川崎重工業に転職すると後悔する？後悔する理由と実態を解説

川崎重工業は、待遇の良さやネームバリューなど様々な要因によって転職市場で高い人気を誇っていますが、「川崎重工業に転職すると後悔する」と言われることもあります。

本ページでは、「川崎重工業への転職は後悔する」と言われる理由や実態について解説しています。

川崎重工業への転職方法・転職難易度に関しては下記の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

バイクから戦闘機まで製造する川崎重工はどんな会社？

川崎重工は船舶・鉄道車両・航空機・モーターサイクル・ガスタービン・ガスエンジン・産業プラント・油圧機器・ロボットなどの多彩な事業を展開する、日本を代表する総合重工業メーカーです。

大企業ならではの安定した雇用体系が取られているうえ、多くの社員が年収1,000万円に到達できる人気企業となっています。福利厚生も手厚く、ネームバリューも非常に高いので、転職市場ではおすすめの会社です。

川崎重工業の転職難易度は？中途採用は厳しい？

結論から言うと、川崎重工は転職市場で人気が高く、転職難易度は高いです。一方で、中途採用に積極的であることから、転職できる可能性は十分にあると言えます。

dodaが発表している「転職人気企業ランキング2024」において、川崎重工はトップ300にランクインしていることから、転職市場における川崎重工の人気は非常に高いと言えます。

一方で、川崎重工が公開しているデータによれば、2023年度の川崎重工における中途採用比率は63.3%となっており、川崎重工は中途採用に積極的であることが分かります。

年度	中途採用比率
2021年度	21.0%
2022年度	49.5%
2023年度	63.3%

このように、川崎重工は転職市場における人気は高いながら中途採用にも積極的です。募集職種も多岐に渡っているため、職種によっては十分に転職できる可能性があると言えます。

川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由

転職市場における人気が高く、転職難易度が非常に高いと言われる川崎重工業ですが、「川崎重工業への転職は後悔する」と言われることがあります。

川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由#1:
組織が官僚的で意思決定に時間がかかる

組織が官僚的で意思決定に時間がかかるというのが、川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

川崎重工業は、日本の大企業らしく堅実で慎重な社風です。その代わりに意思決定のプロセスが長く、リスク回避の意識が強い、そして前例を重視する文化が根強いのが特徴です。

項目	詳細
意思決定のプロセスが長い	■ 大企業ならではの合意形成のプロセスが多く、稟議（承認フロー）が厳格 ■ 新しい提案をしても、上層部の承認を得るまでに時間がかかり、スピード感を持って進めるのが難しい
リスク回避の意識が強い	■ グローバル企業として安定経営を重視 ■ リスクを取って新しいことに挑戦する風土は強くない
前例を重視する文化が根強い	■ 過去の成功事例に基づいて判断する文化 ■ 前例のない取り組みには慎重になりがち

こうした文化は、川崎重工業の安定した成長を支えている一方で、スピード感を持って新しいことに挑戦したい人にとっては大きな壁になる可能性があります。

転職者にとっては「変化を起こしにくい環境」と感じられることがあり、後悔の理由になり得ます。特にベンチャー企業出身者や外資系企業出身者の場合はこうしたギャップに戸惑いやすい傾向にあります。

川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由#2:
年功序列でもどかしい思いをする機会が多い

年功序列でもどかしい思いをする機会が多いというのが、川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

川崎重工業のような日系企業は、依然として年次や社歴を重視する年功序列的な要素が強いです。どれだけ成果を上げても、若手や中途採用者は昇進や重要なポジションを任されるまでに時間がかかることが多いです。

特に、川崎重工業のような優良企業は離職率が低く、昇進したくても上層部が詰まっていることからなかなか昇進できないことが珍しくありません。

また、年次によって仕事の役割や裁量が明確に分かれているため、実力があっても年次が浅いと責任のある仕事を任されにくいことがあります。

納得できなくても年次の高い社員の意向に従わざるを得ない場面も多く、自分の能力を十分に発揮できないともどかしさを感じることがあります。

川崎重工業は出世して自分で裁量を持てるようになるまでに非常に長い時間がかかります。特に向上心がある方や起業家マインドがある方は、ライフスパンの長さに焦りを感じてしまいやすいです。

川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由#3:
事業部によって社風や報酬が異なる

事業部によって大きく社風が異なるというのも、川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

川崎重工業は日本を代表する大企業であり、扱う事業は広範に及んでいます。事業部ごとに取扱う商材が異なるだけでなく、社風や報酬まで変わってきます。

事業部	詳細
川崎車両株式会社	日本における鉄道車両製造のトップメーカーとして、新幹線をはじめとする電車・客車・貨車・機関車・ディーゼル機関車・新交通システムなどさまざまな車両を生産
航空宇宙システム カンパニー	日本有数の航空機メーカーとして、P-1固定翼哨戒機及びC-2輸送機など、防衛省向けの数々の航空機を開発・製造
エネルギーソリューション ＆マリンカンパニー	エネルギー・環境ソリューション分野において、４つのディビジョンが保有する世界最高レベルのキーハードとエンジニアリング力を結集し、水素社会の未来を切り拓くリーディングカンパニーとして革新的なソリューションを提供
カワサキモータース	二輪車、ATV（四輪バギー車）、レクリエーション ユーティリティー ビークル、多用途四輪車などを提供
精密機械・ロボットカンパニー	建設機械、産業機械や船舶用に用いられる油圧機械を製造

例えば、航空宇宙システムカンパニーでは、防衛・航空関連のプロジェクトが中心であり、官公庁や大手企業との取引が多く、保守的で安定志向が強い社風が特徴です。

一方で、モーターサイクル＆エンジンカンパニーは、一般消費者向けの製品を扱うため、スピード感を重視し、新しい発想が求められる環境となっています。このように、事業部によって大きく社風が異なります。

川崎重工業の中途採用では、基本的に希望する部門へ応募するため、意図しない部署に配属されることは少ないです。しかしながら、入社後に実際の業務内容や環境が想定と異なった場合、後悔につながります。

川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由#4:
激務になるタイミングがある

川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由として、長時間労働になるタイミングがあるという理由が挙げられます。

川崎重工業は全体的に労働時間が短く働きやすいホワイト企業です。しかしながら、タイミングによっては労働時間が長期化することがあります。

こうしたタイミングでは遅くまで残業になることが珍しくありません。長時間労働が続くことで、川崎重工業への転職を後悔することがあります。

川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由#5:
出世争いが熾烈で、新卒が優遇されやすい

出世争いが熾烈だというのも、川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

川崎重工業は高収入で社会的な評価も高い一方、昇進していくためには厳しい競争を勝ち抜く必要があります。幹部候補や管理職を目指す場合、常に結果を出し続けることが求められます。

しかしながら、川崎重工業における同僚（競争相手）は、優秀な人が多いです。また、幹部候補の人数が多いために、自分に少しでもマイナス評価があると出世レースから大きく後退してしまいます。

また、日系企業は新卒を優遇する文化が根強いため、同じようなパフォーマンスだと新卒が優先されてしまいます。

このように、川崎重工業は高年収を安定して実現できる企業ではあるものの、転職した場合は出世はとてもハードルが高いというのが、川崎重工業への転職は「後悔する」と言われる理由の1つです。

川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由#6:
成長の実感を得づらい

成長の実感を得づらいというのも、川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

川崎重工業は、日本を代表する大企業であり、多岐にわたる事業を展開しています。しかし、その規模の大きさゆえに、「成長の実感を得づらい」と感じる転職者も少なくありません。

その理由の一つとして挙げられるのが、分業体制の強さです。大規模なプロジェクトを複数のチームで進めるため、一人ひとりの担当範囲が限定されがちであり、自分の貢献による影響が見えにくいことがあります。

また、川崎重工業では時間をかけて社員を育成する方針があり、着実に成長していくことが求められます。そのため、短期間でスキルを伸ばしたり、早く昇進したい人にとっては、成長のペースが遅く感じることがあります。

川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由#7:
全国転勤や海外駐在の可能性がある

全国転勤の可能性があるというのも、川崎重工業への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

事業所や工場、支社が全国に点在している川崎重工業では、特に総合職の場合は全国転勤の可能性があります。幅広い経験を積ませるという観点でも、全国転勤の機会は多いです。

転職時には「しばらくは同じ勤務地で働ける」と考えていても、数年後に遠方の拠点へ異動を命じられることがあり、家族の事情やライフプランに影響を及ぼすことがあります。

また、全国転勤のみならず海外駐在の可能性もあり、こうした異動や駐在を望まない人にとっては後悔する要素となります。

川崎重工業への転職がおすすめの理由

川崎重工業への転職がおすすめの理由としては、下記のような理由が挙げられます。

川崎重工業への転職がおすすめの理由#1:
大手企業としてのネームバリューがあるため

川崎重工業への転職がおすすめの理由として、大手企業としてのネームバリューがあるためという点が挙げられます。

川崎重工業は、高年収や安定したキャリアパスが期待できるだけでなく、一般認知度が高く信用性の高い会社です。川崎重工業で働いていることは自身の信用性を大きく高めることにつながります。

信用性が高いことは、高額な住宅ローンを引きやすいなどのメリットにも繋がります。国内で最も有名かつネームバリューのある会社で働くことができるというのが、川崎重工業への転職がおすすめな理由です。

川崎重工業への転職がおすすめの理由#2:
年収が高いため

年収が高いというのも、川崎重工業への転職がおすすめの理由の1つです。

川崎重工業は上場企業のため、有価証券報告書で平均年収が開示されています。有価証券報告書によれば川崎重工業における2024年3月期の平均年収は810万円（平均年齢: 41.3歳）となっています。

年度	平均年収	平均年齢
2024年3月期	810万円	41.3歳
2023年3月期	737万円	40.9歳
2022年3月期	684万円	40.5歳
2021年3月期	699万円	39.4歳
2020年3月期	720万円	39.0歳
2019年3月期	708万円	38.7歳
2018年3月期	707万円	38.4歳

川崎重工業に転職すると、年収が上がるというだけでなく自分自身の市場価値も上がるというメリットがあります。

仮に転職後に合わないと感じても、川崎重工業で数年間働いた経験があれば、転職市場における市場価値は非常に高くなります。

転職活動における幅も広がるため、より高年収企業に転職したり、自分の好きな業界で仕事をすることなどもできるようになります。

川崎重工業への転職がおすすめの理由#3:
働き方改革が進んでいるホワイト企業であるため

働き方改革が進んでいるためというのも、川崎重工業への転職がおすすめの理由の1つです。

川崎重工業は、公式に年間所定外労働時間を発表しています。年間平均残業時間から算出された月間平均残業時間は22.0時間と短い水準であることが分かります。

働き方改革の影響で残業は少なくなっており、プライベートとの調整は非常にしやすくなっている模様です。

年度	年間所定外労働時間 （公式発表）	月間所定外労働時間
2019	295.2時間	24.6時間
2020	206.4時間	17.2時間
2021	261.4時間	21.8時間
2022	272.0時間	22.7時間
2023	263.9時間	22.0時間

川崎重工業は大企業でコンプライアンス意識も高いため、ハラスメントなどもほとんど見られません。ホワイト企業で働きたい人にとって川崎重工業はおすすめの会社となっています。

川崎重工業への転職がおすすめの理由#4:
中途は配属リスクが少ないため

中途は配属リスクが少ないというのも、川崎重工業への転職がおすすめの理由の1つです。

川崎重工業は、事業部によって携わる業務の内容が大きく異なります。特に新卒の場合は、どこに配属されるかが大きな要素となっており、「配属リスク」と呼ばれることもあります。

一方で、川崎重工業の中途採用では最初から特定の部署や職種を前提として採用されることが多いです。即戦力としての採用が前提となるため、応募時に提示された職種・勤務地で働ける可能性が高いと言えます。

そのため、「入社後に希望しない部署に回される」というリスクが少なく、転職先としておすすめされる理由の一つになっています。