【契約社員になってはいけない？】理由や向いていない人の特徴を解説

「契約社員にはなってはいけない」と言われることがあります。契約社員になってはいけないと言われる理由や契約社員になってはいけない人の特徴、契約社員から正社員への転職を成功させる方法を網羅的に解説しています。

そもそも契約社員とは？

契約社員とは、「雇用期間の定められた有期雇用契約を結んでいる社員」です。労働基準法で雇用期間は、「原則として最長3年（専門職などの特定の条件がある場合は5年）」と定められています。

契約社員として企業での勤務年数が5年以上になると「無期雇用契約」への切り替えが可能になっています。

「契約社員」「準社員」「非常勤」「臨時社員」「パートナー社員」「嘱託」など、企業によって呼び方が異なりますが、法律上ではすべて同一の「有期雇用労働者」として定められています。

契約社員になってはいけない理由

契約社員になってはいけない理由は下記の通りです。順に詳しくご説明します。

契約社員になってはいけない理由#1:
給与・賞与が少ない

契約社員になってはいけない理由として、給与・賞与が少ないという点が挙げられます。

厚生労働省の有期労働契約に関する実態調査によると正社員と比較して契約社員の方が給料の水準が低いと答えた割合が半数以上と非常に多い結果となっています。

正社員と 比べた給与水準	給与	賞与
高い	1.8%	1.1%
ほぼ同等	9.6%	4.5%
低い	65.3%	43.7%
制度がない	―	34.9%
わからない	21.8%	14.0%
無回答	1.5%	1.8%

また、賞与では正社員と比べ低いと回答した割合が43.7%と多いことに加え、制度自体ない企業が約35％と多く存在していることがわかります。このように、同じ仕事をしていても契約社員は正社員よりも給与や賞与が少なくなってしまう可能性が高くなります。

近年、同一労働同一賃金の政策などで大きな賃金の差は少なくなってきていますが、いまだ差があるのが現状です。

契約社員になってはいけない理由#2:
福利厚生が充実していない

契約社員になってはいけない理由として、福利厚生が充実していないという点が挙げられます。

福利厚生には、「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」が存在します。法定福利厚生の中には基本的な休日取得なども含まれます。休日日数は正社員と変わらず取得可能ですが、社会保険、労働保険などは労働条件を満たしている必要があります。

項目	詳細
法定福利厚生	・休日 ・社会保険（健康保険・介護保険・厚生年金など） ・労働保険
法定外福利厚生	・自社提供（通勤手当・住宅手当・特別休暇・資格取得手当 など） ・外部提供（宿泊・旅行・スポーツクラブ・エンタメ などの補助）

また、契約社員の場合、正社員に設けられている福利厚生が適用されないことがあります。

契約社員になってはいけない理由#3:
失業のリスクが高い

契約社員になってはいけない理由として、失業のリスクが高いという点が挙げられます。

契約社員は先述しているように有期雇用になっています。そのため、契約期間が満了した際に契約更新がなされなければ退職となり失業してしまう可能性があります。

そのため、契約社員は契約が必ずしも更新されるとは限らないということを考慮しながら働いていくことになります。

次の仕事を探したり、金銭的な不安などを抱えながら働くことによって精神的にも負担がかかる可能性が高くなるといったデメリットも存在します。

契約社員になってはいけない理由#3:
キャリアアップが難しい

契約社員になってはいけない理由として、キャリアアップが難しいという点が挙げられます。

契約社員では雇用期間が定められており継続した働きが難しいことが前提にあるため、正社員の補助的な仕事や簡単な仕事が多くなっている傾向にあります。

簡単な仕事やルーティンワークをこなしているだけでは、スキルを磨くことができないため、昇進・昇給を目指すことも難しくなります。

また、キャリアアップを目指した転職を行おうとしても、スキルが不足しているため転職先が見つからないといったことにもなり得ます。

契約社員になってはいけない理由#4:
社会的信用が低くなる

契約社員では正社員とは異なり雇用が不安定なため、社会的信用が低くなってしまうことがあります。

社会的信用は、住宅ローンやクレジットカードの審査でも重要になってきます。契約社員では、安定した収入を継続的に得ることができていないため、社会的信用も低くなり審査に通りにくくなってしまいます。

契約社員になってはいけない理由#5:
世間体が悪い

契約社員になってはいけない理由として、世間体が悪いという点が挙げられます。

契約社員はパート、アルバイトなどと同様の「非正規雇用」に当たります。そのため、正社員に比べて不安定なイメージを持たれやすくなります。

また、契約社員では本人よりも家族や親戚など身近な人が世間体を気にしてしまうことがあり、家族から正社員を懇願されたり、パートナーが中々結婚に踏み切れないといった様々な問題が出てきてしまいます。

契約社員になってはいけない理由#6:
転職が難しくなる

契約社員になってはいけない理由として、転職が難しくなるという点が挙げられます。先述しているように、契約社員では正社員の補助的な仕事や責任の少ない仕事が任されやすい傾向にあります。

採用を行う企業側も契約社員に対して同様の認識があることが多く、契約社員の頃の実績や培ったスキルがあったとしてもうまく評価してもらうことができないことがあります。

また、長く契約社員を続けてしまうことで有益なスキルや経験を積めないだけでなく、企業側は「なぜ正規雇用で働かなかったのか」、「長期的に働くことが難しいのではないか」など採用するにあたっての懸念が出てくるようになります。

そのため、転職を行う際には契約社員として働いている理由を企業側に伝えていくことが重要になります。

契約社員になってはいけない人の特徴

契約社員になってはいけない人の特徴は下記の通りです。

契約社員になってはいけない人の特徴#1:
収入を安定させて働きたい人

契約社員になってはいけない人の特徴として、収入を安定させて働きたい人が挙げられます。

契約社員は雇用期間が決まっているため、契約が継続されなければ仕事を失ってしまうことになります。また、業績が悪化した際には、正社員に比べて非正規雇用である契約社員は人件費削減としてリストラ対象になりやすい傾向にあります。

そのため、収入を安定させ継続的に働きたいと考えている人は正社員で働いた方が良いと言えます。

契約社員になってはいけない人の特徴#2:
近い将来に住宅ローンを活用した自宅購入の予定がある人

近い将来に住宅ローンを利用して家を購入する予定がある場合は注意が必要です。

住宅ローンの審査では、安定した職歴と収入が重視されます。もちろん、契約社員であっても住宅ローンを組むことも可能ではありますが、ローンの審査に不利に働く可能性も高く難易度が高いと言えます。

契約社員になることで、本人だけでなく家族にも影響を及ぼす可能性があることを十分理解しておくことが重要になります。住宅購入計画がある場合、正社員として安定した収入と職歴を維持することが、住宅ローンの審査において有利に働くでしょう。

契約社員になってはいけない人の特徴#3:
専門的なスキルが不足している人

専門的なスキルが不足していることも契約社員になってはいけない人の特徴の一つです。

東京都産業労働局によると、企業が契約社員を雇用している理由として「専門的・技術的な業務に対応するため」が44.0％と最も多くなってます。

この様に、企業側は契約社員に対して企業に不足しているスキルや能力を補うために採用を行っている傾向が強くなっています。

また、企業側は、即戦力として働くことを期待しているため契約社員を育てることは少なく、スキルが少ない場合は簡単な仕事しか任されなくなってしまいます。

さらに、スキルが不足したまま契約社員として働き続けてしまうと、いざ転職しようとしてもスキルが不足していて思うように転職先が見つからないといったことになりかねません。

契約社員になってはいけない人の特徴#4:
キャリアアップをしたい人

将来的にキャリアアップをしたい人も契約社員になってはいけない人の特徴です。

正社員であれば少しずつ責任ある仕事を任されるようになり、スキルアップや多くの経験を積んでいくことができます。

しかし、契約社員では、スキルを磨くことが難しいことに加え、昇進・昇給を目指すことができません。

そしてその会社で成長しても給料のアップや正社員雇用に必ずしもつながるわけではありません。そのため、キャリアアップを目指している人は正社員として働いた方が良いと言えます。

契約社員から正社員への転職を成功させる方法

契約社員から正社員への転職を成功させる方法は下記の通りです。

契約社員から正社員への転職を成功させる方法#1:
契約社員として5年以上働く

契約社員から正社員になる方法として、5年以上同じ職場で働くという方法があります。

労働基準法では無期転換ルールというものが定められています。

同一企業で5年以上契約社員として働き続けたうえで、企業に申し込みを行うと無期労働契約に変更可能になっています。しかし、無期労働契約は単に雇用期間に定めがないだけで正社員とは限らないため企業に確認することが大切です。

しかし企業によっては、正社員登用制度があることがあります。正社員登用のある会社では正社員になれる可能性も高くなっています。

契約社員から正社員への転職を成功させる方法#2:
需要の高いスキルを身に付ける

契約社員から正社員になるためには、需要の高いスキルを身に付けることも重要になります。

契約社員であってもスキルがしっかりと身についていれば、企業側にとっても利益を上げることを期待できるため正社員として採用してもらえる可能性が高くなります。

例えば、Webデザイナーの様に一度スキルを身に付けてしまえば、転職後であってもスキルを活用するしていくことができます。

需要の高いスキルを身に付けておくことで幅広い条件で企業を探していくことができるようになるため、自分にとって興味のある業界の資格やスキルを獲得しておくことが重要になってきます。

なお、下記の記事でWebデザイナーはやめとけと言われる理由について詳しく解説しているので合わせてご覧ください。

契約社員から正社員への転職を成功させる方法#3:
自己分析を行いキャリアの棚卸しをする

契約社員から正社員への転職を成功させる方法として、自己分析を行いキャリアの棚卸しをすることが挙げられます。

企業は契約社員として働いている人に対して、「長期間働くことが難しいのではないか」「人間関係に問題があるのではないか」といった懸念を持ちやすい傾向にあります。

そのため、契約社員として働いていた理由をしっかりと伝えることや、自分の活かすことのできるスキルを企業側にアピールすることが重要になってきます。

自己分析やキャリアの棚卸しが個人で難しいと感じる場合には転職エージェントを活用し相談してみることもおすすめです。

契約社員から正社員への転職を成功させる方法#4:
選考を受ける企業の研究をしっかりと行う

選考を受ける企業の研究をしっかりと行うことも契約社員から正社員への転職を成功させる方法の一つです。

受ける企業がどのような会社で、どのような点に強みがあり、自分がどのように貢献できるかを説明できるようにしておきましょう。

また、次の職場でも短期離職とならないようにするためには、転職前から職場の雰囲気や風土などの職場環境をしっかりと把握しておくことが大切です。転職エージェントを使うことで事前にその企業の内部の情報なども教えてもらうことができ、合わない仕事への転職を避けることができます。

契約社員から正社員への転職を成功させる方法#5:
転職市場における自分の市場価値を正しく把握する

転職を成功させるためには、自分の市場価値を正確に把握することが重要です。市場価値を把握することで、適切な職種や企業、そして求められる給与レベルを現実的に見積もることができます。

市場価値を知るためには、業界の動向や職種別の需要をリサーチし、同じスキルセットを持つ他の専門家と自己を比較することが有益です。また、転職エージェントからの意見を求めることも、自分の市場価値を正確に評価するのに役立ちます。

自分の市場価値を早く正確に知るためには、スカウト型の転職サイトに登録してみることが有効です。

『doda（デューダ）』のようなスカウト型転職サイトでは、匿名で経歴を登録することであなたを採用したいと思う企業の採用担当者から直接スカウトオファーが届きます。

自分に届いたスカウトオファーの内容は、自分の市場価値を映す鏡です。どんな企業がスカウトを送ってくるか、年収はどれくらいかなど、自分の市場価値が分かる情報がたくさん手に入ります。

また、年収800万円以上など高年収の業界・職種にチャレンジしたい方は、ハイクラス向けのスカウト型転職サイト『ビズリーチ』も合わせて利用してみることをおすすめします。

短期離職で人生を終わらせないためのポイントと注意点#7:
転職エージェントを活用して情報戦で負けないようにする

転職を成功させる上で、転職エージェントの活用は非常に有効な戦略です。転職エージェントは業界ごとの最新動向、求人市場の情報、さらには非公開求人に関する情報を無料で提供してくれます。

このような専門的な情報は、自分だけで転職活動を行う場合には入手困難なものであり、転職市場におけるライバルに対して有利な立場を築くために非常に役立ちます。

また、転職エージェントは、履歴書のブラッシュアップや面接対策など、転職プロセスの各ステップにおいても実践的なサポートやアドバイスを提供してくれます。

転職エージェントは転職が決まった際に採用企業からフィーをもらうという仕組みのため、利用者側は1円もお金を払う必要がありません。

転職エージェントに相談した結果、転職しなかったとしてもペナルティは一切かからないため、転職エージェントは遠慮せずに使い倒した方が得と言えます。

転職活動を成功させるためには転職エージェントの活用をおすすめ

次の職場を選ぶ際には、自分のスキルを最大限活かし働くことのできる場所を探すことが重要ですが、そうした転職を成功させるためには、転職エージェントを活用することをおすすめします。

転職を成功させる上で、転職エージェントの活用は非常に有効な戦略です。転職エージェントは業界ごとの最新動向、求人市場の情報、さらには非公開求人に関する情報を無料で提供してくれます。このような専門的な情報は、自分だけで転職活動を行う場合には入手困難なものであり、転職市場におけるライバルに対して有利な立場を築くために非常に役立ちます。

また、転職エージェントは、履歴書のブラッシュアップや面接対策など、転職プロセスの各ステップにおいても実践的なサポートやアドバイスを提供してくれます。

転職エージェントは転職が決まった際に採用企業からフィーをもらうという仕組みのため、利用者側は1円もお金を払う必要がありません。相談した結果、転職しなかったとしてもペナルティは一切かからないため、転職エージェントは遠慮せずに使い倒した方が得と言えます。

契約社員に向いている人の特徴

契約社員に向いている人も存在します。契約社員に向いている人の特徴は下記の通りです。

契約社員に向いている人の特徴#1:
決められた仕事だけをしたい人

契約社員に向いている人の特徴として、決められた仕事だけをしたいという点が挙げられます。

正社員では、自身がスキルを身に付け、必要になることを考えながら働いていくことが重要になってきます。しかし契約社員は基本的に決められた仕事を行うことが多くなっています。

契約社員に向いている人の特徴#2:
責任のある仕事をしたくない人

責任のある仕事をしたくない人にとっても契約社員に向いていると言えます。

正社員であれば、利益に直接的に影響のある仕事も多くなるため責任も大きくなります。契約社員であっても社会人として必要最低限の責任は伴いますが、正社員と比べれば少ない傾向にあります。

しかし、責任が少ない分、誰でもできる仕事である可能性も高く、契約が必ずしも更新されないというデメリットもあります。

契約社員に向いている人の特徴#3:
仕事よりも取り組みたいことがある人

仕事よりも取り組みたいことがある人も契約社員に向いている特徴です。

契約条件にもよりますが、正社員に比べればプライベートの時間を確保しやすくワークライフバランスを保ちやすい傾向にあります。そのため、仕事以外に取り組みたいことが明確にある人にとって契約社員は向いていると言えます。