日立製作所に転職すると後悔する？後悔する理由と実態を解説

日立製作所は、待遇の良さやネームバリューなど様々な要因によって転職市場で高い人気を誇っていますが、「日立製作所に転職すると後悔する」と言われることもあります。

本ページでは、「日立製作所への転職は後悔する」と言われる理由や実態について解説しています。

日立製作所への転職方法・転職難易度に関しては以下のページで解説しているので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

日立製作所ってどんな会社？

日立製作所は日本の大手IT・電機メーカーです。近年の事業の軸はLumadaと呼ばれるデジタルソリューションであり、このLumadaを軸とした事業戦略を取っています。

大企業ならではの安定した雇用体系が取られているうえ、多くの社員が年収1,000万円に到達できる人気企業となっています。福利厚生も手厚く、ネームバリューも非常に高いので、転職市場ではおすすめの会社です。

日立製作所の転職難易度は？中途採用は厳しい？

結論から言うと、日立製作所は転職市場で人気が高く、転職難易度は高いです。一方で、中途採用に積極的であることから、転職できる可能性は十分にあると言えます。

dodaが発表している「転職人気企業ランキング2025」において、日立製作所はTOP50にランクインしていることから、転職市場における日立製作所の人気は非常に高いと言えます。

一方で、日立製作所が公開している中途採用比率によれば、2024年度の日立製作所における中途採用比率は約47%となっており、日立製作所は中途採用に積極的であることが分かります。採用人数は約700人規模です。

年度	中途採用比率
2021年度	38%
2022年度	48%
2023年度	45%
2024年度	47％

このように、日立製作所は転職市場における人気は高いながら中途採用にも積極的です。募集職種も多岐に渡っているため、職種によっては十分に転職できる可能性があると言えます。

日立製作所への転職は後悔すると言われる理由

転職市場における人気が高く、転職難易度が非常に高いと言われる日立製作所ですが、「日立製作所への転職は後悔する」と言われることがあります。

日立製作所への転職は後悔すると言われる理由#1:
組織の縦割りが強く、意思決定が遅い

組織の縦割りが強く、意思決定が遅いというのが、日立製作所への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

日立製作所は、日本の大企業らしく堅実で慎重な社風です。その代わりに意思決定のプロセスが長く、リスク回避の意識が強い、そして前例を重視する文化が根強いのが特徴です。

項目	詳細
意思決定のプロセスが長い	■ 大企業ならではの合意形成のプロセスが多く、稟議（承認フロー）が厳格 ■ 新しい提案をしても、上層部の承認を得るまでに時間がかかり、スピード感を持って進めるのが難しい
リスク回避の意識が強い	■ グローバル企業として安定経営を重視 ■ リスクを取って新しいことに挑戦する風土は強くない
前例を重視する文化が根強い	■ 過去の成功事例に基づいて判断する文化 ■ 前例のない取り組みには慎重になりがち

こうした文化は、日立製作所の安定した成長を支えている一方で、スピード感を持って新しいことに挑戦したい人にとっては大きな壁になる可能性があります。

これらの要素があるため、転職者にとっては「変化を起こしにくい環境」と感じられることがあり、後悔の理由になり得ます。

日立製作所への転職は後悔すると言われる理由#2:
年功序列でもどかしい思いをする機会が多い

年功序列でもどかしい思いをする機会が多いというのが、日立製作所への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

日立製作所のような日系企業は、依然として年次や社歴を重視する年功序列的な要素が強いです。どれだけ成果を上げても、若手や中途採用者は昇進や重要なポジションを任されるまでに時間がかかることが多いです。

特に、日立製作所のような優良企業は離職率が低く、昇進したくても上層部が詰まっていることからなかなか昇進できないことが珍しくありません。

また、年次によって仕事の役割や裁量が明確に分かれているため、実力があっても年次が浅いと責任のある仕事を任されにくいことがあります。

納得できなくても年次の高い社員の意向に従わざるを得ない場面も多く、自分の能力を十分に発揮できないともどかしさを感じることがあります。

日立製作所は出世して自分で裁量を持てるようになるまでに非常に長い時間がかかります。特に向上心がある方や起業家マインドがある方は、ライフスパンの長さに焦りを感じてしまいやすいです。

日立製作所への転職は後悔すると言われる理由#3:
事業部によって社風や報酬が異なる

事業部によって大きく社風が異なるというのも、日立製作所への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

日立製作所は日本を代表する大企業であり、扱う事業は広範に及んでいます。事業部ごとに取扱う商材が異なるだけでなく、社風や報酬まで変わってきます。

セグメント	事業部
グリーンエナジー&モビリティ	■ グリーンエナジー&モビリティ戦略企画本部 ■ エネルギー事業統括本部 ■ 原子力ビジネスユニット ■ パワーグリッドビジネスユニット ■ 鉄道ビジネスユニット
コネクティブインダストリーズ	■ コネクティブインダストリーズ事業統括本部 ■ ビルシステムビジネスユニット ■ ヘルスケア事業本部 ■ インダストリアルデジタルビジネスユニット ■ 水・環境ビジネスユニット
デジタルシステム&サービス	■ デジタルシステム&サービス統括本部 ■ クラウドサービスプラットフォームビジネスユニット ■ デジタルエンジニアリングビジネスユニット ■ 金融ビジネスユニット ■ 社会ビジネスユニット

たとえば、デジタルシステム&サービスのようなIT・デジタル領域を担う事業部では、SIer的なプロジェクトの進め方が主流であり、顧客の要件に応じたシステム開発や保守・運用業務が中心です。

一方、グリーンエナジー&モビリティのような社会インフラ関連の事業では、長期的なプロジェクトが多く、数年単位で計画が進行します。そのため、安定感がある反面、意思決定のスピードが遅いと感じることもあります。

日立製作所の中途採用では、基本的に希望する部門へ応募するため、意図しない部署に配属されることは少ないです。しかしながら、入社後に実際の業務内容や環境が想定と異なった場合、後悔につながります。

日立製作所への転職は後悔すると言われる理由#4:
激務になるタイミングがある

日立製作所への転職は後悔すると言われる理由として、長時間労働になるタイミングがあるという理由が挙げられます。

日立製作所は全体的に労働時間が短く働きやすいホワイト企業です。しかしながら、タイミングによっては労働時間が長期化することがあります。

こうしたタイミングでは遅くまで残業になることが珍しくありません。長時間労働が続くことで、日立製作所への転職を後悔することがあります。

日立製作所への転職は後悔すると言われる理由#5:
出世争いが熾烈で新卒が優遇されやすい

出世争いが熾烈だというのも、日立製作所への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

日立製作所は高収入で社会的な評価も高い一方、昇進していくためには厳しい競争を勝ち抜く必要があります。幹部候補や管理職を目指す場合、常に結果を出し続けることが求められます。

しかしながら、日立製作所における同僚（競争相手）は、優秀な人が多いです。また、幹部候補の人数が多いために、自分に少しでもマイナス評価があると出世レースから大きく後退してしまいます。

また、日系企業は新卒を優遇する文化が根強いため、同じようなパフォーマンスだと新卒が優先されてしまいます。

このように、日立製作所は高年収を安定して実現できる企業ではあるものの、転職した場合は出世はとてもハードルが高いというのが、日立製作所への転職は「後悔する」と言われる理由の1つです。

日立製作所への転職は後悔すると言われる理由#6:
全国転勤の可能性がある

全国転勤の可能性があるというのも、日立製作所への転職は後悔すると言われる理由の1つです。

事業所や工場、支社が全国に点在している日立製作所では、特に総合職の場合は全国転勤の可能性があります。幅広い経験を積ませるという観点でも、全国転勤の機会は多いです。

転職時には「しばらくは同じ勤務地で働ける」と考えていても、数年後に遠方の拠点へ異動を命じられることがあり、家族の事情やライフプランに影響を及ぼすことがあります。

また、全国転勤のみならず海外駐在の可能性もあり、こうした異動や駐在を望まない人にとっては後悔する要素となります。

日立製作所への転職がおすすめの理由

日立製作所への転職がおすすめの理由としては、下記のような理由が挙げられます。

日立製作所への転職がおすすめの理由#1:
大手企業としてのネームバリューがあるため

日立製作所への転職がおすすめの理由として、大手企業としてのネームバリューがあるためという点が挙げられます。

日立製作所は、高年収や安定したキャリアパスが期待できるだけでなく、一般認知度が高く信用性の高い会社です。日立製作所で働いていることは自身の信用性を大きく高めることにつながります。

信用性が高いことは、高額な住宅ローンを引きやすいなどのメリットにも繋がります。国内で最も有名かつネームバリューのある会社で働くことができるというのが、日立製作所への転職がおすすめな理由です。

日立製作所への転職がおすすめの理由#2:
年収が高いため

年収が高いというのも、日立製作所への転職がおすすめの理由の1つです。

日立製作所は上場会社なので、有価証券報告書で平均年収を開示しています。2025年3月期の有価証券報告書によれば、日立製作所の平均年収は961万円（平均年齢:42.6歳）と高い水準であることが分かります。

額面としての年収だけでなく福利厚生が充実しているというのも、大きなメリットです。

年度	平均年収	平均年齢
2025年3月期	961万円	42.6歳
2024年3月期	936万円	42.9歳
2023年3月期	916万円	42.9歳
2022年3月期	897万円	42.7歳
2021年3月期	890万円	42.6歳
2020年3月期	902万円	42.3歳
2019年3月期	894万円	42.1歳
2018年3月期	872万円	41.7歳

日立製作所に転職すると、年収が上がるというだけでなく自分自身の市場価値も上がるというメリットがあります。

転職後に合わないと感じても、日立製作所で数年間働いた経験があれば、転職市場における市場価値は高くなります。転職活動における幅も広がるため、より高年収企業に転職したり、自分の好きな業界で仕事をできるようになります。

中途で日立製作所に転職した場合の年収は？

中途で日立製作所に転職したいと思っている場合、「自分の年収がどれくらいになるか」というのは誰しもが気になることだと思います。

日立製作所への転職がおすすめの理由#3:
働き方改革が進んでいるため

働き方改革が進んでいるためというのも、日立製作所への転職がおすすめの理由の1つです。

日立製作所は、働き方改革の影響でワークライフバランスが改善されてきています。時短勤務やフレックス勤務、リモートワークも幅広く利用されています。

日立は、多様な財がいきいきと働き成果を発揮できるよう、働き改を推進しています。製作所では、場所や時間に捉われない働きであるタイム＆ロケーションフリーワーク推進の観点から、全従業員の約95%を対象「在宅勤務・サテライトオフィス勤務制度」を導しています。本制度は、定時間の出社義務や実施回数の制限なく利でき、宅やサテライトオフィスのほかに、育児・介護・看護などのために必要な場所や親族の居住地での勤務が可能です。また、管理職や裁量労働勤務適者を対象に会社が認める場合はどこでも勤務できる「スポットリモートワーク」を導しています。

日立製作所 サステナビリティ

日立製作所は大企業でコンプライアンス意識も高いため、ハラスメントなどもほとんど見られなくなってきています。ホワイト企業で働きたい人にとって日立製作所はおすすめの会社です。

日立製作所への転職がおすすめの理由#4:
中途は配属リスクが少ないため

中途は配属リスクが少ないというのも、日立製作所への転職がおすすめの理由の1つです。

日立製作所は、事業部によって携わる業務の内容が大きく異なります。特に新卒の場合は、どこに配属されるかが大きな要素となっており、「配属リスク」と呼ばれることもあります。

一方で、日立製作所の中途採用では最初から特定の部署や職種を前提として採用されることが多いです。即戦力としての採用が前提となるため、応募時に提示された職種・勤務地で働ける可能性が高いと言えます。

そのため、「入社後に希望しない部署に回される」というリスクが少なく、転職先としておすすめされる理由の一つになっています。

日立製作所への転職がおすすめの理由#5:
海外で働く機会が多いため

海外で働くことができるというのも、日立製作所への転職がおすすめの理由の1つです。

日立製作所は、グローバル展開を積極的に進めている企業であり、海外勤務のチャンスが豊富にあります。特に、北米、欧州、アジア圏などに拠点を持ち、現地法人やプロジェクトベースでの駐在・出張の機会が多いのが特徴です。

日立製作所は、近年海外M&Aを通じて現地企業を取り込み、グローバル市場での存在感を高めているため、海外ビジネスの拡大に伴い、英語を活かせるポジションや、現地法人のマネジメント層として活躍できる機会も増加しています。

また、海外駐在では海外でビジネスの経験を積むことができるだけでなく、駐在手当で大きく年収が上がるという点が魅力となっています。