定時で帰ることの何が悪い？帰れない理由や働き続けるデメリット

定時で帰ることができない会社にいる人も少なくありません。どのような理由から「定時で帰ることができない」ことが起こりやすいのでしょうか。

「定時で帰ることができない典型的な理由」「定時で帰れない会社で働き続けるデメリット」「定時で帰ることのできる人の特徴」について詳しく解説します。

仕事が終わっていなくても定時で帰ることは悪い？

結論から言うと、仕事が終わっていない場合であっても、定時で帰ることは悪くはありません。

定時」という言葉は、一般的に「正規の勤務時間」という意味で使われます。法定労働時間は労働基準法第32条によって「1日8時間、週40時間まで」と定められており、これをベースに各企業の就業規則や雇用契約書に合わせて企業ごとに定時が定められます。

そのため、定時で帰ること自体法律上、問題はありません。

定時で帰ることができない典型的な理由

定時で帰ることができない典型的な理由は下記の通りです。

定時で帰ることができない典型的な理由1:
上司・先輩社員が残業をしている

定時で帰ることができない典型的な理由として、上司・先輩社員が残業をしている点が挙げられます。

自分の業務が終わっていれば、帰宅しても何も問題はありません。

しかし、残業が当たり前になっている会社では、会社の雰囲気が悪いことも多い傾向にあります。

そのため、自分の仕事が終わっていたとしても、上司や先輩が残業をしていると、自分だけ帰ることが失礼なのではないかと考えてしまい、帰ることができなくなってしまいます。

上司や先輩社員の仕事を手伝うことは、良好な人間関係を築く上でも重要ですが、繰り返していると自分の業務が多くなってしまい、自分自身も残業を強いられることになります。

また、上司が職場の空気感を作り出すため上司によって長時間労働が強要される場合には、社員の士気を大きく下げる原因となり、働きづづけることが難しくなってしまう可能性もあります。

定時で帰ることができない典型的な理由#2:
人手不足で自分の業務量が多い

定時で帰ることができない典型的な理由として、人手不足で自分の業務量が多いことが挙げられます。

定時で帰宅するためには自分の仕事を終えている必要があります。しかし、自分の業務量が多い場合、時間内に業務を終えることができず、定時で帰ることができなくなってしまいます。

特に、人手不足の職場では少ない従業員で業務をこなす必要があるため、一人当たりの業務量が多くなり、労働時間が長くなる傾向にあります。

また労働時間の長さで体調を壊す社員も増え、その分の労働がほかの社員にしわ寄せとなって寄ることでさらに労働時間が長くなります。

残業が多く長時間労働になっている場合には心身の不調をきたしやすく、結果的に仕事を継続することも難しくなることがあるため、上司や先輩社員に相談し、業務量を軽減してもらうことも重要になります。

定時で帰ることができない典型的な理由#3:
通常業務以外に時間を使うことが多い

定時で帰ることができない典型的な理由として、通常業務以外に時間を使うことが多いという点が挙げられます。

タスク管理を十分に行い、業務時間内に仕事を終えるようにしてたとしても、急に仕事が入ってしまったり、ミーティングなどが必要以上の時間行われてしまうこともあります。

本来の業務以外に使用する時間が長くなってしまうことで、自分の業務を進めることができなくなります。結果的に、自分の業務が時間内に終わらなくなってしまい、定時で帰ることが難しくなります。

また、こうした通常業務以外に時間を使うことが多い会社では、長時間労働を強いられてしまいやすいため過度な業務になりやすくストレスを抱えやすい傾向にあります。

定時で帰ることができない典型的な理由#4:
クライアントや顧客がいる

定時で帰ることができない典型的な理由として、クライアントや顧客がいる点が挙げられます。

営業など社外の人と関わる業種ではクライアントや顧客との打ち合わせなどが必要となります。

打ち合わせなどは基本的に業務時間内に行われますが、打ち合わせ終了後、クライアントや顧客との世間話などで時間が割かれてしまい定時を過ぎてしまうことがあります。

また、飲食店や接客業であれば、営業時間終了時刻を過ぎてもなかなかお客さんが退店しないこともあります。こうした場合には、定時で帰ることは難しくなってしまいます。

定時で帰れない会社で働き続けるデメリット

定時で帰れない会社で働き続けるデメリットは下記の様なものが挙げられます。順に説明します。

定時で帰れない会社で働き続けるデメリット#1:
仕事を押し付けられて慢性的に労働時間が長くなる

定時で帰れない会社で働き続けるデメリットとして、仕事を押し付けられて慢性的に労働時間が長くなる点が挙げられます。

定時で帰れない会社では、人手不足であることも多くなっています。残った社員は追加の責任と業務を引き受けることになり、これが過剰な労働時間になってしまいます。過剰な労働によって、ストレスの増加やプライベート時間の減少となってしまいます。

特に急に人がやめてしまいしわ寄せがくるような状態だと、休日でも急に仕事が回ってきてプライベートな予定をキャンセルしなければいけないようなこともあります。

こうした状態だと従業員は身体的だけでなく精神的にも壊れてしまい、結果的に連鎖退職になる可能性があります。

定時で帰れない会社で働き続けるデメリット#2:
精神的な不調にかかる

定時で帰れない会社で働き続けた結果としてまず挙げられるのが、精神的な不調にかかるという点です。

定時で帰れない会社では長時間労働となっています。

長時間労働が常態化すると身体を壊しますが、それだけでなく過剰なストレスによって精神的な病気にかかってしまうこともあります。

精神的な病気としては、適応障害やうつ病など重大なものも含まれます。こうしたメンタルヘルスの不調にかかってしまうと、仕事に復帰できないなど様々な悪影響があるため、放置するのは危険です。

定時で帰れない会社で働き続けるデメリット#3:
仕事に行くモチベーションが湧かなくなる

定時で帰れない会社で働き続けるデメリットとして、仕事に行くモチベーションが湧かなくなるということも挙げられます。

仕事はモチベーションをもって行うにこしたことはありません。人生の大きな部分・時間を占める仕事においてモチベーションを高く取り組むことができれば、下記の様なメリットがあります。

しかし、定時で帰ることができない場合、プライベートの時間も十分確保することができないことに加え、長時間労働によって休日には寝て過ごすといったことになりかねません。すると、なんのために働いているのか分からないといったことにもなります。

また、仕事にモチベーションがない状態だとメンタルヘルスや自己肯定感が下がってしまうなど様々な弊害が出てきやすくなります。

定時で帰るのは何が悪い？
定時で帰ることのできる人の特徴

これまで、定時で帰ることのできない会社で働き続けるデメリットについて解説してきました。次に、定時で帰ることのできる人の特徴についてご説明します。

定時で帰ることのできる人の特徴は下記の通りです。

定時で帰ることのできる人の特徴#1:
仕事を断ることのできる人

定時で帰ることのできる人の特徴として、仕事を断ることのできる人が挙げられます。

定時で帰ることのできる人は、自分の業務が終わりかけた時に仕事を頼まれたり、自分の仕事があるのにも関わらず追加で業務を頼まれたりしてしまった場合に、しっかりと断ることができます。

また、断ることができないと、自分のスキルや、行うことのできる仕事量以上の業務が振られてしまい、結果的に残業や長時間労働に繋がってしまう可能性があります。

自分の業務外であったり、時間内に終わらせることができない場合には、しっかりと断ることが重要になってきます。

定時で帰ることができる人の特徴#2:
時間管理ができる人

定時で帰ることのできる人の特徴として、時間管理ができる人が挙げられます。

時間の管理ができる人は、自分の行うべき仕事に対して優先順位をつけたうえで、効率的に仕事することができます。優先順位をつけることはタスク管理が行えることでもあります。

タスク管理をして、時間管理をしっかりと行うことができることで、締め切りなどに焦って長時間労働や残業をしなければならないといったこともなく、定時で帰ることができるようになります。

定時で帰ることができる人の特徴#3:
ミスが少ない人

定時で帰ることができる人の特徴として、ミスが少ない人が挙げられます。

仕事が早いとしてもミスが多ければ、修正にも時間がかかり、一つの仕事における時間が長くなってしまいます。さらに、業務効率が悪いため、定時までに終わらせることも難しくなってしまいます。

ミスが少ない人であれば、日ごろの業務から確認や修正を十分に行うため、業務における時間を短くすることができ、定時で帰ることができるようになります。

また、ミスをなくすことは難しいですが、確認や修正を細かく行っていくことでミスが起こる確率を少なくすることができます。さらに、問題が起こったとしても、早期に気づき、対応することができるため残業や長時間労働を必要とすることが少なくなります。

定時で帰ることができる人の特徴#4:
仕事に関係のない無駄な話をしない

定時で帰ることのできる人の特徴として、仕事に関係のない無駄な話をしない人が挙げられます。

仕事においてコミュニケーションは非常に重要ですが、仕事に関係のない話が多くなってしまうことで、業務効率が低下します。結果、本来終わるはずの業務が時間内に終わらず、定時で帰ることができなくなってしまいます。

また、無駄話が多くなることで「いつもしゃべっている」「仕事してないのでは」などの印象を持たれやすく職場内での印象が悪くなりやすい傾向にあります。

そのため、定時で帰るためには、仕事とプライベートをしっかりと切り替え、効率的に業務を行っていくことが重要になります。

定時で帰ることができる人の特徴#5:
定時で帰ることを周囲に伝えている

定時で帰ることのできる人の特徴として、定時で帰ることを周囲に伝えている人が挙げられます。

事前に職場の人に「今日は予定があるため定時で帰ります。」と伝えておくことで、定時ギリギリに仕事を頼まれてしまうことを防ぐことができます。

自分の業務が終わらないと感じても、定時で帰ることを知っている人がいることで、手伝ってもらったり、助けてもらうことができます。

また、前もって伝えておくことで、1日の業務調整などを行ってもらうことができる場合もあるため、確実に定時で帰りたい場合には有効と言えます。

定時で帰るためのポイント

定時で帰るためのポイントは下記の通りです。

定時で帰るためのポイント#1:
業務の効率化を図る

定時で帰るためのポイントとして、業務の効率化を図ることが挙げられます。

定時で帰ることができない理由として、仕事が業務時間内に終わらず帰ることができない場合も少なくありません。

そのため、時間管理やタスク管理を行い、業務の効率化を図ることで、時間内に業務が終わるように調整していく必要があります。

こうした工夫を行い、効率的に仕事を行っていくことができれば、定時で帰ることができるようになります。

定時で帰るためのポイント#2:
無理に業務を請け負わず、できない業務は断る

定時で帰るためのポイントとして、無理に業務を請け負わず、できない業務は断ることが挙げられます。

自分の業務だけでもギリギリの中で、断ることができず、他の人の仕事を請け負ってしまうことで残業や長時間労働になってしまうことがあります。

また、自分の仕事が十分にできていないのにも関わらず、他の人の仕事を請け負ってしまうことで、作業効率が低下したり、疲労から仕事のレベル低下につながってしまいます。

困っている時には助け合うことも重要ですが、自分の業務が終わっていない場合には、無理に業務を請け負うことなく、できないことはしっかりと断ることが必要です。

定時で帰るためのポイント#3:
コミュニケーションをとり良好な人間関係を築く

定時で帰るためのポイントとして、コミュニケーションをとり良好な人間関係を築くことが挙げられます。

職場内でコミュニケーションをしっかりと取り、良好な人間関係を築きあげることで、お互いに協力しながら働くことができます。コミュニケーションが十分に取れている職場では、作業効率も良い傾向にあり、業務も進めやすいと言えます。

また、業務が多く仕事が終わらないと感じた場合であっても、周囲の社員がサポートをしてくれることで定時で帰ることができる可能性も高くなります。

日ごろからしっかりとコミュニケーションをとり、困っている時には助け合うことが重要になります。

定時で帰るためのポイント#4:
周りの目を気にしない

周りの目を気にしないことも定時で帰るためには重要なポイントとなります。

自分の業務が終わり、上司や先輩社員から先に帰って良いと言われたとしても、申し訳ないと思い残業している人も少なくありません。しかし、自分の仕事が終わっているなら、帰ったとしても問題はありません。

社内には残業が当たり前と思っている人もいますが、そういった意見を過度に気にする必要はなく、自分の時間を有効に使っていくことが大切です。

定時で帰ることのできる仕事の特徴

定時で帰ることのできる仕事の特徴として下記の様な点が挙げられます。