パナソニックに転職すると後悔する？後悔する理由と実態を解説

パナソニックは、待遇の良さやネームバリューなど様々な要因によって転職市場で高い人気を誇っていますが、「パナソニックに転職すると後悔する」と言われることもあります。

本ページでは、「パナソニックへの転職は後悔する」と言われる理由や実態について解説しています。

パナソニックへの転職方法・転職難易度に関しては以下のページで解説しているので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

パナソニック（Panasonic）はどんな会社？

パナソニックは日本を代表する総合電機企業です。家電製品、家電製品に使用される電子部品、設備機器、システム機器や各種サービス、さらには住宅・車載・産業まで、幅広い製品やサービスを提供しています。

大企業ならではの安定した雇用体系が取られているうえ、多くの社員が年収1,000万円に到達できる人気企業となっています。福利厚生も手厚く、ネームバリューも非常に高いので、転職市場ではおすすめの会社です。

パナソニックの転職難易度は？中途採用は厳しい？

結論から言うと、パナソニックは転職市場で人気が高く、転職難易度は高いです。一方で、中途採用に積極的であることから、転職できる可能性は十分にあると言えます。

dodaが発表している「転職人気企業ランキング2024」において、パナソニックは5位にランクインしていることから、転職市場におけるパナソニックの人気は非常に高いと言えます。

一方で、パナソニックが公開している中途採用比率によれば、2023年度のパナソニックにおける中途採用比率は約62%となっており、パナソニックは中途採用に積極的であることが分かります。

年度	中途採用比率
2021年度	36.7%
2022年度	60.6%
2023年度	61.7%

このように、パナソニックは転職市場における人気は高いながら中途採用にも積極的です。募集職種も多岐に渡っているため、職種によっては十分に転職できる可能性があると言えます。

パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由

転職市場における人気が高く、転職難易度が非常に高いと言われるパナソニックですが、「パナソニックへの転職は後悔する」と言われることがあります。

パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由#1:
保守的な文化に慣れる必要がある

保守的な文化に慣れる必要があるというのが、パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由の1つです。

パナソニックは、日本の大企業らしく堅実で慎重な社風です。その代わりに意思決定のプロセスが長く、リスク回避の意識が強い、そして前例を重視する文化が根強いのが特徴です。

項目	詳細
意思決定のプロセスが長い	■ 大企業ならではの合意形成のプロセスが多く、稟議（承認フロー）が厳格 ■ 新しい提案をしても、上層部の承認を得るまでに時間がかかり、スピード感を持って進めるのが難しい
リスク回避の意識が強い	■ グローバル企業として安定経営を重視 ■ リスクを取って新しいことに挑戦する風土は強くない
前例を重視する文化が根強い	■ 過去の成功事例に基づいて判断する文化 ■ 前例のない取り組みには慎重になりがち

こうした文化は、パナソニックの安定した成長を支えている一方で、スピード感を持って新しいことに挑戦したい人にとっては大きな壁になる可能性があります。

これらの要素があるため、転職者にとっては「変化を起こしにくい環境」と感じられることがあり、後悔の理由になり得ます。

パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由#2:
年功序列でもどかしい思いをする機会が多い

年功序列でもどかしい思いをする機会が多いというのが、パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由の1つです。

パナソニックのような日系企業は、依然として年次や社歴を重視する年功序列的な要素が強いです。どれだけ成果を上げても、若手や中途採用者は昇進や重要なポジションを任されるまでに時間がかかることが多いです。

特に、パナソニックのような優良企業は離職率が低く、昇進したくても上層部が詰まっていることからなかなか昇進できないことが珍しくありません。

また、年次によって仕事の役割や裁量が明確に分かれているため、実力があっても年次が浅いと責任のある仕事を任されにくいことがあります。

納得できなくても年次の高い社員の意向に従わざるを得ない場面も多く、自分の能力を十分に発揮できないともどかしさを感じることがあります。

パナソニックは出世して自分で裁量を持てるようになるまでに非常に長い時間がかかります。特に向上心がある方や起業家マインドがある方は、ライフスパンの長さに焦りを感じてしまいやすいです。

パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由#3:
カンパニーによって社風や報酬が異なる

カンパニーによって大きく社風が異なるというのも、パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由の1つです。

パナソニックは事業ごとに「カンパニー制」を採用しており、それぞれのカンパニー（事業部）が独立した経営体制を持っています。そのため、同じパナソニックグループ内でも社風や働き方が大きく異なることがあります。

カンパニー	詳細
パナソニック	家電、空調機器、コールドチェーン、照明器具、配線器具、エネルギーマネジメント、燃料電池
パナソニック オートモーティブ	コックピット統合ソリューション、車室空間UX、車載充電器などのEVパワーエレクトロニクス
パナソニック エンターテインメント ＆コミュニケーション	映像機器、音響機器、通信機器
パナソニック ハウジングソリューションズ	住宅設備・建材製品の製造、販売、エンジニアリング
パナソニック コネクト	サプライチェーン、公共サービス、生活インフラ、エンターテインメント向けのソリューション提供
パナソニック インダストリー	電子部品、メカトロ・制御デバイス、電子材料、モーター
パナソニック エナジー	乾電池、リチウム一次電池、車載用円筒形リチウムイオン電池、リチウムイオン電池、蓄電モジュール、ニッケル水素電池
パナソニック オペレーショナルエクセレンス	経理・財務、人事、知的財産、法務、調達、ロジスティクス、品質管理、環境、施設管理、ブランドコミュニケーション
パナソニック ホールディングス	戦略企画、経営管理、研究開発、事業支援

例えば、家電事業（パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション）と車載・電池事業（パナソニック エナジー）では、ビジネスモデルや市場環境が異なるため、求められるスピード感や意思決定のプロセスが違います。

家電系は比較的落ち着いた雰囲気で、伝統的なメーカーの文化が残っている一方、電池や車載分野は競争が激しく、納期やコスト管理がシビアでプレッシャーが大きいといった声もあります。

パナソニックの中途採用では、基本的に希望する部門へ応募するため、意図しない部署に配属されることは少ないです。しかしながら、入社後に実際の業務内容や環境が想定と異なった場合、後悔につながります。

パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由#4:
激務になるタイミングがある

パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由として、長時間労働になるタイミングがあるという理由が挙げられます。

パナソニックは全体的に労働時間が短く働きやすいホワイト企業です。しかしながら、タイミングによっては労働時間が長期化することがあります。

こうしたタイミングでは遅くまで残業になることが珍しくありません。長時間労働が続くことで、パナソニックへの転職を後悔することがあります。

パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由#5:
出世争いが熾烈で、新卒が優遇されやすい

出世争いが熾烈だというのも、パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由の1つです。

パナソニックは高収入で社会的な評価も高い一方、昇進していくためには厳しい競争を勝ち抜く必要があります。幹部候補や管理職を目指す場合、常に結果を出し続けることが求められます。

しかしながら、パナソニックにおける同僚（競争相手）は、優秀な人が多いです。また、幹部候補の人数が多いために、自分に少しでもマイナス評価があると出世レースから大きく後退してしまいます。

また、日系企業は新卒を優遇する文化が根強いため、同じようなパフォーマンスだと新卒が優先されてしまいます。

このように、パナソニックは高年収を安定して実現できる企業ではあるものの、転職した場合は出世はとてもハードルが高いというのが、パナソニックへの転職は「後悔する」と言われる理由の1つです。

パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由#6:
全国転勤の可能性がある

全国転勤の可能性があるというのも、パナソニックへの転職は後悔すると言われる理由の1つです。

事業所や工場、支社が全国に点在しているパナソニックでは、特に総合職の場合は全国転勤の可能性があります。幅広い経験を積ませるという観点でも、全国転勤の機会は多いです。

転職時には「しばらくは同じ勤務地で働ける」と考えていても、数年後に遠方の拠点へ異動を命じられることがあり、家族の事情やライフプランに影響を及ぼすことがあります。

また、全国転勤のみならず海外駐在の可能性もあり、こうした異動や駐在を望まない人にとっては後悔する要素となります。

パナソニックへの転職がおすすめの理由

パナソニックへの転職がおすすめの理由としては、下記のような理由が挙げられます。

パナソニックへの転職がおすすめの理由#1:
大手企業としてのネームバリューがあるため

パナソニックへの転職がおすすめの理由として、大手企業としてのネームバリューがあるためという点が挙げられます。

パナソニックは、高年収や安定したキャリアパスが期待できるだけでなく、一般認知度が高く信用性の高い会社です。パナソニックで働いていることは自身の信用性を大きく高めることにつながります。

信用性が高いことは、高額な住宅ローンを引きやすいなどのメリットにも繋がります。国内で最も有名かつネームバリューのある会社で働くことができるというのが、パナソニックへの転職がおすすめな理由です。

パナソニックへの転職がおすすめの理由#2:
年収が高いため

年収が高いというのも、パナソニックへの転職がおすすめの理由の1つです。

パナソニックは上場企業のため、有価証券報告書で平均年収が開示されています。有価証券報告書によれば、2024年3月期におけるパナソニック・ホールディングスの平均年収は930万円（平均年齢: 43.7歳）となっています。

額面としての年収だけでなく福利厚生が充実しているというのも、大きなメリットです。

決算期	平均年収	平均年齢
2024年3月期	930万円	43.7歳
2023年3月期	909万円	43.6歳
2022年3月期	759万円	45.7歳
2021年3月期	744万円	45.8歳
2020年3月期	755万円	45.7歳
2019年3月期	774万円	45.6歳
2018年3月期	768万円	45.6歳

また、パナソニックに転職すると、年収が上がるというだけでなく自分自身の市場価値も上がるというメリットがあります。

仮に転職後に合わないと感じても、パナソニックで数年間働いた経験があれば、転職市場における市場価値は非常に高くなります。

転職活動における幅も広がるため、より高年収企業に転職したり、自分の好きな業界で仕事をすることなどもできるようになります。

パナソニックへの転職がおすすめの理由#3:
ホワイト企業であるため

ホワイト企業であるためというのも、パナソニックへの転職がおすすめの理由の1つです。

パナソニックは月間平均残業時間を公開しています。公開情報によれば、パナソニックにおける月平均残業時間は16時間（2023年度）となっており、それほど長い水準ではないことが分かります。

年度	月間平均残業時間
2021	16時間
2022	17時間
2023	16時間

パナソニックは大企業でコンプライアンス意識も高いため、ハラスメントなどもほとんど見られません。ホワイト企業で働きたい人にとってパナソニックはおすすめの会社となっています。

パナソニックへの転職がおすすめの理由#4:
中途は配属リスクが少ないため

中途は配属リスクが少ないというのも、パナソニックへの転職がおすすめの理由の1つです。

パナソニックはカンパニー制を採用しており、事業部によって携わる業務の内容が大きく異なります。特に新卒の場合は、どこに配属されるかが大きな要素となっており、「配属リスク」と呼ばれることもあります。

一方で、パナソニックの中途採用では最初から特定の部署や職種を前提として採用されることが多いです。即戦力としての採用が前提となるため、応募時に提示された職種・勤務地で働ける可能性が高いと言えます。

そのため、「入社後に希望しない部署に回される」というリスクが少なく、転職先としておすすめされる理由の一つになっています。