転職エージェントの裏事情を解説【胡散臭い？本音は？報酬は？】

転職活動を支援してくれる転職エージェントですが、転職エージェントは「裏事情がある」「胡散臭い」「本音が分からない」などと言われることがあります。

本ページでは転職エージェントの裏事情や胡散臭いと言われる理由・裏事情に左右されずに転職エージェントを活用する方法について解説します。

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転職エージェントにおける裏事情の原因は成功報酬型のビジネスモデル・ノルマ

転職エージェントの裏事情を理解するには、まずそのビジネスモデルを知る必要があります。実際、転職エージェントにまつわる多くの「裏事情」は、転職エージェントのビジネスモデルに起因しています。

転職エージェントは、求職者を企業に紹介し、求職者が企業に入社する際に人材紹介料（転職者の年収×30-35%程度）を獲得するというビジネスモデルです。企業がお金を支払っているので、求職者は無料で活用することができます。

したがって、転職エージェントにとっての顧客は求職者ではなく採用企業になります。求職者のサポートを行いながらも、企業が採用したい人材を紹介することが求められる構造が、転職エージェント特有の裏事情につながっています。

胡散臭い？本音は？
転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情

転職エージェントのビジネスモデルについて解説したところで、転職エージェントに関する疑問と裏事情について解説します。転職エージェントに関するよくある疑問は以下の通りです。

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情#1:
なぜ求職者は無料で使える？

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情として、「なぜ求職者は無料でサービスを活用することができるのか」という疑問が挙げられます。

これは先述の通り、転職エージェントのクライアントが求職者ではなく採用企業であるためです。エージェントは、求職者が内定・入社したタイミングで企業から人材紹介料（年収の30〜35%程度）を受け取る仕組みになっています。

年収500万円の求職者を紹介・入社した場合、500万円×30%程度で150万円程度の報酬

そのため、転職エージェントは求職者に対して書類添削・面接対策・業界情報の提供・日程調整など、転職成功につながるサービスを無料で提供し、できる限り成功率を高めようとします。これによりエージェントに収益が上がるためです。

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情#2:
転職を急かすキャリアアドバイザーがいるのはなぜ？

「転職を急かすキャリアアドバイザーがいるのはなぜ？」という疑問も、転職エージェントが企業から報酬をもらっているということに答えのヒントがあります。

転職エージェントは転職者の入社時に報酬をもらうビジネスモデルですが、結局転職を取りやめてしまったり、他の転職エージェントを活用して転職してしまった場合は報酬を受け取ることができません。

その結果、一部のキャリアアドバイザーは確実に入社してもらうために転職を強めに促すことがあります。特に、ノルマや月次目標が課せられている環境では、焦りから強引な提案につながることもあります。

ただし、転職を急かすキャリアアドバイザーは減少傾向にあります。これは、無理に転職をさせたとしても、転職者が一定期間経過前に転職先企業を退職した場合、報酬を返金する必要があるためです。

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情#3:
なぜ希望に合わない求人を紹介してくる？ブラック企業の求人もある？

「なぜ希望に合わない求人を紹介してくる？ブラック企業の求人もある？」という疑問の裏には、転職エージェントがどうしても転職希望者を転職させたいという事情があります。

一部のキャリアアドバイザーは、求職者の希望よりも「内定が出やすいかどうか」を優先することがあります。特に、合格率が高い企業や人手不足の企業は、紹介すれば高い確率で内定が出るため、一部の担当者にとって都合が良いです。

さらに、担当者が求職者の希望条件を十分に理解しておらず、意図せず的外れな求人を紹介してしまうケースもあります。

希望に合わない求人を紹介された場合は、「なぜその求人を勧めたのか」を必ず理由とともに確認することが大切です。希望条件を再度伝えても改善しない場合は、迷わず担当者の変更を依頼することをおすすめします。

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情#4:
なぜキャリアアドバイザーによって質が異なる？

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情として、「なぜキャリアアドバイザーによって質が異なる？」という疑問もあります。

これは、キャリアアドバイザーごとに実績・経験・スキルが大きく異なるためです。同じキャリアアドバイザーという肩書きでも、新卒からベテランまで幅広く在籍しており、持っている知識量やサポートの質には当然差が生まれます。

新卒のキャリアアドバイザーは、若くて柔軟性・体力・熱意がある代わりにスキルや経験が不足している可能性があります。逆にベテランのキャリアアドバイザーは経験・スキルがある代わりに態度が横柄だということもあります。

このように、キャリアアドバイザーの質や性格は人によって大きく異なります。だからこそ、1社だけに絞らず複数の転職エージェントを併用し、自分と相性が良く信頼できるキャリアアドバイザーに出会うことが重要です。

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情#5:
人によって応募できる求人とできない求人がある？

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情として、「人によって応募できる求人とできない求人がある？」という疑問があります。

転職エージェントの保有求人は、誰でも応募できるものから、特定の業界での経験年数や専門スキルを必須とするものまで幅広く存在します。そのため、転職エージェント経由であればどの求人にも応募できる、というわけではありません。

特に、求職者の経歴と求人の募集要件が大きく乖離していて「内定の可能性がほぼゼロ」と判断される場合、その求人には応募できないことが一般的です。

採用企業は前もって応募してほしい求職者の情報を転職エージェントに伝えているので、歓迎条件を逸脱した求職者を紹介することに対して文句を言われてしまう可能性もあります。

こうした理由から、内定の見込みが著しく低い求職者の場合は、エージェント判断で応募自体が不可となるケースがあります。

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情#6:
転職意向が少ないとみられると見捨てられる？

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情として、「転職意向が少ないとみられると見捨てられる？」という疑問が挙げられます。これも、転職する可能性が高い転職希望者を優先してサポートするのが原因です。

転職エージェントは求職者が転職することで手数料を得るビジネスモデルのため、転職しそうな人から転職支援をするというインセンティブが働きます。

そのため、転職意向が低いと判断されると、どうしてもサポートの優先順位が下がってしまいます。キャリアアドバイザーのリソースは限られているため、すべての求職者に同じ手厚さで対応することは難しいからです。

ただし、転職を現実的に検討しているのであれば、問題なくサービスを受けられます。一方で、まだ転職の意思が固まっていない場合は、まずはビズリーチなどの転職サイトの利用から始めるのがおすすめです。

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情#7:
そもそもサービスを受けられないこともある？

転職エージェントに関するよくある疑問と裏事情として、「そもそもサービスを受けられないこともある？」という疑問が挙げられます。

実際、「現時点ではご紹介できる求人はございません。求人が発生した際に改めてご連絡します。」といった連絡が届き、求人紹介を断られてしまうことがあります。

転職エージェントは転職者が転職した場合に報酬を得るビジネスモデルです。転職の可能性が高い人から優先されるため、サポートしても転職できる可能性が低いと判断された場合、サービスを受けることができません。

お断りされてしまった場合、職務経歴書を書き直したり転職意欲をアピールすることでサポートを受けることができる可能性があります。

しかしながら、職務経歴やスキルが不足しているような場合は再登録を要請してもサポートを受けるのが難しいことが多く、その転職エージェントを活用するのは諦めた方が良いと言えます。

裏事情に左右されず転職エージェントを有効活用する方法

ここまで、転職エージェントに関する裏事情についてご説明してきました。ここからは、裏事情に左右されずに転職エージェントを最大限活用するためのポイントについてご紹介します。

裏事情に左右されず転職エージェントを有効活用する方法#1:
自分の希望を本音で伝える

転職エージェントを最大限活用するためには、自分の希望を本音で伝えることが重要です。

希望条件に優先順位をつけ、特に譲れない条件を明確に伝えることで、キャリアアドバイザーはあなたのニーズをより正確に理解でき、条件に合致した求人を紹介しやすくなります。

希望条件を明確に伝えるためには、まず年収・福利厚生・業種・職種・勤務形態・休日など、自分が重視する項目を書き出し、それらを重要度の高い順に並べて整理します。

この優先度に基づいて担当者へ希望を伝えることで、紹介される求人の精度が高まり、ミスマッチを防ぐことにつながります。

裏事情に左右されず転職エージェントを有効活用する方法#2:
転職意向が高いことを伝える

転職意向が高いことを伝えるというのも、転職エージェントを最大限活用するためのコツの1つです。

転職エージェントは転職意向が高い人から優先的にサポートしてくれます。転職意向が高いことを伝えることで、優先的に求人の紹介を受けたり、書類選考・面接対策を受けることができるようになります。

これは、求職者の入社が決まることで報酬が発生するというエージェントのビジネスモデルによるもので、転職意欲の強い求職者ほど優先度が上がりやすいという仕組みが背景にあります。

まだ転職を具体的に考えていない段階であれば正直にその旨を伝えて問題ありませんが、少しでも転職を前向きに検討している場合は、意向が高いことを明確に伝えておくことをおすすめします。

裏事情に左右されず転職エージェントを有効活用する方法#3:
サポートをフル活用する

転職エージェントを最大限活用するためのコツとして、サポートをフル活用するということが挙げられます。

エージェントは、求人紹介はもちろん、履歴書・職務経歴書の添削、模擬面接を含む面接対策、内定後の条件交渉まで、転職活動の主要なプロセスを網羅的かつ無料でサポートしてくれます。

書類作成や面接対策は自己流で進めると見落としやミスが生まれやすいため、プロのサポートを受けられるメリットは大きいと言えます。また、企業との日程調整も代行してくれるため、煩雑なやり取りに時間を取られることはありません。

裏事情に左右されず転職エージェントを有効活用する方法#4:
自分の目指す領域に合った転職エージェントを選ぶ

自分の目指す領域に合った転職エージェントを選ぶというのも、転職エージェントを最大限活用するためのコツの1つです。

転職エージェントにはそれぞれ得意とする業界・職種・年齢層があり、その強みから外れた相談をすると、「紹介できる求人がほとんどない」と言われたり、優先度が下がって支援が後回しになるケースもあります。

自分の目指す業種・職種・年齢層・キャリアステージに合ったエージェントを選べば、より多くの求人を紹介してもらえ、選考対策も精度が高まり、結果的に転職成功率を高めることができます。

裏事情に左右されず転職エージェントを有効活用する方法#5:
自分に合ったキャリアアドバイザーを選ぶ

自分に合ったキャリアアドバイザーを選ぶというのも、転職エージェントを最大限活用するためのコツの1つです。

転職活動ではキャリアアドバイザーとマンツーマンで進めていくため、担当者との相性やサポートの質が、そのまま転職活動の進めやすさに大きく影響します。

担当者によって提案スタイルやコミュニケーションの取り方、求人の選び方は大きく異なります。そのため、自分に合わない担当者と無理に進めようとすると、選考以外の部分で余計なストレスを抱えてしまうこともあります。

そのため、「この人とは少し合わなさそう」「相談しづらい」と感じた時点で、担当者の変更を申し出ることが大切です。担当者の変更は、どの転職エージェントでも必ず対応してくれるため、遠慮する必要はありません。

裏事情に左右されず転職エージェントを有効活用する方法#6:
複数の転職エージェントに登録して比較検討する

複数の転職エージェントに登録して比較検討するというのも、転職エージェントを最大限活用するためのコツの1つです。

転職エージェントの利用は無料であり、合わないと感じればいつでも退会できるため、複数登録しても金銭的なリスクはありません。

複数のエージェントを併用することで、紹介される求人の幅が広がるだけでなく、キャリアアドバイザーの対応やアドバイスの質を比較できるようになります。

複数の視点からアドバイスを得られることで判断の精度も上がるため、可能であれば複数の転職エージェントに登録して比較することをおすすめします。