転職活動を支援してくれる転職エージェント。転職者は無料で活用できると知られていますが、なぜ無料で活用できるのか、ビジネスモデルやよくある質問について解説します。
また、転職エージェントの選び方に困っている方は、編集部が50社以上の転職エージェントを実際に使ってみたうえで忖度無しに作成した『本当におすすめできる転職エージェントランキング』をご覧ください。
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転職エージェントは無料で活用できるのはなぜ？
転職エージェントにおける報酬の仕組みを解説
結論から言うと、転職者は無料で転職エージェントを活用することができます。職業安定法では、転職エージェントは求職者から手数料を徴収してはいけないと明示されています。
有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。
職業安定法 第三十二条の三
転職エージェントの顧客は企業です。求職者を企業に紹介し、求職者が企業に入社する際に人材紹介料（転職者の年収×30-35%程度）を獲得するというビジネスモデルです。
転職エージェントは企業から得る人材紹介料が収益の源泉となっているため、求職者から手数料を徴収する必要がありません。
転職エージェントが求職者のサポートを無料で行ってくれるのも、求職者が入社すればその分の手数料を企業から徴収できるためです。
理由と大事なポイント
- 紹介した求職者が転職した際に企業から手数料を徴収しているため
- 転職時に報酬を貰えるビジネスモデルなので、転職エージェントは求職者の支援も積極的に行う
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転職エージェントではなく、転職サイトは費用がかかる？
転職サービスは大きく分けると、「転職エージェント」のほかに「求人サイト」「スカウトサービス」の3種類です。
| 種類 | 詳細 |
|---|---|
| 転職エージェント | 担当者がつき、転職に関する様々なサポートをしてもらうことができる |
| 求人サイト | 企業の求人情報が多数掲載されており、自分で応募できる。スカウトメールも届く |
| スカウトサービス | 企業からスカウトメッセージを受け取ることができる |
求人サイト・スカウトサービスも一部の例外を除いて企業から手数料を徴収しています。
手数料は大きく分けると①求人の掲載料、②転職時の成功報酬に分かれていますが、いずれの場合であっても求職者が費用を支払う必要はありません。
編集部転職エージェント・多くの転職サイトを活用するにあたって、求職者がお金を支払う必要はありません。
転職エージェントに対して企業が支払う手数料の相場
転職エージェントにおける成功報酬は、転職者の年収×30-35%程度が一般的な相場と言われていますが、これは明確に決まっているわけではありません。
採用企業によっては転職者の年収と同額程度の手数料を支払うとしている企業もあります。手数料を高く支払う代わりに、多くの求職者を紹介してもらえるようになります。
| 転職者の年収 | 手数料の水準 （一般企業） | 手数料の水準 （採用に積極的な企業） |
|---|---|---|
| 300万円 | 90-105万円 | 250-300万円 |
| 500万円 | 150-175万円 | 500-600万円 |
| 800万円 | 240-280万円 | 750-800万円 |
| 1,000万円 | 300-350万円 | 800万円以上 |
| 1,500万円 | 450-525万円 | 1,000万円以上 |
編集部一般的な手数料水準は年収の30-35%程度です。しかしながら、採用に積極的な企業は年収と同額程度の手数料を支払うことがあります。
転職エージェントは手数料水準が高い会社に優先して紹介する傾向にあるため、採用人数が増加します。
求職者が退職した場合、転職エージェントは成功報酬を返金する？
転職した人が早期に転職先から退職してしまった場合、転職エージェントは手数料の一部を採用企業に返還するという契約が一般的です。転職エージェントによって異なりますが、下記が返金相場の一例です。
| 退社時期 | 返金相場 |
|---|---|
| 入社～30日未満で退職 | 紹介手数料の80～100％を返金 |
| 入社～60日未満で退職 | 紹介手数料の50～60％を返金 |
| 入社～90日未満で退職 | 紹介手数料の20％程度を返金 |
転職エージェントはせっかく転職した人がすぐに辞めてしまった場合、成功報酬を採用企業に返還しなくてはいけないため、長く働ける採用企業を紹介してくれることが多いです。
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求職者側が費用を支払う必要があるサービスも存在
転職エージェントは求職者から手数料を徴収することができません。従って、転職エージェントを活用する際に求職者は料金を支払う必要はありません。
しかしながら、一部の転職サイトを活用する場合は求職者が費用を払う必要があることもあります。
代表的なサービスとしては「ビズリーチ」が挙げられます。ビズリーチでは、基本機能を無料で活用することはできるものの、有料プランも一部存在しており、できる機能が異なっています。
| 会員クラス | スタンダードプラン | 有料プレミアムプラン |
|---|---|---|
| タレント会員 （年収750万円未満） | 無料 | 3,278円 30日間・税込 |
| ハイクラス会員 （年収750万円以上） | 無料 | 5,478円 30日間・税込 |
有料プレミアムプランとスタンダードプランでできることの違いは下記の通りです。
| 利用できる機能 | スタンダードプラン | 有料プレミアムプラン |
|---|---|---|
| プラチナスカウト | 〇 | 〇 |
| 通常スカウト | × 受信はできるが閲覧できない | 〇 |
| 求人検索 | △ 検索できるが企業名は非表示 | 〇 |
転職活動でかかる可能性のある費用
転職エージェントは無料で活用できるとご説明しましたが、転職活動は一切無料でできるのでしょうか。
転職活動をするにあたって追加でかかりうる費用をご説明します。項目からわかる通り、基本的に大きな出費はありません。
- 交通費
- 宿泊費
- 通信代
- 服装や身だしなみの準備費用
- 証明写真の撮影費用
遠方からの転職活動の場合、交通費や宿泊費が費用として掛かる可能性があります。ただし、企業側の都合で遠方に行く必要がある場合は、交通費や宿泊費を出してくれる場合も少なくありません。
転職活動にあたっては携帯電話での通話やインターネットでの操作が必要となるため、通信料もかかる可能性があります。
また、スーツや靴など転職活動に必要な服装・身だしなみの準備費用や、証明写真の撮影費用なども費用として掛かる可能性があります。
転職エージェントの費用に関するよくある質問
転職エージェントの費用に関してよくある質問についてまとめています。転職エージェントの費用について理解を深めるため、是非参考にしてください。
費用に関するよくある質問
- 途中で退会すると違約金はかかる？
- 数か月で退職すると違約金はかかる？
- 有料の転職エージェントを見かけたのだが、どういうこと？
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転職エージェントの費用に関するよくある質問#1:
途中で退会すると違約金はかかる？
転職エージェントは求職者から費用を徴収することは一切ありません。従って、転職エージェントを途中で退会したとしても違約金は一切かかりません。
編集部人材紹介会社が違約金を請求するのは人材紹介免許はく奪級の行為なので、違約金を請求された場合厚生労働省に通報しましょう。
同様に内定を辞退したとしても違約金がかかることはありません。将来につながる選択となるため、転職エージェントのことは気にせず、後悔しない選択をすることをおすすめします。
転職エージェントの費用に関するよくある質問#2:
数か月で退職すると違約金はかかる？
数か月で退職したとしても違約金がかかることはありません。
ただし、転職した人が早期に転職先から退職してしまった場合、転職エージェントは手数料の一部を採用企業に返還するという契約が一般的です。
こうした事情から転職エージェントは求職者に長く働いてほしいと考えているため、転職後も相談に乗ってくれます。
転職エージェントの費用に関するよくある質問#3:
有料の転職エージェントを見かけたのだが、どういうこと？
転職エージェントは求職者から手数料を徴収してはいけないと法律で規定されています。従って転職エージェントにもかかわらず、有料だと言っている場合は危険なので近づかないようにしましょう。
有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。
職業安定法 第三十二条の三
ただし、「キャリアコーチングサービス」は有料でも問題ありません。キャリアコーチングは企業から手数料を徴収しない代わりに、求職者から費用を徴収しています。
一般的には個人のキャリアパスやキャリアの目標・適職の発見・転職先候補の決定など自分のキャリアに関することをプロのキャリアコーチに指導してもらうサービスを指しています。
なお、転職エージェントなどと異なりキャリアコーチングの場合は転職を前提にしているわけではありません。キャリアに関することはなんでも相談することができるというのが特徴です。
転職エージェントとの大きな違いは、企業からではなく求職者から費用を徴収しているという点です。