20代から30代の若手だけではなく、50代の転職者も増えつつあります。一方で、社会人生活後半である50代での転職は時に「みじめ」だと揶揄されることがある模様です。
50代の転職市場の現状や50代での転職がみじめと言われる理由、50代での転職において採用されやすくなるための方法について詳しく解説していきます。
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50代での転職における実態
総務省統計局『労働力調査』によると、50代の転職者数は下記の通りです。
年度 | 転職者数(45歳~54歳) | 転職者数(55歳~64歳) |
---|---|---|
2021年 | 52万人 | 42万人 |
2022年 | 54万人 | 45万人 |
2023年 | 57万人 | 50万人 |
転職者数の最も多い25歳~34歳の2023年における転職者数は82万人となっています。転職者数は若い世代が多いですが、50代の転職者数も一定数おり、年々増加傾向であると言えます。
企業の定年年齢が延長されることなどを背景に、50代であっても新たな働き方やキャリアチェンジを求めて転職する人も多くなっていることがわかります。
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由は下記の通りです。
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50代での転職は「みじめ」だと言われる理由#1:
年齢制限のある求人が多い
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由として、年齢制限のある求人が多いことが挙げられます。
20代や第二新卒は転職市場における人気が高く、それによって転職市場における求人数も豊富です。一方で、50代は下記のような理由からそもそも求人数が少なくなります。
- 離職者の数が少なく空いているポジションの数が少ないため
- 50代には数ではなく質を求める傾向にあるため
- 30代・40代より定年までの期間が短いため
- 既に持っている経験やスキルを重視する傾向にあるため
50代では、前職でキャリアを積んでいるため採用企業もそのキャリアに応じた給料を支払う必要があり、若手を採用するよりも人件費がかかることになります。
若手では教育後も長期的に働き会社に貢献することを期待することができます。
しかし、定年退職制度を設けている会社も多い日本では、50代へ若手のような長期的な会社への貢献を期待することは難しくなります。
こうした理由から転職をしようと思っても、50代を募集する求人の数自体が少なく、その少ない求人をめぐって50代の募集が集中します。
少ない求人に多くの候補者が応募することから競争率が高くなり、結果的に50代での転職は「みじめ」だと言われてしまいます。
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由#2:
年収が下がることの方が多いため
50代での転職では、年収が下がることの方が多いという点も「みじめ」だと言われる理由の1つです。
厚生労働省の『令和4年雇用動向調査』における転職入職者の賃金変動状況によると、50歳~54歳が36.1%、55歳~59歳が39.9%が賃金が減少しています。50代で増加した割合は約27%です。
50代では、増加した割合よりも減少した人の方が多く、年収が下がることのほうが多いと言えます。
年齢 | 割合(減少) | 割合(増加) |
---|---|---|
50歳~54歳 | 36.1% | 24.9% |
55歳~59歳 | 39.9% | 29.1% |
特に企業とのスキルや経験の認識のずれがある場合には、年収が下がる可能性が高くなります。元々役職についていたとしても、企業とのミスマッチが起こり給料が下がってしまうことがあるため「みじめ」だと言われることがあります。
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由#3:
未経験・異業種への転職は厳しいため
未経験・異業種への転職は厳しいと言われるというのも、50代での転職は「みじめ」だと言われる理由の1つです。
20代などの若手は、未経験や異業種の会社における中途採用の選考を受けたとしても転職が成功しやすいです。
これは、20代や第二新卒は柔軟性が高く知識が身に付けやすいことに加えて、転職後における会社の在籍年数が長いと考えられるため、会社として教育コストをかけやすいことが理由です。
一方で50代は柔軟性が低く未経験・異業種におけるスキルを身に付けづらいことに加えて、定年までの年数が若手と比較すると短いために教育コストをかけづらい傾向にあります。
そのため、未経験・異業種への転職のハードルが上がり転職しづらくなることも「みじめ」と言われてしまう要因の1つです。
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由#4:
求められるスキルや経験の水準が高いため
求められるスキルや経験の水準が高いというのも、50代での転職は「みじめ」だと言われる理由の1つです。
50代は転職においてスキルや経験が求められる傾向にあります。
スキルや経験重要視した選考を受けて落ちてしまうと、自分の実力やスキルが社会や会社に認められていないのではと考えてしまい、みじめな気持ちに陥ってしまうことになります。
若手であれば発奮して経験・スキルを身に付けようと考えることができます。しかしながら、50代の場合は社会人人生が後半に差し掛かっている中で、スキルや経験が不足していると判断されると落ち込むことも出てきます。
しかし、選考に落ちてしまう原因として、スキルや経験が不足しているのではなく、自分が持っている経験・スキルが求人の求める条件と微妙に合っていないことなどが原因となっていることが多いです。
そのため、50代の転職活動で選考に落ちてしまっても、落ち込みすぎることなく、自分に合った企業を受けることが重要です。
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由#5:
新しい環境に馴染むのが難しいと思われているため
新しい環境に馴染むのが難しいと思われているためというのも、50代での転職は「みじめ」だと言われる理由の1つです。
20代・30代は若いため企業のやり方やこれまでの方法に固執することなく柔軟性を持った対応ができます。加えて、転職する人も多く、転職先においても同様の経験をしている人も比較的多いこともあり環境に馴染みやすいと言えます。
一方で、50代は若手と比較すると柔軟性が低いことに加えて、同じような背景で転職してきた人が少ないこと、年齢を重ねているために転職先で気を使われるなどの理由で新しい環境で馴染むことができないと考えられています。
実態として、50代だからといって必ずしも転職先に馴染むのが難しいわけではありません。コミュニケーション能力や礼儀・マナーがあれば50代であっても新しい環境に馴染むことはできます。
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由#6:
転職に失敗すると悲惨な末路が待っていると思われているため
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由として、転職に失敗すると悲惨な末路が待っていると思われていることも挙げられます。
50代が転職に失敗すると悲惨な末路が待っていると思われている理由としては下記のようなものが挙げられます。
- 再度の転職は難しくやり直しは効かないと思われているため
- 元々の会社にいた方が良かったと後悔する可能性があるため
- 出戻り転職は難しいと思われているため
50代が転職に失敗したとしても再度転職するのは難しいと思われています。
また、転職に失敗してしまった場合、もともといた会社にいれば良かったと後悔してしまうこともあります。もともとの会社で立場が良かった場合はなおさらです。
実際は、50代で転職に失敗したとしてもまだ転職することができます。特に50代で転職できた場合はスキル・経験がきちんと評価されたということを意味するため、他の会社においても需要が高く再転職しやすいと言えるでしょう。
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由#7:
年下が上司になる可能性があるため
50代での転職は「みじめ」だと言われる理由として、年下が上司になる可能性があることも挙げられます。
50代で転職した場合、転職先での役職や職位次第によっては年下が上司になる可能性があります。
特にこれまで年下が上司になることはないような年功序列の色合いの強い会社にいた場合、年下が上司となって指示などを受けることに困惑する可能性があります。
こうしたイメージから、50代で転職するのはみじめだと言われることがあります。実際は年下が上司になったとしても恥ずべきことではありません。
50歳の転職者にリスペクトを持って接してくれる人も多く、それほど心配する必要はありません。むしろ、転職しなかったとしても年下に出世のスピードで抜かされてしまうことは十分にあり得ます。
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採用されない?50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴
50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴は下記の通りです。
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50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴#1:
求める条件が高すぎる
50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴として、求める条件が高すぎるという理由が挙げられます。
50代の転職では妥協したくないというのは当然ですが、求める条件が高すぎるとなかなか条件を満たす求人に出会うことはできません。またこうした条件の良い求人は人気が高くなり、競争が激しくなってしまいます。
結果として選考を受けても内定を得られなかったり、転職先がなかなか決まらないというケースが増えます。選考に落ちても気にしない人であれば良いですが、気にする人は「みじめ」な気分になってしまいます。
50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴#2:
プライドが高く柔軟性に欠けている
50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴として、プライドが高いという理由が挙げられます。
50代での転職は経験・スキルが重視されます。これは若手と比較すると柔軟性が低いと判断されているためです。柔軟性が低いだけでなく、プライドが高いと余計に敬遠されてしまいます。
プライドが高いと選考に落ちた際に傷つきやすく、「みじめ」だと感じやすくなってしまいます。
また、こうした人はせっかく入社したとしても周囲に敬遠されやすいです。これは、以前の職場におけるしきたりや風潮が正しいと感じて固執してしまい、社風に合わせることが出来ないためです。
新しい職場でも以前の職場における風潮や方法に固執するのは、周囲との軋轢を生みだす要因となります。人間関係を円滑に進めるためにも、新しい職場では柔軟に対応することが重要です。
50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴#3:
新しい環境に対して恐怖がある
新しい環境に対して恐怖があるというのも、50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴の1つです。
新しい環境に恐怖感を持っている人は、転職したとしてもプレッシャーを感じてしまったり、恐怖心によってストレスを感じてしまいます。最初は職場に馴染めないのも当たり前ですが、慣れていないと「みじめ」だと感じやすいです。
逆に普段から新しいことにチャレンジしている人や転職を既に経験している人は、新しい環境に飛び込むことに対するハードルが低く恐怖心もないため「みじめ」だと感じづらいです。
50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴#4:
転職回数が多すぎる
50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴として、転職回数が多すぎるという理由も挙げられます。数度の転職であれば問題ありませんが、短期間で転職を繰り返しすぎていると転職活動において敬遠される可能性が高まります。
若手の間は転職回数が多くても転職できた人が、50代になって同じような頻度で転職活動を繰り返してしまうと選考に落ちる頻度が上がって「みじめ」な気分になる可能性があります。
もちろん、単純に転職回数が多いだけでは問題がないケースがほとんどです。転職回数があまりに多すぎる場合などにおいては注意が必要です。
50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴#5:
年功序列に拘り過ぎている
年功序列に拘り過ぎている人も、50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴の1つです。50代で転職すると、年齢に関係なく年下の上司などができる可能性があります。
年功序列に拘り過ぎていると、こうした上司に対して感じの悪い対応をしてしまう可能性があります。人間関係が悪化して職場で孤立している50代は「みじめ」な気分になりやすいです。
新しい職場においては必ずしも年功序列ではないことは意識しておくことをおすすめします。また年功序列に限らず社風・文化は会社によって大きく異なるため、以前の職場におけるやり方・社風に固執しすぎないようにしましょう。
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50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴
ここまで50代での転職は「みじめ」だと言われる理由や、50代での転職で「みじめ」になりやすい人の特徴についてご説明してきました。ここでは、50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴について解説します。
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50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴#1:
スキル・経験がある
50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴として、スキル・経験が十分にあるという点が挙げられます。
20代・30代における転職と異なり、50代の転職ではスキル・経験が最重要視されます。スキル・経験がある50代は転職活動がうまくいきやすいです。
- マネジメント経験
- 特定の業界における知識・ノウハウ
- 営業スキル
50代の転職において重視されるスキルは上記に留まらず、個人個人によって様々です。こうしたスキル・経験がある人は50代であっても転職市場で重宝されます。
50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴#2:
人脈がある
人脈があるというのも50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴の1つです。
人脈とは例えば「顧客を獲得できる人脈」であったり、「良質な転職先を見つけることができる人脈」などが例として挙げられます。
20代などに比べて、50代であればこれまでの働きによって、取引先や企業との信頼関係が構築できていたり、幅広い人脈ができていることが考えられます。
こうした人脈は簡単に作ることはできず、採用企業からのメリットも大きいため採用されやすい傾向にあります。そのため、経験・スキルに加えて今までの社会人経験で培ってきた人脈がある人は、転職活動で成功しやすいと言えます。
50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴#3:
新しい環境において柔軟に対応できる
新しい環境において柔軟に対応できるというのも、50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴として挙げられます。
50代は、20代や30代などの若手と比較すると経験・スキルなどはある代わりに柔軟性は低い年齢です。だからこそ転職市場においても経験・スキルが重要視されていますが、柔軟性はあるに越したことはありません。
新しい職場では社風・文化から仕事のやり方まで様々なことが異なります。こうした新しい環境において柔軟に対応できる人は、「みじめ」な思いをすることがなく50代での転職を成功させることができるでしょう。
50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴#4:
明確なキャリアプランや転職したい理由がある
50代でも転職先がすぐに決まる人の特徴として、明確なキャリアプランや転職したい理由があるという点が挙げられます。
周囲に流されてなんとなく転職を決めるのではなく、明確なキャリアプランや転職したい理由がある人は自身にとって最適な転職先を選んで選考を受けることができる可能性が高まります。
自身にとって適性のある企業の選考を受ける場合は、自分の持っているスキル・経験がその企業にマッチする可能性が高く、転職が成功しやすいと言えます。
また、転職したい理由がしっかりある場合は、転職先で達成したいことも明確になります。転職先で達成したいことが明確であれば、転職先で失敗する可能性も低くなるといえます。
50代での転職を成功させるためのポイント
50代での転職で「みじめ」な思いをしないためには、どの様な点に注意すべきなのか、50代での転職を成功させるためのポイントについて解説します。
ためのポイント
50代での転職を成功させるためのポイント#1:
自己分析をする
50代での転職を成功させるためのポイントとして、自己分析をするということが挙げられます。
50代は転職時において自分のスキル・経験が最重要視される年代です。自己分析を行うことで、自分が強みを持っている経験・スキルを明確にすることは非常に重要です。
また、転職した後のキャリアなどについて熟考して明確にすることで、転職するべき理由や転職先で達成したいことについてもはっきりさせることができます。
この様に自己分析を通じて経験・スキル、キャリアパスを明確にすることは、転職先選びにも役立ちます。それだけでなく、自分は本当に転職すべきかについてもはっきりさせることができます。
50代での転職活動を考えている方は、後悔しないためにも自己分析が非常に重要になります。
50代での転職を成功させるためのポイント#2:
自分の市場価値を正確に把握する
50代での転職を成功させるためには、自分の市場価値を正確に把握することが重要です。市場価値を把握することで、適切な職種や企業、そして求められる給与レベルを現実的に見積もることができます。
市場価値を知るためには、業界の動向や職種別の需要をリサーチし、同じスキルセットを持つ他の専門家と自己を比較することが有益です。また、転職エージェントからの意見を求めることも、自分の市場価値を正確に評価するのに役立ちます。
自分の市場価値を早く正確に知るためには、『ビズリーチ』の様なスカウト型の転職サイトに登録してみることが有効です。
自分に届いたスカウトオファーの内容は、自分の市場価値を映す鏡です。どんな企業がスカウトを送ってくるか、年収はどれくらいかなど、自分の市場価値が分かる情報がたくさん手に入ります。
50代での転職を成功させるためのポイント#3:
転職エージェントを活用する
50代での転職を成功させる上で、転職エージェントの活用は非常に有効な戦略です。転職エージェントは業界ごとの最新動向、求人市場の情報、さらには非公開求人に関する情報を無料で提供してくれます。
このような専門的な情報は、自分だけで転職活動を行う場合には入手困難なものであり、転職市場におけるライバルに対して有利な立場を築くために非常に役立ちます。
また、転職エージェントは、履歴書のブラッシュアップや面接対策など、転職プロセスの各ステップにおいても実践的なサポートやアドバイスを提供してくれます。
転職エージェントは転職が決まった際に採用企業からフィーをもらうという仕組みのため、利用者側は1円もお金を払う必要がありません。
相談した結果、転職しなかったとしてもペナルティは一切かからないため、転職エージェントは遠慮せずに使い倒した方が得と言えます。
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