インターネット上で、川崎重工は「やばい」という評判が散見されますが、実際に川崎重工は「やばい」のでしょうか。
そもそも川崎重工業はどのような点で「やばい」と言われているか、またその「やばい」という評判は正しいのか、川崎重工社員へのインタビューを参考にしながら徹底解説します。
川崎重工業株式会社
Kawasaki Heavy Industries, Ltd.
平均年収
793万円
2025年3月期
平均年齢
41.5歳
2025年3月期
平均残業時間
22.0時間
2023年度
離職率
1.6％
2023年度
有給休暇取得率
84.1%
2023年度
中途採用比率
63.3%
2023年度
川崎重工グループ（国内）データ含む
川崎重工業への転職方法・転職難易度に関しては以下のページで解説しているので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
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バイクから戦闘機まで製造する川崎重工業はどんな会社？
川崎重工業は船舶・鉄道車両・航空機・モーターサイクル・ガスタービン・ガスエンジン・産業プラント・油圧機器・ロボットなどの多彩な事業を展開する、日本を代表する総合重工業メーカーです。
事業分野は下記の通りとなっています。基本的にはBtoBビジネスが主ですが、カワサキモーターズ株式会社のみ一般消費者に向けて製品を提供しています。
| セグメント | 詳細 |
|---|---|
| 川崎車両株式会社 | 新幹線や電車等の車両を製造 |
| 航空宇宙システムカンパニー | P-1固定翼哨戒機及びC-2輸送機など、防衛省向けの航空機の開発・製造 |
| エネルギーソリューション＆マリンカンパニー | プラントやエネルギーソリューションシステムの製造・開発 |
| カワサキモータース株式会社 | 二輪車、ATV（四輪バギー車）等の製造 |
| 精密機械・ロボットカンパニー | 建設機械、産業機械や船舶用に用いられる油圧機械の製造 |
各事業部における売上・営業利益は下記の通りとなっています。
川崎重工業はなぜ「やばい」「潰れる」「どうなる」と言われるのか？
日本を代表する総合重工業メーカーの川崎重工業ですが、Googleで「川崎重工」と検索すると関連キーワードに「やばい」「潰れる」というネガティブなワードがあります。
川崎重工業への就職や転職を検討している方の中でも、この検索結果を見て尻込みしてしまったり、不安になってしまった方も少なくないのではないでしょうか。
以降では、ネット上で「やばい」と言われる理由について、実態を解説していきます。
川崎重工業が「やばい」と言われる理由
- 赤字に転落してしまい今後の将来性が不安があると言われていたため
- 年収が高いため
- 激務で離職率も高いと言われているため
- 「バイク」と「鉄道車両」を分社化したため
- 転職難易度・中途採用倍率が高すぎると言われているため
- 裏金問題という不祥事が起きたため
- 採用大学のレベルが高くエリートばかりと噂されているため
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川崎重工業がやばいと言われる理由#1:
赤字に転落してしまい今後の将来性が不安があるため
川崎重工業がやばいと言われる理由の1つ目が、業績が悪く将来性がないと言われているという理由です。川崎重工は2021年3月期に連結赤字となっています。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|
| 21年3月期 | 1兆4,884億円 | -53億円 |
| 22年3月期 | 1兆5,009億円 | 303億円 |
| 23年3月期 | 1兆7,256億円 | 823億円 |
| 24年3月期 | 1兆8,493億円 | 462億円 |
2021年3月期の赤字に関する主要因は新型コロナウイルスです。
特に航空宇宙システム事業機体・エンジン需要が大幅に鈍化したこと、船舶海洋ビジネスや車両ビジネスでも人の移動が制限されたことによって需要が大きく減少し、赤字となりました。
赤字決算となったため、年間配当も0円となるなど、川崎重工業にとっては厳しい年度となりました。こうした赤字により、川崎重工は「やばい」「潰れる」と評判になりました。
一方の2022年3月期は100億円強、2023年3月期は500億円強の純利益を記録しています。分社化の影響で経営改善が進んだモーターサイクルと鉄道車両事業の新会社が最高益を稼いだこと、水素関連事業が好調なことによります。
将来的に見ると民間機向け航空エンジンの需要回復や根強い防衛関連需要等・水素エネルギー関連の新事業が成長をけん引する富らえれています。
川崎重工業がやばいと言われる理由#2:
年収が高いため
川崎重工業は、年収が高いため「やばい」と言われることがあります。
川崎重工業は上場企業のため、有価証券報告書で平均年収が開示されています。有価証券報告書によれば川崎重工業における2025年3月期の平均年収は793万円（平均年齢: 41.5歳）となっています。
| 年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 2025年3月期 | 793万円 | 41.5歳 |
| 2024年3月期 | 810万円 | 41.3歳 |
| 2023年3月期 | 737万円 | 40.9歳 |
| 2022年3月期 | 684万円 | 40.5歳 |
| 2021年3月期 | 699万円 | 39.4歳 |
| 2020年3月期 | 720万円 | 39.0歳 |
| 2019年3月期 | 708万円 | 38.7歳 |
| 2018年3月期 | 707万円 | 38.4歳 |
川崎重工業がやばいと言われる理由#3:
激務で離職率も高いと言われているため
川崎重工業は、激務で離職率も高いと言われているためやばいと言われています。
川崎重工は公式に年間所定外労働時間を発表しています。年間平均残業時間から算出された月間平均残業時間は22.0時間と短い水準であることが分かります。
働き方改革の影響で残業は少なくなっており、プライベートとの調整は非常にしやすくなっている模様です。
| 年度 | 年間所定外労働時間 （公式発表） | 月間所定外労働時間 |
|---|---|---|
| 2019 | 295.2時間 | 24.6時間 |
| 2020 | 206.4時間 | 17.2時間 |
| 2021 | 261.4時間 | 21.8時間 |
| 2022 | 272.0時間 | 22.7時間 |
| 2023 | 263.9時間 | 22.0時間 |
川崎重工業における離職率の水準は1%台となっており、低い水準であることが分かります。
| 年度 | 自己都合離職率 |
|---|---|
| 2019 | 1.3% |
| 2020 | 1.2% |
| 2021 | 1.8% |
| 2022 | 1.8% |
| 2023 | 1.6％ |
近年はコンプライアンス意識の遵守によってパワハラも少なくなってきている模様です。
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川崎重工業がやばいと言われる理由#4:
「バイク」と「鉄道車両」を分社化したため
川崎重工業がやばいと言われる理由の4つ目が、「バイク」と「鉄道車両」を担う事業を分社化したためです。
川崎重工業は2輪車事業を担う「モーターサイクル&エンジン事業」を新設した100%子会社であるカワサキモータース株式会社に、「車両事業」を同じく100%子会社の川崎車両株式会社に移管、分社化しました。
事業の内容やエリアなどの単位で切り分けて、独立した子会社を設立すること
分社化によって川崎重工業は上記の2事業を売却しなくてはいけないのでは等の噂が流れ、川崎重工は「やばい」「潰れる」という評判に繋がりました。
分社化とは売却の準備と考えられることもありますが、今回の分社化に関しては、経営判断を機動的に下せるようにするとともに、自律的な事業運営を促すための独立と述べています。
実際に分社化によって経営にて機動的な判断が下せるようになり、2022年3月期はモーターサイクル&エンジン事業で255億円、車両事業で78億円の増益となりました。
川崎重工業がやばいと言われる理由#5:
転職難易度・中途採用倍率が高すぎると言われているため
転職難易度・中途採用倍率が高すぎると言われているため、川崎重工業はやばいと言われることがあります。
確かに、川崎重工は転職市場で人気が高く、転職難易度は高いです。一方で、中途採用に積極的であることから、転職できる可能性は十分にあると言えます。
dodaが発表している「転職人気企業ランキング2025」において、川崎重工はTOP300にランクインしていることから、転職市場における川崎重工の人気は非常に高いと言えます。
一方で、川崎重工が公開しているデータによれば、2023年度の川崎重工における中途採用比率は63.3%となっており、川崎重工は中途採用に積極的であることが分かります。
| 年度 | 中途採用比率 |
|---|---|
| 2021年度 | 21.0% |
| 2022年度 | 49.5% |
| 2023年度 | 63.3% |
このように、川崎重工は転職市場における人気は高いながら中途採用にも積極的です。募集職種も多岐に渡っているため、職種によっては十分に転職できる可能性があると言えます。
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川崎重工業がやばいと言われる理由#:6
裏金問題という不祥事が起きたため
川崎重工業がやばいと言われる理由の6つ目が、裏金問題という不祥事が起きたためという理由です。
川崎重工業では、海上自衛隊の潜水艦乗組員らに物品を提供していたことが問題になりました。また、川崎重工業側が不正な資金を捻出するため、約40年前から取引先との架空取引を繰り返していたことが分かりました。
川崎重工では取引先との架空取引によって十数億円規模の「裏金」を捻出し、海上自衛隊の潜水艦搭乗員に金品や飲食代を供与していた。この問題は税務調査をきっかけに発覚しており、内部通報など自浄作用が働かなかった
川崎重工､｢相次ぐ不正｣で業界3位に凋落の危機 東洋経済ONLINE
また、舶用エンジンの燃費性能のデータ改ざん問題も判明しました。NOx（窒素酸化物）規制対象のエンジン674台のうち673台において燃費率データの改ざんがあり、こうした不祥事を指して「やばい」と言われています。
川崎重工業がやばいと言われる理由#7:
採用大学のレベルが高くエリートばかりと噂されているため
川崎重工は採用大学のレベルが高く学歴フィルターがあると噂されているため、やばいと言われています。
大学通信によれば川崎重工の採用大学は下記の通りとなっています。大阪大学が最も多く、高学歴が多いことが分かります。学歴フィルターもある程度存在しており、採用難易度は高いと言えるでしょう。
| 順位 | 大学 | 採用人数 |
|---|---|---|
| 1 | 大阪大学 | 24 |
| 2 | 九州大学 | 16 |
| 3 | 神戸大学 | 12 |
| 4 | 京都大学 | 11 |
| 5 | 早稲田大学 | 10 |
| 6 | 岐阜大学 | 8 |
| 同志社大学 | 8 | |
| 8 | 岡山大学 | 6 |
| 9 | 北海道大学 | 5 |
| 東北大学 | 5 | |
| 名古屋工業大学 | 5 | |
| 大阪府立大学 | 5 | |
| 関西大学 | 5 |
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- 事業部によって社風や報酬が異なる
- 激務になるタイミングがある
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川崎重工業に転職して後悔する理由は以下のページで解説しているので、詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。
