「固定残業代の会社はやばい・やめとけ」と言われることがあります。本ページでは「固定残業代の会社はやばい・やめとけ」と言われる理由や固定残業代のメリット・実態を解説します。
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そもそも固定残業代とは?
そもそも固定残業代とはどのような制度かご説明します。
固定残業代とは、企業が従業員に支給する給与について、あらかじめ一定時間分の時間外労働代を、給与に含める制度のことです。
通常企業が従業員に給料を支払う場合、基本給に加えて残業時間に応じた残業代を支給しますが、固定残業代では残業時間が基準を下回っている場合も一定の固定残業代が支給されます。
固定残業代が20時間分基本給に含まれているという場合を例に挙げて説明します。従業員の残業時間が20時間を下回っている場合、残業時間にかかわらず、基本給に加えて固定残業代20時間分が支給されます。
なお、従業員の残業時間が20時間を超えている場合は超過分が追加で支給されます。例えば残業時間が30時間となっている場合、基本給(固定残業代20時間分含む)に加えて、残業代が10時間分支給されます。
残業時間 | 残業代 |
---|---|
10時間 | 固定残業代20時間分が支給 |
20時間 | 固定残業代20時間分が支給 |
30時間 | 固定残業代20時間分に加えて超過残業代10時間分が支給 |
従業員にとっては実際の残業時間に加えて多くの残業代を支給されるというメリットや、企業から見ると残業代の計算が簡易で複雑な手続きが不要となるなどのメリットがあります。
固定残業代の会社はやばい・やめとけ・ない方がいいと言われる理由
固定残業代の会社はやばい・やめとけと言われる理由についてご説明します。
と言われる理由
- 給料が未払いになる可能性があるため
- 実質的に給料が低い可能性があるため
- 帰宅したいと言い出しづらいため
- 固定残業時間が長いと激務な可能性があるため
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固定残業代の会社はやばい・やめとけ・ない方がいいと言われる理由#1:
給料が未払いになる可能性があるため
固定残業代の会社はやばい・やめとけと言われる理由の1点目として、給料が未払いになる可能性があるためということが挙げられます。
固定残業代は企業目線で見ると従業員の給料計算が簡潔だというメリットがあります。しかしながら、企業がそうしたメリットをはき違えて従業員の残業時間をあいまいに管理している場合だと、固定残業時間を超えた残業代が未払いになる可能性があります。
また、例えば固定残業時間が30時間の場合、30時間を超えた残業は申請しづらいという雰囲気があることが原因で、結果的に超過残業分はタダ働きになってしまう可能性があります。
固定残業時間を超過した残業時間に応じた残業代を受け取るのは従業員の権利ですが、そうした申請をしづらい空気感がある会社もあります。
固定残業代の会社はやばい・やめとけ・ない方がいいと言われる理由#2:
実質的に給料が低い可能性があるため
固定残業代の会社はやばい・やめとけと言われる理由として、実質的に給料が低い可能性があるという理由があげられます。一見して高く見える給料が、固定残業時間分の残業時間を勘案すると割安な給料となっている可能性があります。
例えば、サイバーエージェントは2023年度から新入社員の初任給を42万円に引き上げると発表しました。
前年の2022年度から約2割の上昇ということでテレビやネットニュースで話題になりましたが、実はこの給料は固定残業代(月80時間分)を含んだ給料であり、注意が必要だと指摘されていました。
参考: サイバーエージェントは新卒がやばい?実態と評判を解説
サイバーエージェントの様な会社は固定残業代を含んだ基本給が割安ではなく十分に高い水準となっていますが、会社によっては固定残業代を含んだ給料が割安な場合があるため、注意が必要です。
固定残業代の会社はやばい・やめとけ・ない方がいいと言われる理由#3:
帰宅したいと言い出しづらいため
帰宅したいと言い出しづらいというのも、固定残業代の会社はやばい・やめとけと言われる理由の1つです。固定残業代は、実際の残業時間が固定残業時間に達していない場合でも残業代を支給するという制度です。
月間の残業時間が固定残業時間に達していない場合でも一定の固定残業代を受け取れるというのは従業員にとってメリットですが、残業時間が短いと「残業代をもらっているのに働いていない」などと周囲に思われてしまう可能性があります。
固定残業代の会社はやばい・やめとけ・ない方がいいと言われる理由#4:
固定残業時間が長いと激務な可能性があるため
固定残業時間が長いと激務な可能性があるためというのも、固定残業代の会社はやばい・やめとけ・ない方がいいと言われる理由の1つです。
会社によっては残業時間が長く、固定残業時間に到達することを前提として固定残業代を設定している会社もあります。
したがって、固定残業時間が50時間などとしている会社だと、残業代が支給されているとはいえ50時間分の残業時間は平均的となっている会社もあります。
もちろん、サイバーエージェントのように固定残業代が80時間分含まれていながら月平均残業時間が18.3時間と、固定残業時間が長いのに残業時間が短いという会社も存在します。
しかし、会社によっては固定残業時間と同様の残業時間が平均的な会社もあるため、会社の実情を知ったうえで入社を検討することが重要です。
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固定残業代を取り入れる会社で働くメリットを解説
固定残業代の会社はやばい・やめとけ・ない方がいいと言われる理由についてご説明しましたが、固定残業代を取り入れる会社で働くメリットについても解説します。
働くメリット
- 実際の残業時間と比較して残業代を多くもらえ、年収が上がることがあるため
- 業務効率化で効率よくすることで時給が上がり、プライベートも充実させることができるため
- 子育てや育児で残業時間を抑えたい場合も一定の残業代が支給されるため
- 固定残業時間を超えた時間残業しても基本的には追加で残業代が支給されるため
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固定残業代を取り入れる会社で働くメリット#1:
実際の残業時間と比較して残業代を多くもらえ、年収が上がることがあるため
実際の残業時間と比較して残業代を多くもらえ、年収が上がるというのが、固定残業代を取り入れる会社で働くメリットとしてまず挙げられます。
固定残業代では、実際の残業時間にかかわらず一定の残業代が支給されます。したがって実際の残業時間が短くても多くの残業代が支払われ、実質的に年収が上がります。
特に閑散期と繁忙期がはっきりしているような会社だと、閑散期であっても十分な残業時間が支給されます。給料が高い水準で安定するというのも、固定残業代のメリットです。
固定残業代を取り入れる会社で働くメリット#2:
業務効率化で効率よくすることで時給が上がり、プライベートも充実させることができるため
業務効率化で効率よくすることで時給が上がり、プライベートも充実させることができるというのも固定残業代のメリットです。
残業代で稼ぐ必要があるような会社だと、だらだらと残業することで金銭的にメリットがある場合があります。
この様な会社は業務を効率化して労働時間を短くすると手取りが減ってしまうというジレンマがありますが、固定残業代を導入している会社では業務を効率化することが自身の時給向上に直結します。
また残業時間を短くしても給料を多くもらえることから、プライベートも充実させることができます。残業時間を気にせずに労働できるという点が、固定残業制度のメリットです。
固定残業代を取り入れる会社で働くメリット#3:
子育てや育児で残業時間を抑えたい場合も一定の残業代が支給されるため
子育てや育児で残業時間を抑えたい場合も一定の残業代が支給されるという点も固定残業制度のメリットです。
特に女性の場合、出産や育児で残業時間を抑えてしまうと手取りが減ってしまうことも珍しくありません。
固定残業代を導入していると、出産や育児で残業時間が短くなったとしても一定の残業代が支給されるため家計を圧迫しないというのが固定残業代のメリットです。
固定残業代を取り入れる会社で働くメリット#4:
固定残業時間を超えた時間残業しても基本的には追加で残業代が支給されるため
固定残業時間を超えた時間残業しても、基本的には追加で残業代が支給されるという点も固定残業代を取り入れている会社で働くメリットの1つです。
固定残業代を導入している会社は、固定残業時間超過分の残業代が支給されないと誤解されていることがありますが、基本的に超過分の残業代は支給されます。
したがって、最低限の残業代は維持できるうえ超過残業分の残業代でさらに年収を挙げることができるという点がメリットとなっています。
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固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法
固定残業代はやめとけと言われる理由や、固定残業代の会社で働くメリットについてご説明してきましたが、固定残業代は会社を選べばメリットだけを享受することができます。
固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極めるために見るべきポイントについてご説明します。
ホワイトな企業を見極める方法
- 超過残業分の扱いはどうか
- 平均残業時間は短いか
- 社員の平均勤続年数は長いか
- 他社などと比較して基本給は高いか
- 福利厚生は充実しているか
- 企業の知名度やネームバリューはあるか
- 経営は安定しているか
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固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法#1:
超過残業分の扱いはどうか
固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法として、超過残業分の扱いを確認することが挙げられます。
固定残業代では基準を超過した分の残業代は超過残業分として支給する必要があります。
しかし、求人票で超過分の残業代について明記されていなかったり、企業の採用担当に確認しても明言されていない場合は超過残業分の残業代が支給されない可能性があります。
超過分の残業代における扱いはきちんと確認するようにしましょう。
固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法#2:
平均残業時間は短いか
固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法として、平均残業時間についてもきちんと確認することが重要です。
上場企業などでは、開示において平均残業時間を公開している場合があります。また求人票に残業時間を明記している場合もあります。
固定残業時間よりも平均残業時間が短い場合は、残業時間と比較して多くの給料を得られることにもつながります。固定残業代を導入している会社については、きちんと平均残業時間を確認することが重要です。
固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法#3:
社員の平均勤続年数は長いか
ホワイト企業かどうかを見極めるポイントとして、社員の平均勤続年数が長いかどうかも重要です。
ホワイト企業では職場の満足度が高く、不満がたまりづらいために会社を離職する人が少ないため、社員の平均勤続年数が長くなる傾向にあります。
逆にブラック企業であれば、社員の平均勤続年数が極端に短かったりするため、ホワイト企業かどうかを判断する基準の一つと言えます。
固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法#4:
他社などと比較して基本給は高いか
他社などと比較して基本給が高いかどうかも、ホワイト企業かどうかを見極めるポイントです。
固定残業代を導入している企業は固定残業代を含んだ金額が提示されますが、給料を基本給と残業時間に分けたうえで基本給の水準が高いかどうかをきちんと比較することが重要です。
固定残業代を含んだ給料が高く見えても、残業時間を勘案すると給料が低いというケースもあるため、精査することをおすすめします。
固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法#5:
福利厚生は充実しているか
福利厚生が充実しているかどうかもホワイト企業かどうかを見極めるポイントです。
企業によっては給料が高くても退職金などが一切なく、実質的な年収は低いという場合があります。有給休暇の日数や企業年金なども企業の福利厚生として重要な要素です。
- 有給休暇取得日数
- 育児休暇・産後休暇・介護休暇
- 独身寮・社宅制度・住宅補助
- 健康保険・厚生年金などの社会保険
- 交通費補助
- 退職金制度
- カフェテリアプラン
- 法定外健康診断
- 財形貯蓄制度
- 従業員持株会
また、ホワイト企業は往々にして福利厚生が充実している傾向にあり、福利厚生が豊富な企業は働きやすい可能性が高まります。
固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法#6:
企業の知名度やネームバリューはあるか
企業の知名度やネームバリューがあるかどうかも、ホワイト企業かどうかを見極めるポイントです。
企業として知名度やネームバリューがない場合は、固定残業代を超過した残業代を支払わなくても、社会などから批判されるようなことがなく改善が見込まれないことがあります。
逆に企業の知名度やネームバリューがあると、残業代の未払いやブラック企業であることがSNSを通じて大きな社会的な問題につながりやすいため、ホワイト企業となる可能性が高まります。
固定残業代を取り入れていていながらホワイトな企業を見極める方法#7:
経営は安定しているか
経営が安定しているという点もホワイト企業の特徴です。斜陽産業であったり、業績が不安定な場合、待遇が良かったとしても、その待遇がいつまで続くか分かりません。
場合によっては、業績悪化に伴って給料の大幅削減、最悪の場合は早期退職・リストラに繋がる可能性もあります。ホワイト企業を選ぶ際は、業績が安定しているかどうかについても確認することをおすすめします。