【人材業界はやめとけ？】理由や向いている人の特徴を解説

人材業界への転職はやめとけと言われることがありますが、どのような理由からやめとけと言われてしまうのでしょうか。

「人材業界はやめとけと言われる理由」「人材業界の魅力」「人材業界に向いている人・向いていない人の特徴」について解説していきます。

人材業界はやめとけと言われる理由

人材業界はやめとけと言われる理由は下記の通りです。

人材業界はやめとけと言われる理由#1:
長時間労働・時間外労働が多い

人材業界はやめとけと言われる理由として、長時間労働・時間外労働が多い点が挙げられます。

人材紹介の仕事では、基本的に学生や転職活動中の社会人と面談をしたり、企業との面談や企業訪問、現場での立会などの業務が行われます。

求職者である学生や社会人に時間を合わせる必要があるため、夜間や週末に面談・打ち合わせが入りやすく、勤務時間が不規則になりやすい業界でもあります。

また、求人広告事業であっても企業の都合によっては、平日に打ち合わせが難しく土日に行われることがあります。

この様に、人材業界では業務内容の都合上、長時間労働や時間外労働などが起こりやすく、ワークライフバランスを保つことも難しくなります。

人材業界はやめとけと言われる理由#2:
業務内容がルーチンワーク化しやすい

人材業界はやめとけと言われる理由として、業務内容がルーチンワーク化しやすいという点が挙げられます。

人材業界で職業別の業務例は下記の通りです。

種類	詳細
人材紹介事業 （就活エージェントや転職エージェントなど）	サービスに登録する企業に対して人材を紹介する （就活生や求職者の面談、仕事紹介、応募求人の進捗連絡）
人材派遣事業	派遣社員を契約企業に送る （企業と求職者のマッチング、スタッフの定期面談、更新確認）
求人広告事業（営業）	企業に求人掲載依頼の営業をする （企業を訪問して、求人を掲載依頼の営業や連絡）

人材紹介事業のエージェントとして働く場合、求職者にアポイントを取り、面談を繰り返し行っていくことになります。また、営業として働く場合は、様々な企業を回り求人掲載依頼をしていくことが仕事になります。

人材業界はこうした繰り返しの業務であることも多く、ルーチンワーク化してしまいやすいと言えます。

また、こうした仕事内容にやりがいや工夫などを見出すことができない場合には、仕事がつまらないと感じてしまいます。

結果的に続けることができず退職してしまうことになるため、やめとけと言われることがあります。

人材業界はやめとけと言われる理由#3:
求職者や企業との板挟みになりやすい

人材業界はやめとけと言われる理由として、求職者や企業との板挟みになりやすい点が挙げられます。

人材業界は基本的に、求職者や企業との間に入り仕事をすることになります。

そのため、求職者からのクレームや企業側の採用担当者からのクレームなど、双方のクレームや要望が人材企業に入ってくることになり、板挟みになることがあります。

また、求職者が企業で働き始めたとしてもうまく働き続けることができなかった場合や、企業で問題を起こしてしまった場合には、自分自身が責任を感じてしまうこともあります。

常に双方の意見を聞き、納得いく選択となるように対処する必要があるため精神的負担がかかりやすい業界です。

精神的に追い込まれてしまうと精神的不調に陥ってしまうこともつながりやすく、仕事を続けることも難しくなってしまうことがあるため、人材業界はやめとけと言われやすくなっています。

しかし、人材業界はこうした、求職者などの個人や企業のどちらとも関わり、交渉を行うことができるため交渉力を鍛えることができます。

求職者と企業との間に入り仕事することへのやりがいと感じることができれば、成長することも見込めます。

人材業界はやめとけと言われる理由#4:
ノルマが厳しく営業活動の負担が大きい

人材業界はやめとけと言われる理由として、ノルマが厳しく営業活動の負担が大きいという点が挙げられます。

人材業界の営業先は、人材不足に悩むすべての企業になります。

帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」によると、人手不足と感じている企業の割合は52.6％と高い水準となっています。これらすべての企業が営業対象になるため非常に多くの営業を行うことが必要になります。

新規開拓営業では、ノルマが厳しいことや様々な業界や企業があることから、営業先からのパワハラなどに悩まされてしまう可能性もあり精神的負担が大きくなりやすいと言えます。

また、紹介した人材が企業にうまくマッチしなかった場合には双方からのクレームを受けることもあり心理的重圧を感じる場合もあります。

しかし、営業の難しさに楽しさや、やりがいを感じる人もいます。ノルマや営業活動の方針は企業によって異なるため、人材業界で働きたい人は、入社前に企業の社風や雰囲気を十分理解しておくことが重要になります。

人材業界はやめとけと言われる理由#5:
給与水準が低い

人材業界はやめとけと言われる理由として、給与水準が低いという点が挙げられます。人材業界は他の業界に比べると、給与水準が低めに設定されていることが多いです。

実際、国税庁が開示している日本人の平均年収が461万円であるのに対して、厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、人材業界の平均年収は268万円（平均年齢45.2歳）となっています。

人材業界の平均年収は日本人の平均年収より190万円程度低い水準です。数字だけでみると非常に低いと言えますが、これはベンチャー企業が多くなっているためです。

ベンチャー企業では、人件費を低く設定しているため全体的な年収も低くなってしまいます。同じ人材業界であっても、大手企業や大手企業との取引を行っている企業であれば給与も高い企業も多くあります。

人材業界はやめとけと言われる理由#6:
参入障壁が低い

人材業界はやめとけと言われる理由として、参入障壁が低い点が挙げられます。厚生労働省によると、「民営職業紹介事業所数」は令和4年度で29,856事業所と非常に多くなっています。

人材業界は参入障壁が低い分、個人事業主や中小企業など大量に存在する業界であると言えます。

ベンチャーや中小企業となると、業務量に比べ社員の確保が難しいため、一人に課せられる業務量が多くなりやすく、負担が大きくなりやすい傾向にあります。

また、参入障壁の低い業界で約3万事業所があるとなると、各企業の競争率は激しくなります。そのため、幅広い知識や経験を持ち、求職者や企業のニーズに合わせたサービス提供をしていくことで差別化していくことが求められます。

人材業界はやめとけと言われる人・向いていない人の特徴

これまで、人材業界はやめとけと言われる理由について説明してきました。次に人材業界はやめとけと言われる人・向いていない人の特徴について解説していきます。

人材業界はやめとけと言われる人・向いていない人の特徴#1:
コミュニケーション能力が低い人

人材業界はやめとけと言われる人・向いていない人の特徴として、コミュニケーション能力が低い人が挙げられます。

人材業界ではどの職種であっても多くの人と関わることになるため、コミュニケーションをとることに苦手意識のある場合には仕事を行うこと自体がストレスになってしまう可能性があります。

また、営業として働く場合には、ノルマや成績を挙げる必要があり、高度なコミュニケーションスキルを要求されるため、コミュニケーションが不得手な人はこの業界での仕事に適していない可能性が高いです。

人材業界はやめとけと言われる人・向いていない人の特徴#2:
一人で淡々と仕事をしたい人

人材業界はやめとけと言われる人・向いていない人の特徴として、一人で淡々と仕事をしたい人が挙げられます。

人材業界では、求職者や企業のニーズに合わせて臨機応変な対応を行う必要があり、個人で黙々と仕事をこなすことは難しいため、一人で淡々と仕事をしたい人にとって人材業界での仕事は適していない可能性があります。

また、一人の社員が数十社、数十人の担当となり、求人のサポートや新規の企業開拓をするなど、マルチタスク能力も求められる特徴があり、自分のペースで仕事したい人にとっては向いていないと言えます。

女性におすすめの人と関わらない仕事については下記の記事で詳しく説明しているので合わせてご覧ください。

人材業界はやめとけと言われる人・向いていない人の特徴#3:
ワークライフバランスを保ちたい人

ワークライフバランスを保ちたい人にとっても、人材業界は向いていないと言えます。

人材業界では学生や社会人、企業に合わせ休日をとることになります。

企業によって土日に関しては、比較的休める傾向にありますが、クライアントとの打ち合わせや求職者である学生・社会人の要望によっては土日に仕事をしなければならない可能性もあります。

特に、人材紹介事業の場合には、求職者と連絡を取れる時間が夕方から夜に集中することが多いため、平日は夜遅くまで働くことも多くなっていしまいます。

家族との時間や趣味の時間を大切にしたい人にとっては、この不規則な勤務形態が大きなストレスになる可能性もあり、このような生活スタイルに適応できない人は、人材業界には向いていないかもしれません。

自分のライフスタイルと仕事のバランスを重視する人にとっては、他の職業を検討した方が良いでしょう。

人材業界の魅力・良い点

次に、人材業界の魅力・良い点について解説します。人材業界の魅力は下記の通りです。

人材業界の魅力・良い点1:
やりがいがある

人材業界の魅力・良い点として、やりがいがあるという点が挙げられます。人材業界は人の人生に大きな影響を与える仕事でもあります。

求職者と企業との間に入り、両方の成長や成功に貢献していくことができます。また、求職者の希望を引き出しながら、いままで気づくことのできていなかったキャリアプランを提供することもできます。

自分の仕事によって、求職者に対して新たな可能性を広げることができたり、選択肢を増やすことができることもやりがいと感じやすいです。

また、求職者の求める条件の仕事と企業が求める優秀な人材をうまくマッチさせることができれば、両者の満足度も高まりやりがいを感じることができます。

人材業界の魅力#2:
営業力を鍛えることができる

人材業界の魅力・良い点として、営業力を鍛えることができるという点が挙げられます。

特に、BtoBの新規開拓営業力のスキルを鍛えることができます。人材業界の営業は主に企業に対する新規開拓営業が主な仕事になります。

BtoBの営業は人材業界のみならず、どの業界であっても非常に重要なスキルになります。そのため、人材業界で鍛えられたBtoBの営業経験はどの業界に転職したとしても重宝される人材であり、活躍することが期待できます。

また、様々な企業への営業を行うため幅広い業界の知識を蓄えることができるのも人材業界で働く魅力と言えます。

人材業界の魅力#3:
独立しやすい

人材業界の魅力・良い点として、独立しやすいという点が挙げられます。

人材業界で働くことで、営業スキルだけでなく、売り上げや利益といった経営的な視点や分析力など幅広いスキルを身に付けることができます。

また、人材業界は資格や経歴は必要なく、初期費用も安く済むなど参入障壁が低いため比較的開業しやすい業界であるため、人材業界である程度経験を積むことができれば、独立しやすいと言えます。

実際に、人材業界の事業者数は日々増加傾向にあり、中でも中小企業は非常に多くなっています。

人材業界に向いている人の特徴

人材業界に向いている人の特徴は下記の通りです。

人材業界に向いている人の特徴#1:
仕事意欲・成長意欲が高い人

人材業界が向いている人の特徴として、仕事意欲・成長意欲が高い人が挙げられます。

人材業界では営業スキルだけでなく、分析力、専門的知識を必要とするため常に勉強や成長が求められ、時には土日出勤や残業が発生してしまうことから仕事中心になりやすいと言えます。

また、企業や求職者それぞれの特性に合わせた情報を提供したり、市場の動向に合わせて行動を変える必要があり、常に時代の流れを読み取ることが必要になります。サポート後には分析を行い、次に活かすことができるようにすることも大切になってきます。

こうしたスキルを磨くことに対して楽しさややりがいを感じられる人にとって、人材業界は向いていると言えます。

人材業界で培ったスキルや知識はどの業界であっても重要になってくるため、今後のキャリアアップの際にも役立てることができます。

人材業界に向いている人の特徴#2:
コミュニケーション能力が高い人

人材業界に向いている人の特徴として、コミュニケーション能力が高い人が挙げられます。

人材業界は、どの職種であっても多くの人と関わるため、社交性やコミュニケーション能力の高さが重要になってきます。

求職者や企業のニーズを理解することが重要であり、相手が何を考え、どのようなものを必要としているのかをコミュニケーションを通して知っていく必要があります。

また、新規開拓営業では営業の電話や直接企業とやり取りをする機会も多くなっています。企業や求職者との関係は一時的なものではなく継続的な関係であるため、良好な関係を築いていくことが重要です。

人材業界はこうした様々な場面でコミュニケーションが必要になるため、人との関わりが得意な人や社交的な人は、人材業界に向いていると言えます。

人材業界に向いている人の特徴#3:
メンタルが強い人

人材業界に向いている人の特徴として、メンタルが強い人が挙げられます。

人材業界は常に人と関わるため、求職者と企業や職場の人間関係の板挟みになることも少なくありません。

さらに、毎日営業電話をする中で、相手から怒られることや電話を突然切られるといったことが起こる可能性もあり、精神的に負担がかかることが考えられます。

そのため、人材業界ではストレス耐性が高く、時に割り切って物事を考えることのできるメンタルの強い人が向いていると言えます。

人材業界に向いている人の特徴#4:
情報収集能力が高い人

人材業界に向いている人の特徴として、情報収集能力が高い人が挙げられます。

人材業界では、一人が様々な業界の企業を担当することも多く、幅広い業界や業種の人と関わることになるため、人材業界の動向だけではなく、担当する企業の動向や特性にも通じている必要があります。

そのため、日頃からアンテナを高く張り、本やインターネットなどの配信されている情報だけではなく、集めたい情報を持っている人から直接話を聞くなど自ら行動することができる人にとって、人材業界は向いていると言えます。