中途採用で不動産デベロッパーに転職！転職難易度は？やめとけ？

不動産デベロッパーは、待遇の良さやネームバリューなど様々な要因によって転職市場で高い人気を誇っています。

本ページでは、不動産デベロッパーの転職難易度や「不動産デベロッパーへの転職はやめとけ」と言われる理由、不動産デベロッパーへの転職方法など、不動産デベロッパーの転職に関して網羅的に解説しています。

不動産デベロッパーとは？どんな会社がある？

不動産デベロッパーは、土地の取得・開発・販売・管理までを一貫して手掛ける企業や事業者です。都市開発や大規模な商業施設・マンション・オフィスビルなどの開発プロジェクトを主導する役割を担います。

デベロッパーは、大きく分けると総合デベロッパーと専門デベロッパー、公的デベロッパーに分かれます。

種類	詳細
総合デベロッパー	■ オフィスビル・商業施設・マンション・物流施設など、幅広い不動産開発に従事 ■ 都市開発や再開発など、数十年単位の大規模事業を推進 企業例: 三菱地所、三井不動産、野村不動産、住友不動産、ヒューリックなど
専門デベロッパー	■ マンション・商業施設・物流施設・ホテルなど、特定の用途に集中して開発 ■ デベロッパーによって得意な領域は異なる マンションデベロッパー: 三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャルなど 商業施設デベロッパー: イオンモール、三井不動産商業マネジメントなど ホテルデベロッパー: 森トラスト、共立メンテナンスなど
公的デベロッパー	■ 国や自治体などの公的機関が出資・運営 ■ 都市再開発や公共施設の整備、住宅供給などを目的。民間デベロッパーと異なり、営利目的ではなく公共性を重視 組織例: 都市再生機構（UR都市機構）、地方住宅供給公社など

不動産デベロッパーにおける職種・仕事内容

不動産デベロッパーには、多岐にわたる職種があります。転職する際は、自分に合った職種の選考を受けることが重要です。

職種	詳細
用地仕入れ （不動産仕入れ）	仕事内容：開発用の土地を探し、地権者や不動産会社と交渉し、取得する仕事 求められるスキル：交渉力、マーケット分析力、不動産の法律知識 特徴：利益を生み出す最重要ポジションであり、成果が給与に直結しやすい
事業企画・開発	仕事内容：仕入れた土地の活用方法を検討し、プロジェクトの計画を立案 求められるスキル：市場調査、企画立案力、官公庁との折衝経験 特徴：都市開発や商業施設の開発に関わることができる
設計・施工管理	仕事内容：建築設計事務所やゼネコンと協力し、建物の設計・施工を管理 求められるスキル：建築・土木の専門知識、プロジェクトマネジメント力 特徴：開発案件の品質・コスト・納期を管理し、円滑な進行を担う
テナントリーシング （商業施設・オフィスビル営業）	仕事内容：商業施設やオフィスビルのテナント誘致・賃貸契約の締結 求められるスキル：法人営業力、不動産市場の理解、契約交渉力 特徴：商業施設やオフィスの成功に直結する重要な業務
販売・マーケティング （マンション・住宅系）	仕事内容：マンションや戸建て住宅の販売戦略立案、広告・PR活動を担当 求められるスキル：マーケティング知識、顧客対応スキル、不動産営業経験 特徴：直接エンドユーザーと関わる機会が多い
資産運用・管理	仕事内容：開発した不動産の管理・運営を行い、資産価値を最大化 求められるスキル：不動産ファイナンス、契約管理、賃貸市場の知識 特徴：収益最大化の戦略を立て、継続的な収益を生み出す役割
法務・リスク管理	仕事内容：契約書の作成・確認、各種法規制のチェック、リスク管理 求められるスキル：不動産関連の法律知識、契約書作成経験 特徴：法律リスクを回避し、円滑なプロジェクト進行を支える
ファイナンス	仕事内容：開発資金の調達、銀行対応、投資家対応 求められるスキル：財務・金融知識、分析力、折衝スキル 特徴：デベロッパーの資金調達や事業成長に関わる重要なポジション

不動産デベロッパー各社の中途採用比率・転職難易度は？

不動産デベロッパーは、待遇の良さや働きやすさ、ネームバリューなどによって転職市場における人気は非常に高く、転職するのは非常に難しいと言われています。

一方で、不動産デベロッパーは業容の拡大に伴って中途採用を拡大している会社が多いです。三菱地所や三井不動産などにおいても中途採用比率が約5割となっています。

不動産デベロッパー	中途採用比率
三菱地所	46.2%
三井不動産	45％
住友不動産	93.0%
野村不動産	60.9%
ヒューリック	64.7%
森ビル	66.1%
東急不動産	25.0%

不動産デベロッパーは、近年成長が著しく業界全体的に中途採用人数に対して積極的です。引き続き転職難易度は高いものの、以前と比較すると中途採用の門戸は広くなってきています。

不動産デベロッパーへの転職は難しいと言われる理由

不動産デベロッパーは転職難易度が高いと言われています。具体的にどのような理由で「不動産デベロッパーへの転職は難しい」と言われるのでしょうか。

不動産デベロッパーへの転職は難しいと言われる理由#1:
待遇やネームバリューによって人気が高い

不動産デベロッパーへの転職は難しいと言われる理由の1つとして、待遇やネームバリューによって人気が高いという点が挙げられます。

不動産デベロッパーは、高い年収やネームバリューによって転職市場における人気が非常に高いです。

転職市場における人気が高いことは、中途採用の選考を受ける人の多さに直結するため、転職難易度は高くなります。

不動産デベロッパーへの転職は難しいと言われる理由#2:
離職率が低いため中途採用枠が少ない

不動産デベロッパーへの転職は難しいと言われる理由として、離職率が低いため中途採用枠が少ないという点が挙げられます。

待遇が良いこと、ネームバリューがあること、働きやすい環境であることなどを理由に、不動産デベロッパーは離職率が低い会社が多いです。

不動産デベロッパー	離職率
三菱地所	0.7%
三井不動産	0.9％
野村不動産	4.3%
ヒューリック	4.0%
森ビル	2.1%
東京建物	3.5%

企業が中途採用を行う大きな理由として、新卒採用者の離職に伴う穴埋めという理由が挙げられます。そもそも離職する人が少ないと中途採用枠が少なくなりやすいです。

しかしながら、近年は不動産デベロッパーの規模拡大に伴って、離職率は依然として低いままながら中途採用人数が増えています。したがって、以前よりも不動産デベロッパーの転職難易度は下がってきています。

不動産デベロッパーへの転職は難しいと言われる理由#3:
求められる水準が高い

求められる水準が高いというのも、不動産デベロッパーへの転職は難しいと言われる理由の1つです。

不動産デベロッパーは転職市場における人気が高いために選考を受ける人が多いです。しかしながら、中途採用枠が少ないため、数少ない椅子を多くの求職者が争うことになります。

選考側は多くの求職者から選ぶことができるため、求職者に求められる水準が上がります。結果的に、選考で求められるスキルのレベルが上がります。

また、そもそも不動産デベロッパーは求められるスキルの高い業界です。人を巻き込むコミュニケーション能力や、グローバルな視座、言語力などが高いレベルで求められる業界であるため、転職難易度は高くなります。

不動産デベロッパーへ転職する人が多い業界

不動産デベロッパーへ転職する人が多い業界としては、下記のような業界が挙げられます。一方で、こうした業界に限らず、不動産デベロッパーへの転職は可能です。

業界	採用理由
デベロッパー	同業他社での経験は直接活きる
不動産仲介	売買・賃貸の仲介経験を活かし、開発業務へキャリアアップ
ゼネコン	施工管理や設計の知識を活かし、開発の上流工程へ転職
設計事務所	建築設計の経験を活かし、開発プロジェクト全体に関与
銀行・証券	融資やプロジェクトファイナンス、財務に関する知識を活用
コンサルティング	コンサルティング経験が開発計画や投資戦略の立案経験に活きる
商社	資金調達や事業推進の経験を活かすことができる
テレビ局（放送・メディア業界）	営業力やコミュニケーションスキル、企画力が活きる
広告業界	マーケティングスキル、法人営業、企画力が施設のPR活動などに活きる
法人営業	交渉力や市場の分析力、コミュニケーション能力が活用できる

不動産デベロッパーへの転職に向いている人の特徴

不動産デベロッパーへの転職に向いている人の特徴としては、下記のような特徴が挙げられます。

不動産デベロッパーへの転職に向いている人の特徴#1:
高いコミュニケーション能力がある人

不動産デベロッパーへの転職に向いている人の特徴として、高いコミュニケーション能力があるという点が挙げられます。

不動産デベロッパーは、プロジェクトの規模が大きく、関わる人の数も非常に多いです。多くの関係者を巻き込みながらプロジェクトを進める必要があるため、高いコミュニケーション能力が必要となります。

不動産デベロッパーへの転職に向いている人の特徴#2:
専門的なスキルがある人

専門的なスキルがあるというのも、不動産デベロッパーへの転職に向いている人の特徴の1つです。

幅広いビジネスを展開している不動産デベロッパーでは、様々な専門性が求められます。金融に関する知識や商材に関する知識など、専門性の高い知識を持っている人は不動産デベロッパーでも重宝されると言えます。

また、専門的なスキルに加えて資格がある人なども、不動産デベロッパーへの転職に向いていると言えます。

不動産デベロッパーへの転職に向いている人・求められる人の特徴#3:
街づくりや都市開発に興味がある人

街づくりや都市開発に興味があるというのも、不動産デベロッパーへの転職に向いている人の特徴の1つです。

不動産デベロッパーの仕事は、単なる建物の開発ではなく、街全体の価値を高めるプロジェクトがメインです。したがって、街づくりや都市開発への関心が重要となります。

例えば、「どのような建物を作れば地域の活性化につながるか」「どのテナントを誘致すればエリアの魅力が向上するか」といった視点が求められます。

また、再開発プロジェクトでは、住民や行政との調整を行いながら、地域に適した開発を進める役割も担います。

こうした業務では、不動産そのもののみならず街づくり・都市開発といったことに対する興味が非常に重要となります。

不動産デベロッパーへの転職に向いている人・求められる人の特徴#4:
地道な作業を厭わずできる人

地道な作業を厭わずできる人も、不動産デベロッパーへの転職に向いている人の特徴の1つです。

不動産デベロッパーは派手なイメージを持たれがちですが、地道な作業も非常に多いです。しかしながら、こうした地道な作業をミスなくこなすことは不動産デベロッパーにおいて非常に重要です。

地道な作業も厭わずできるということは、不動産デベロッパーにおいて高く評価されるスキルとなっています。

不動産デベロッパーが転職先としておすすめな理由

不動産デベロッパーが転職先として人気な理由としては、下記のような理由が挙げられます。

不動産デベロッパーが転職先としておすすめな理由#1:
ネームバリューがあるため

不動産デベロッパーが転職先として人気な理由として、ネームバリューがあるという点が挙げられます。

不動産デベロッパーは、高年収や安定したキャリアパスが期待できるだけでなく、一般認知度が高く信用性の高い業界です。不動産デベロッパーで働いていることは自身の信用性を大きく高めることにつながります。

信用性が高いことは、高額な住宅ローンを引きやすいなどのメリットにも繋がります。こうしたネームバリューが、不動産デベロッパーの転職市場における高い人気に繋がっています。

不動産デベロッパーが転職先としておすすめな理由#2:
年収が高いため

年収が高いというのも、不動産デベロッパーが転職先として人気な理由の1つです。

不動産デベロッパーは、全体的に年収の高い業界です。たとえば三井不動産や三菱地所をはじめとした大手の不動産デベロッパーは、年収が1,000万円を超えています。他の不動産デベロッパーの年収も非常に高い水準です。

企業	平均年収	出所
三井不動産	1,289万円	24年3月期決算
三菱地所	1,273万円	24年3月期決算
東急不動産	1,113万円	24年3月期決算
野村不動産	1,091万円	24年3月期決算
東京建物	1,024万円	23年12月期決算
森ビル	956万円	24年3月期決算
NTT都市開発	920万円	19年3月期決算
住友不動産	731万円	24年3月期決算

不動産デベロッパーに転職すると高い年収を期待できることが、不動産デベロッパーへの転職人気が高い理由となっています。

不動産デベロッパーが転職先としておすすめな理由#3:
残業時間がそれほど長くないホワイト企業であるため

残業時間がそれほど長くないホワイト企業であるというのも、不動産デベロッパーが転職先として人気な理由の1つです。

不動産デベロッパーは、年収が高いながら残業時間はそれほど長くありません。不動産デベロッパーの平均残業時間は10-30時間程度となっており、年収水準を踏まえると残業時間は短いということが分かります。

不動産デベロッパー	月間平均残業時間
三菱地所	33.4時間
三井不動産	8.0時間
住友不動産	28.0時間
野村不動産	8.7時間
ヒューリック	29.3時間
森ビル	28.3時間
東急不動産	24.0時間
東京建物	26.0時間

不動産デベロッパーはコンプライアンス意識も高く、パワハラやセクハラなどのハラスメントに対して敏感であるということもメリットとなっています。

未経験で不動産デベロッパーに転職するには？

不動産デベロッパーは高いスキル・経験を求める業界です。したがって、正社員経験が全くない未経験者の場合、残念ながら転職するのは非常に難しいです。

一方で、不動産業界未経験だが正社員を経験している場合は、不動産デベロッパーへの転職も可能です。

未経験で不動産デベロッパーに転職する方法#1:
非大手のデベロッパーに転職する

非大手のデベロッパーに転職するというのが、不動産デベロッパーに転職する方法の1つです。

三井不動産や三菱地所、森ビルをはじめとした大手不動産デベロッパーは、転職市場における人気が非常に高く、中途採用のハードルは高いです。不動産業界経験者でも、転職は容易ではありません。

一方で、大手と比較すると中小の不動産デベロッパーは採用基準・ハードルが下がります。未経験で不動産デベロッパーへの転職を目指す場合は、大手のみならず幅広い不動産デベロッパーの選考を受けるのが大事です。

未経験で不動産デベロッパーに転職する方法#2:
資格を取得する

資格を取得するというのも、未経験で不動産デベロッパーに転職する方法の1つです。

資格取得を通じて、業界で必要な基本的な知識を身につけることができます。また、他の求職者と差別化を図ることができるため、選考を有利に進めることができます。

未経験者の場合、資格を取得していることは業界の知識を持っていることや学習意欲があることを示す大きなアピールポイントとなります。

未経験で不動産デベロッパーに転職する方法#3:
未経験歓迎の採用枠を狙う

未経験歓迎の採用枠を狙うというのも、未経験で不動産デベロッパーに転職する方法の1つです。

近年は、離職者の増加や更なる業容の拡大のために、第二新卒など未経験者を採用する会社が増えてきています。たとえば、三井不動産や森ビルなど大手の不動産デベロッパーも、前職の職種に関係なく採用を拡大しています。

大手であっても、未経験者歓迎の採用枠であれば、前職の経験など関係なく転職することができます。

ただし、不動産デベロッパーにおける未経験者採用枠は人気が高く応募する人が多いため、選考の倍率が高いという点には注意が必要です。

また、未経験者歓迎の採用枠であっても、正社員経験がない場合は残念ながら転職は難しいです。

中途採用で不動産デベロッパーに転職する方法

中途採用で不動産デベロッパーに転職するためには、下記のような方法があります。

中途採用で不動産デベロッパーに転職する方法#1:
公式ページからの応募

不動産デベロッパーに転職する方法として、公式ページからの直接応募が挙げられます。

不動産デベロッパーは、公式の中途応募ページから応募することで中途の選考を受けることができます。

最もオーソドックスな方法ですが、転職エージェントなどの第三者によるサポートはなく、自分で選考を進めていく必要がある点に注意が必要です。

中途採用で不動産デベロッパーに転職する方法#2:
在籍社員によるリファラル

不動産デベロッパーに転職する方法として、在籍社員によるリファラル（推薦）も挙げられます。

リファラルは在籍している社員に推薦してもらうことで選考に進むことができるという制度です。在籍社員による推薦のため一次面接には進むことが出来たり、転職後のミスマッチが少ないというメリットがあります。

しかしながら、必ずしもリファラルを採用している企業ばかりではないことや、転職エージェントなどのサポートを受けることができないという点には注意が必要です。

中途採用で不動産デベロッパーに転職する方法#3:
転職エージェント

不動産デベロッパーへ転職するためには、転職エージェントを活用するというのも選択肢の1つです。

転職エージェント経由で選考を受けると、書類添削、模擬面接、更に内定後の条件交渉まで、求職者のサポートをしてくれます。

書類選考や面接においては、第三者による添削や練習・フィードバックがあることによって圧倒的に合格率を改善することができます。

また、選考対策だけでなく、転職エージェントは面接官に関する情報や、どのような質問が実際に面接で行われたか、どの部門での採用が積極的かなど、外部からは正確に分からない情報についても豊富に持っています。

不動産デベロッパーは転職市場における人気が非常に高く、中途採用のハードルも高いです。転職エージェントを活用することで、選考を有利に進めることができるというのが大きなメリットです。

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由

転職市場における人気が高く、転職難易度が非常に高いと言われる不動産デベロッパーですが、「不動産デベロッパーへの転職はやめとけ」と言われることがあります。

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由#1:
激務になるタイミングがある

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由として、長時間労働になるタイミングがあるという理由が挙げられます。

不動産デベロッパーは全体的に労働時間が短く働きやすいホワイト企業です。しかしながら、タイミングによっては労働時間が長期化することがあります。

こうしたタイミングでは日付を超える時間まで残業になることが珍しくありません。長時間労働が続くことで、不動産デベロッパーへの転職を後悔することがあります。

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由#2:
求められる水準が高い

求められる水準が高いというのも、不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由の1つです。

不動産デベロッパーで携わるようなプロジェクトは規模が非常に大きく、関わっている人の数も膨大です。多くの人たちを巻き込んで仕事をする能力や、異文化に溶け込む能力、また問題解決能力など様々なスキルを求められます。

不動産デベロッパーにおける高い年収は、高いスキルに対する報酬です。求められる水準が高すぎると感じ、不動産デベロッパーに転職したことを後悔してしまう人は少なくありません。

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由#3:
出世争いが熾烈

出世争いが熾烈だというのも、不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由の1つです。

不動産デベロッパーは高収入で社会的な評価も高い一方、昇進していくためには厳しい競争を勝ち抜く必要があります。幹部候補や管理職を目指す場合、常に結果を出し続けることが求められます。

しかしながら、不動産デベロッパーにおける同僚（競争相手）は、優秀な人が多いです。また、幹部候補の人数が多いために、自分に少しでもマイナス評価があると出世レースから大きく後退してしまいます。

このように、不動産デベロッパーは高年収を安定して実現できる業界ではあるものの、出世はとてもハードルが高いというのが、不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由の1つです。

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由#4:
新卒が有利とされる

新卒が有利とされるというのも、不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由の1つです。

不動産デベロッパーでは、新卒採用を非常に重視する風潮があり、新卒入社者を長期的に育成しながら幹部候補としてのキャリアパスを形成する文化が根付いています。

また、不動産デベロッパーでは社内ネットワークや人脈が役立つ機会が多々あるため、新卒から社内での経験を積んできた社員の方が、人脈や社内での信頼関係を築きやすく、重要なポジションに就きやすい傾向があります。

こうした理由により、不動産デベロッパーでは一般的に新卒採用者の方が昇進しやすいとされています。特に役員クラスの場合は新卒採用ばかりということも珍しくありません。

ただし、近年は不動産デベロッパーにおける中途採用が積極化しています。今後は新卒のみならず中途採用であっても重要な役職に昇進できる文化に変わっていく可能性が高いです。

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由#5:
思っていた仕事と異なる

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由として、思っていた仕事と異なるという点が挙げられます。

不動産デベロッパーは巨大な組織です。部署や職種によって大きく仕事が異なるため、自身の期待・希望と実際の仕事にミスマッチが起きることが少なくありません。

不動産デベロッパーに中途採用で転職した場合、簡単には異動できないことが多いです。自分に合わない仕事に携わらなくてはいけないことが、不動産デベロッパーへの転職を後悔する理由の一因となっています。

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由#6:
年功序列でもどかしい思いをする機会が多い

年功序列でもどかしい思いをする機会が多いというのも、不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由の1つです。

不動産デベロッパーの多くは、依然として年次や社歴を重視する年功序列的な要素が強いです。どれだけ成果を上げても、若手や中途採用者は昇進や重要なポジションを任されるまでに時間がかかることが多いです。

また、年次によって仕事の役割や裁量が明確に分かれているため、実力があっても年次が浅いと責任のある仕事を任されにくいことがあります。

年次の高い社員の意向に従わざるを得ない場面も多く、自分の能力を十分に発揮できないともどかしさを感じることがあります。

不動産デベロッパーは出世して自分で裁量を持てるようになるまでに非常に長い時間がかかります。特に向上心がある方や起業家マインドがある方は、ライフスパンの長さに焦りを感じてしまいやすいです。

不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由#7:
人間関係に悩むことがある

人間関係に悩むことがあるというのも、不動産デベロッパーへの転職は「やめとけ」と言われる理由の1つです。

不動産デベロッパーはプロジェクトの規模が大きく、関わるメンバーや関係者の数も多いです。特に悩みが生まれやすいのが社内の人間関係で、上司やチームメンバーと相性が合わなければ、悩みを抱えやすい傾向にあります。

不動産デベロッパーは、会社だけでなく部門などによっても大きくカルチャーは異なってきます。上下関係の厳しさやウェットな人間関係に悩みを抱えてしまう人も少なくありません。

転職先として人気の高い不動産デベロッパー一覧

三井不動産株式会社は、1941年に設立された日本の総合不動産会社で、本社は東京都中央区に位置しています。

オフィスビル、商業施設、住宅開発、ホテル、物流施設、リゾート開発など、多岐にわたる不動産事業を展開し、日本を代表するデベロッパーの一つとして知られています。

東京ミッドタウンや日本橋再開発などの大規模都市開発、三井ショッピングパーク「ららぽーと」や「三井アウトレットパーク」などの商業施設の開発・運営のほか、高級マンションブランドの運営なども行っています。

三菱地所株式会社は、1937年に設立された日本の総合不動産会社で、本社は東京都千代田区に位置しています。

三井不動産と同様、オフィスビル開発、商業施設、住宅、ホテル・リゾート、物流施設、都市開発などの幅広い不動産事業を展開し、日本を代表するデベロッパーの一つとして知られています。

主力事業は、丸の内エリアの大規模再開発をはじめとするオフィスビル開発・運営、商業施設「丸ビル」「新丸ビル」などの管理、分譲マンションブランド「ザ・パークハウス」シリーズの開発、ホテル・リゾート事業などです。

森ビル株式会社は、1959年に設立された日本の総合不動産デベロッパーで、本社は東京都港区に位置しています。

東京都港区を中心に、高級オフィスビルや商業施設、住宅、ホテルなどの開発・運営を手掛け、都市再開発を中心とした「まちづくり」に強みを持つ企業です。

主力事業には、六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズなどの大規模都市開発プロジェクトがあり、商業施設、オフィス、住宅、文化施設を一体化した「ヒルズ」シリーズが特徴です。

また、高級賃貸住宅「アークヒルズ仙石山レジデンス」や「虎ノ門ヒルズレジデンス」など、ラグジュアリーな住宅開発にも注力しています。

野村不動産株式会社は、1957年に設立された日本の総合不動産会社で、本社は東京都新宿区に位置しています。

オフィスビル・商業施設の開発・運営、分譲マンション・戸建住宅の開発、不動産投資・資産運用、都市再開発など、多岐にわたる不動産事業を展開しています。

主力事業には、分譲マンション「プラウド」シリーズ、オフィスビル「PMO（Premium Midsize Office）」シリーズ、商業施設開発、物流施設「Landport」シリーズなどがあります。

住友不動産株式会社は、1949年に設立された日本の総合不動産会社で、本社は東京都新宿区に位置しています。

主力事業には、オフィスビルの開発・賃貸事業があり、東京都心を中心に高層ビルや複合施設を多数運営しています。

また、分譲マンション「シティタワー」「シティハウス」シリーズ、戸建住宅「J・アーバン」シリーズなど、住宅分譲・開発事業にも注力しています。

さらに、「新築そっくりさん」ブランドによる住宅リフォーム事業も展開し、幅広い顧客ニーズに応えています。

ヒューリック株式会社は、1957年に設立された日本の総合不動産会社で、本社は東京都中央区に位置しています。

オフィスビルや商業施設、ホテル、賃貸住宅の開発・運営を中心に事業を展開し、安定した収益基盤を持つ不動産デベロッパーとして知られています。

主力事業には、都心のオフィスビル開発・賃貸があり、特に東京23区の主要ビジネスエリアに多くの物件を所有・運営しています。

また、商業施設やホテル、サービス付き高齢者向け住宅の開発にも注力し、不動産資産の多角化を図っています。

東急不動産株式会社は、1953年に設立された日本の総合不動産会社で、本社は東京都渋谷区に位置しています。

オフィスビル・商業施設の開発・運営、住宅開発、リゾート事業、不動産投資・資産運用など、幅広い不動産事業を展開しています。

主力事業には、都市開発・再開発を中心としたオフィスビルや商業施設の開発・運営があり、代表的なプロジェクトには「渋谷ソラスタ」や「南町田グランベリーパーク」などがあります。

また、分譲マンションブランド「BRANZ（ブランズ）」シリーズや賃貸住宅事業も手掛け、住まいの提供にも注力しています。