慮するに値します。

新卒1年目で転職すべきケース#6:
やりたいことが明確にできた

やりたいことが明確にできたというのも、新卒1年目で転職すべきケースの1つです。

なんとなく今の仕事をやりたくない、やりがいを感じない、仕事に行きたくないなどネガティブな感情をベースに転職を検討するのは避けるべきですが、何らかのきっかけでやりたいことが明確に定まった場合は転職を検討するのも手の1つです。

ただし、自分のやりたいことはコロコロと変わる可能性があります。特にやりたいことがコロコロと変わる自覚がある人は一旦落ち着いて考えることをおすすめします。

新卒1年目で転職を成功させるためにやるべきこと

ここまで新卒1年目での転職は難易度が高いものの、新卒1年目であっても転職して良いケースもあると説明してきました。以降では新卒1年目で転職を成功させるためにやるべきことについてご説明します。

新卒1年目で転職を成功させるためにやるべきこと①:
自己分析を行う・退職理由を明確に説明できるようにする

新卒1年目での転職を成功させるためには、まず自己分析をしっかりと行うことが重要となってきます。

具体的には、下記の様なことに対して自分なりの答えをしっかりと導き出しておくと良いでしょう。

ここまでご説明してきた通り、特に新卒1年目の場合は自分の退職理由を明確にかつポジティブに説明できるようにすることが大事です。

新卒1年目に対して、面接官は「採用してもすぐやめてしまうこと」「自社に来てもまた同じようなことを繰り返すこと」を懸念しているため、そうした懸念を払拭できるように、退職から何を学んだか、転職した場合はどのように貢献できるかという点をきちんと説明できるようにすることが大事です。

新卒1年目で転職を成功させるためにやるべきこと②:
職務経歴書や履歴書をきちんと記載する

新卒1年目での転職を成功させるうえで、職務経歴書や履歴書の完成度を高めることが必要です。職務経歴書や履歴書の完成度が低いと、以降の面接などを対策したとしても門前払いに終わってしまいます。

職務経歴書や履歴書に関してはどの会社においても使いまわすことができるからこそ、完成度の高いものを用意するようにしましょう。

とはいえ、こうした職務経歴書や履歴書については書き方が分からなかったり、添削してもらわなければ完成度の低いものになりがちです。

転職エージェントは職務経歴書や履歴書における添削も行ってくれるので、職務経歴書や履歴書の完成度を高めるために活用しましょう。

新卒1年目で転職を成功させるためにやるべきこと③:
選考を受ける企業の研究をしっかりと行う

新卒1年目での転職を成功させるためには、企業研究も重要となってきます。新卒1年目で受ける企業がどのような会社で、どのような点に強みがあり、自分がどのように貢献できるかを説明できるようにしておきましょう。

特に新卒1年目の場合は経験やスキルではなく、キャッチアップできる若さや体力・熱意を重視する傾向にあるため、選考を受けている企業の強みやなぜその会社に行きたいかを説明するためにも、きちんと企業研究を行うことをおすすめします。

新卒1年目で転職を成功させるためにやるべきこと④:
複数社の選考を受ける

新卒1年目での転職を成功させるためには、複数社の選考を受けるようにしましょう。

新卒1年目でも十分に転職できるとは言え、全ての企業から内定をもらえるような世界ではありません。従って、リスクヘッジのためにも複数社の選考を受けるようにしましょう。

また、複数社の選考を受けることによって、面接の練習を行うことが出来たり、思わぬ企業に出会うことが出来たりと副次的な効果もあります。

本命企業の合格率を上げるためにも、また転職で失敗しないためにも複数社の選考を受けるようにしましょう。

新卒1年目で転職を成功させるためにやるべきこと⑤:
転職エージェントを活用する

新卒1年目へ転職するためには、転職エージェントを活用することも重要です。先述した通り、書類選考においては書類添削、面接においては模擬面接、更に内定後の条件交渉まで、転職エージェントは首尾一貫して求職者のサポートをしてくれます。

書類選考や面接においては、第三者による添削や練習・フィードバックがあることによって圧倒的に合格率を改善することができます。

選考対策だけでなく、転職エージェントは選考企業の面接官に関する情報や、どのような質問が実際に面接で行われたか、どの部門での採用が積極的かなど、外部からは正確に分からない情報についても豊富に持っています。

第二新卒（新卒1年目）におけるおすすめの転職エージェントは下記の記事で解説しているので、詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。

複数の転職エージェントに登録することをおすすめ

転職エージェントを活用する場合は、複数の転職エージェントを活用することもおすすめします。

エージェントの利用は完全無料で、何社から話を聞いても問題はありません。新卒1年目での転職を成功させるうえで最適な転職エージェントを見つけるためにも、できるだけ複数社と話してみることをおすすめします。

新卒1年目として転職活動することのメリット

新卒1年目として就職活動を受けるうえではメリットも下記の様なメリットがあります。順に説明していきます。

新卒1年目のメリット①:
企業から見て採用されやすい理由がある

新卒1年目のメリットとして挙げられるのが、企業から見て採用されやすい理由があるという点です。

新卒1年目は下記の様な理由で採用されやすい傾向にあります。企業が新卒1年目を求める理由に合致するような点をアピールできれば、内定に近づくことができるでしょう。

新卒1年目のメリット②:
将来性を期待されているのでプレッシャーを感じづらい

新卒1年目のメリットとして挙げられるのが、スキルが評価されているわけではなく、将来性を期待されているのでプレッシャーを感じづらいという点です。

新卒1年目は中途採用と異なり、ポテンシャルや将来性を評価される傾向にあります。

中途採用は即戦力として期待されるため、結果が残せないと社内での風当たりが強くなるということもありますが、新卒1年目の場合はスキルや結果に対する期待感は低く、将来性を見られるため、結果としてプレッシャーは低くなる傾向にあります。

新卒1年目のメリット③:
未経験や異業種であっても転職することができる

新卒1年目のメリットとして挙げられるのが、未経験や異業種への転職も可能という点です。

中途での転職の場合は、現職での経験から大きく外れた業界への転職は給料が下がるなどの理由からハードルが高いというのが実情です。

しかし、新卒1年目はスキルを身に着けるには在籍期間が短く、業界にも染まっていないため、異業種や未経験の業界であってもほぼ新卒のような形で転職することができるという点がメリットです。

企業としても、新卒1年目に対しては前職でのスキルではなく将来性を期待していることから、未経験者や異業種であっても採用する傾向にあります。

第二新卒とは？新卒1年目を含む？

第二新卒とは学校を卒業後、一度就職をしたが数年の内に転職活動をする若手求職者を指します。

転職活動の前に退職するケースと、転職先を決めてから前職を退職するケースがありますが、両方とも第二新卒として扱われます。

年齢で言うと25歳程度の方が多い傾向にあります。一方で、理系であったり院生であったりと最終学歴や状況によって異なってくるため、年齢については具体的な基準はなく、企業によって定義も異なります。

例えば三菱商事は第二新卒を「勤続年数が合計で3年以内の方」と定義していますが、企業によっては年齢などで制限を設けている場合もあります。

とはいえ、合計勤務年数が3年以内で、次の転職先を探している人が「第二新卒」と呼ばれると考えれば良いでしょう。従って、新卒1年目も定義上は第二新卒として扱われます。

まだ社会経験のない新卒とは違い、前職で少しでも仕事をした経験からある程度のビジネスマナーが身についていることや、年齢が若く柔軟性も高いと評価されるのが第二新卒の特徴です。

人生終了？第二新卒が「やばい」「やめとけ」「就活が厳しい」と言われる理由と現実

第二新卒についてインターネットでは「やばい」「やめとけ」と評価されることがあります。こうした評判を見ると、第二新卒は「やばい」のではないか、第二新卒で転職するのは難しいのではないかと不安になる人もいるでしょう。