鹿島建設はやばい？ブラック？評判を解説

日本を代表する総合建設企業大手・ゼネコンの鹿島建設。スーパーゼネコンとして高い就職・転職人気がありますが、ネット上では「やばい」「きつい」といった評判があるのも事実です。

本記事では鹿島建設が「やばい」「きつい」と言われる理由と実態について徹底解説します。

鹿島建設はどんな会社？

鹿島建設は国内外における土木事業、建築事業、エンジニアリング事業、開発事業など幅広い分野で事業展開している、日本を代表するスーパーゼネコンです。

スーパーゼネコンとして国内トップクラスの売上高を誇っており、連結の売上高は2兆円を超えています。

事業	事業内容
建築事業	土木事業、建築事業、エンジニアリング事業、開発事業など
土木事業	トンネル・橋梁・ダム・鉄道・高速道路等のインフラ施設の設計・施工など
開発事業	国内の不動産開発事業、販売事業、賃貸事業など
海外事業	北米、アジア、欧州、大洋州を中心に建築、設計
周辺事業 （エンジニアリング事業・環境）	エンジニアリングは医薬品・化粧品・食品分野、 環境は新エネルギー、水環境・土壌汚染・廃棄物対策、自然共生型インフラ構築 などにおいて、施設構想から設計・施工、施設運営・管理サービスを提供

本社は東京都港区元赤坂にあります。

会社名	鹿島建設株式会社
英語名	KAJIMA CORPORATION
資本金	814億円
本社所在地	東京都港区元赤坂1-3-1

鹿島建設が「やばい」「ブラック」と言われる理由

日本を代表するゼネコンである鹿島建設ですが、インターネットでは「鹿島建設」と検索すると関連キーワードに「やばい」といったワードが並びます。

鹿島建設への就職や転職を検討している方の中でも、この検索結果を見て尻込みしてしまったり、不安になってしまった方も少なくないのではないでしょうか。

以降では、ネット上で「やばい」と言われる理由について、実態を解説していきます。

鹿島建設が「やばい」と言われる理由#1:
パワハラ・激務で、ブラック企業・闇だと言われているため

鹿島建設はパワハラ・激務で、ブラック企業・闇だと言われているため「やばい」と言われることがあります。

鹿島建設では2020年、鹿島建設社員が長時間労働に起因して急逝するという事件がありました。それを受けて鹿島建設は下記のような声明を出しています。

2020年1月16日、都内工事事務所に勤務する当社社員が急逝する事案が発生し、本事案に関し、当社は、同年12月、所轄の労働基準監督署から長時間労働に起因する過労死であるとの認定を受けました。故人は、日頃より業務に精励し周囲からの信頼も厚く将来を嘱望された優秀な若手社員であり、ここに改めてご遺族の皆様に心よりお詫び申し上げるとともに、故人のご冥福をお祈り申し上げ、衷心より哀悼の意を表します。

当社は、大切な社員を失った事実を厳粛に受け止め、これまで謝罪はもとより、本事案への向き合い方についてご遺族との間で、誠心誠意話し合いを続けさせていただきましたが、このたび、ご遺族の意向に沿う形で事実関係を公表するに至りました。

当社は、2017年4月から「鹿島働き方改革」を推進し、現業部門の長時間労働削減を主軸においた施策を通じて、社員一人ひとりの心と体の健康の維持に取り組んでまいりました。しかしながら、今回の本事案を受けて、これまでの取組みが十分ではなかったという深い反省の下に、二度と同じようなことを繰り返さない決意を全ての役員・社員が共有し、労働時間管理の徹底と長時間労働の削減に強い覚悟をもって取り組む所存であります。

当社グループは、社員の心身の健康を最も重要な経営資源と位置づけ、「活力に満ち、安全で働きやすい職場環境づくり」と「一人ひとりが自らの健康に留意し、維持・増進に努めることを支援」する健康経営の推進体制を構築すべく、2020年10月、「鹿島グループ　健康経営宣言」を社内外に公表いたしました。この宣言に基づき、様々な施策の検討とその具体化を進めております。

これらの施策と併せ、労働時間の適切な把握、三六協定の遵守などの労働時間管理のさらなる徹底や、業務改善・平準化、休暇取得の推進などの時間外・休日労働の削減への取組みをより一層加速させ、再発防止の徹底に努めてまいります。

労務管理の更なる改善に向けた当社の取組みについて

激務を原因に亡くなってしまうというのはあってはならないことで、今後の鹿島建設における是正が期待されます。

労働時間については、鹿島建設の公式データによれば2022年度における鹿島建設の平均残業時間は37.0時間となっています。短い水準ではありませんが、年収水準を踏まえると妥当な水準であることが分かります。

年度	月間平均残業時間
2018	36.1時間
2019	37.5時間
2020	39.6時間
2021	39.5時間
2022	37.0時間
2023	34.7時間

鹿島建設が「やばい」と言われる理由#2:
離職率が高いと噂されているため

鹿島建設では離職率が高いと噂されているために「やばい」と言われることがあります。

鹿島建設における離職率の推移は下記の通りです。鹿島建設の離職率は決して高い水準ではなく、むしろ低い水準であることが分かります。

年度	離職率 （全体）	離職率 （入社3年以内）
2018	0.5%	3.2%
2019	0.7%	1.8%
2020	0.7%	4.6%
2021	0.8%	3.3%
2022	1.1%	4.6%
2023	1.1％	5.8％

鹿島建設が「やばい」と言われる理由#3:
社員による脱税という不祥事があったため

鹿島建設が「やばい」と言われる理由の3つ目は、不祥事があったと噂されるという理由です。

鹿島建設では下請け業者から受け取った謝礼金を税務申告せずに脱税したとして、「所得税法違反」の罪で在宅起訴されていると報道されています。

東日本大震災の復興事業に絡み、下請け業者から私的に得るなどした所得約2億2千万円を申告せずに脱税したとして、仙台国税局は28日、大手ゼネコン「鹿島」（本社・東京）東北支店の宮本卓郎・元営業部長（54）を所得税法違反容疑で仙台地検に告発したと発表した。告発は25日付。

鹿島の元幹部を脱税容疑で告発　復興事業費使って裏金か

鹿島建設はこうした不祥事を受けて、「このような事象が発生したことは誠に遺憾。社員教育を改めて徹底するなど再発防止に努める」という声明を出しています。

一方でこうした不祥事はあくまで一社員の不祥事であり、鹿島建設が会社ぐるみで行ったわけではありません。

鹿島建設が「やばい」と言われる理由#4:
転職難易度・中途採用倍率が高いと言われているため

鹿島建設が「やばい」と言われる理由として、転職難易度・中途採用倍率が高いと言われているという理由が挙げられます。

鹿島建設は転職市場で人気が高く転職難易度は高いです。一方で、中途採用に積極的であることから、転職できる可能性は十分にあると言えます。

dodaが発表している「転職人気企業ランキング2024」において、鹿島建設はトップ300にランクインしていることから、転職市場における鹿島建設の人気は非常に高いと言えます。

一方で、鹿島建設が公開しているデータによれば、2023年度における鹿島建設のキャリア採用比率は約18.9%となっており、鹿島建設は積極的に中途採用を行っていることが分かります。

年度	中途採用比率
2021年度	25.8%
2022年度	19.8%
2023年度	18.9%

このように、鹿島建設は転職市場における人気は高いながら中途採用にも積極的です。募集職種も多岐に渡っているため、職種によっては十分に転職できる可能性があると言えます。

鹿島建設が「やばい」と言われる理由#5:
談合という不祥事があったため

鹿島建設では談合という不祥事があったため、「やばい」と言われることがあります。

JR東海発注のリニア中央新幹線の建設工事で談合したとして、独占禁止法違反（不当な取引制限）の罪に問われ、有罪判決を受けたことがあります。

リニア中央新幹線工事の談合事件で、公正取引委員会は23日、独禁法違反（不当な取引制限）容疑で、大手ゼネコン4社と元担当幹部2人を検事総長に刑事告発した。東京地検特捜部は同日、いずれも起訴する。

[中略]

告発されたのは、特捜部が同容疑で逮捕した大成建設元常務執行役員の大川孝（67）、鹿島専任部長の大沢一郎（60）両容疑者と、両社に大林組と清水建設を加えた法人としての4社。

[中略]

大成建設と鹿島、両容疑者は容疑を否認。大林組と清水建設は認めているもようだ。

告発容疑は、大手4社の担当者らは2014年4月～15年8月ごろ、リニアの品川、名古屋両駅新設工事の3工区について東京都内の飲食店で面談するなどして受注予定企業を決めたほか、JR東海に提出する見積価格を互いに交換するなどした疑い。

公取委、ゼネコン4社と大成・鹿島の幹部を刑事告発―リニア談合 2018年3月23日

この裁判では有罪判決が鹿島建設に下されており、鹿島建設では今後このような談合が無いような体制を構築することが期待されています。

鹿島建設が「やばい」と言われる理由#6:
下請け会社へのいじめがあると言われているため

鹿島建設では、下請け会社へのいじめがあるため「やばい」と言われることがあります。

鹿島建設の下請け社員が亡くなるという事件があり、その際に鹿島建設の担当者によるプレッシャーが強かったと指摘されていました。

男性は、厨房設備の設置工事などを扱うタニコー（東京都品川区）に入社し、約26年勤務していた。
同社は、大手ゼネコン「鹿島建設」の一次下請けとして、旧・赤坂プリンスホテル跡地に開業したホテル「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」（2016年7月開業）の厨房工事を担当。男性が現場責任者だった。
納期に遅れが生じていたことから、会社側に「無理です」など助けを求めても、具体的なサポートを受けられなかったという。一方で、鹿島建設の担当者からのプレッシャーにさらされていた。
労基署は亡くなる前の4月ごろに男性がうつ病を発症したと判断。その直前1カ月の残業時間を108時間30分、2カ月前を98時間と認定した。

下請けイジメで過労自殺、LINEで罵倒

鹿島建設の担当者から厳しいプレッシャーがあったということで、下請け会社に対する「いじめ」の様な振る舞いが一部であったのは確かです。

鹿島建設が「やばい」と言われる理由#7:
出身大学のレベルが高すぎる・エリートであると言われているため

出身大学のレベルが高すぎる・エリートであると言われているというのも、鹿島建設が「やばい」と言われる理由の1つです。

大学通信によれば鹿島建設の採用大学は下記の通りです。東京大学、早稲田大学、横浜国立大学、東京理科大学などレベルが高い大学の出身者が多く、鹿島建設の就職難易度は高いことが分かります。

順位	大学	採用人数
1	東京大学	14
	早稲田大学	14
3	横浜国立大学	13
	東京理科大学	13
5	東京工業大学	11
	明治大学	11
7	九州大学	9
8	京都大学	8
	慶應義塾大学	8
	日本大学	8
	近畿大学	8
	福岡大学	8

鹿島建設の良い評判を解説

鹿島建設に関する悪い評判について解説してきましたが、鹿島建設の良い評判についても解説します。

鹿島建設の良い評判#1:
年収が高い

鹿島建設の良い評判として、鹿島建設は年収が高いという点が挙げられます。

鹿島建設は上場企業のため、有価証券報告書で平均年収が開示されています。有価証券報告書によれば、2024年3月期における鹿島建設の平均年収は1,177万円（平均年齢: 43.7歳）となっています。

年度	平均年収	平均年齢
2024年3月期	1,177万円	43.7歳
2023年3月期	1,164万円	43.9歳
2022年3月期	1,128万円	44.1歳
2021年3月期	1,135万円	44.2歳
2020年3月期	1,134万円	44.2歳
2019年3月期	1,139万円	44.1歳

国税庁が開示している日本人の平均年収が461万円であることから、鹿島建設の平均年収は日本人全体の平均よりも有意に高いと言えます。

また、マイナビエージェントが公表している業種別平均年収ランキングによると、建設・土木・設計企業の平均年収は404万円となっており、鹿島建設の平均年収は建設・土木・設計企業全体の平均年収よりも高い水準になっています。

鹿島建設の良い評判#2:
会社のネームバリューが高く、ステップアップしやすい

鹿島建設の良い評判の2つ目として挙げられるのが、「会社のネームバリューが高く、ステップアップしやすい」という点です。鹿島建設は日本を代表するスーパーゼネコンの1角であり、プライム市場にも上場しているブランドバリューの高い会社です。

また労働環境が厳しい点も周知されており、鹿島建設で働いていたという点は転職活動などにおいても役立つでしょう。将来的にさらなるステップアップもしやすいため、鹿島建設はおすすめできる転職先となっています。

鹿島建設の良い評判#3:
やりがいのある仕事ができる

やりがいのある仕事ができるという点も鹿島建設の強みです。鹿島建設では、一般人も知っているような建設物の建設工事に携わることのできるやりがいのある仕事です。

もちろん大変な職種であるのは間違いないですが、こうした建設物の建設に携わることができるというのが鹿島建設をおすすめできる理由です。

鹿島建設に関するよくある質問

鹿島建設に関するよくある質問をまとめています。