ボーナス前に退職するともったいない？ボーナスを貰い退職する方法

「ボーナス前に退職するとボーナスを貰うことができないのでは」と心配し、ボーナス前に退職するか、ボーナス後に退職するかを迷っている人も少なくないはずです。

「ボーナス前に退職するともったいないと言われる理由」「ボーナスを貰い円満に退職するためにやるべきこと」「ボーナスを貰い退職する際の注意点」などボーナスで損することなく、退職する方法について網羅的に解説しているので参考にしてください。

ボーナスと退職についてよくある質問と回答

退職を理由にボーナスが支払われないことがある？

基本的に退職予定であっても企業の「支給日在籍要件」に当てはまっている場合はボーナスの支払いは行われることが原則です。

しかし、就業規則に規定があり、退職予定の場合は減給になる可能性もあります。ボーナスの規則は企業によって異なるため就業規則で確認してみてください。

退職後ボーナスを請求することはできる？

退職後であっても支払いを行うことが定められている場合であれば請求することもできます。企業の定める規定により異なるため一度確認してみることをおすすめします。

有給消化中でも在籍日として認められる？

有給消化中であっても企業には籍が存在しているため、在籍日数に含まれます。しかし、ボーナスの規定は企業によって異なり、支給はあるものの、「有給消化中のため減額」といったことになる可能性もあります。

そのため、規定の確認をし退職までのスケジュール管理をしておくことが重要になります。

ボーナスをもらって退職する最適なタイミングはいつ？

一般的な六月と十二月の二回のボーナスの場合でボーナスをもらって退職する最適なタイミングは下記の通りです。

	退職の申し出の目安	退職日の目安
6月ボーナス	6月-7月	7月
12月ボーナス	12月	1月

退職一か月前までに申し出ることが決められている企業がほとんどです。また、転職先のボーナスに影響を少なくするためには、ボーナスを貰いその月に退職の申請を行うのが良いと言えます。

しかし、ボーナス支給直後の退職となると、貰い逃げといった印象もついてしまう可能性があるため、ボーナス支給後二週間以上たってからが良いと言えます。

そもそもボーナスとは

ボーナスとは、毎月の給与とは別に支給される報酬のことで、国税庁では「定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するもの」と定義されています。

法律による定めはないものの、ボーナス制度を設ける場合は「就業規則」、「労働契約」、「労働協約」などで支給条件を明記する必要があります。

また、ボーナスは企業活動で得た利益を従業員に還元することが目的と言われており、夏季と冬季の年2回支給されるのが一般的となっています。

ボーナスを貰う前でも退職した方がいいケース

ボーナスを貰う前でも退職した方がいいケースも存在します。ボーナスを貰う前でも退職した方がいいケースは下記の通りです。

ボーナスを貰う前でも退職した方がいいケース#1:
働き続けることがストレスになっている

ボーナスを貰う前でも退職した方がいいケースとして、働き続けることがストレスになっている場合です。

自分に合わない仕事を続けると、ストレスが溜まり精神的不調に陥りやすくなります。

また、モチベーションの低下も起こってきます。モチベーションが低い状態では仕事への興味や情熱が湧かず、毎日が単調で退屈に感じられるようになります。

さらに、新しいスキルを習得する意欲も低下します。自己成長のチャンスがあっても、それを活かすエネルギーも湧かないといった状態になります。

スキルが身に付かないまま合わない仕事を続けてしまうことで時間だけが経ってしまい、いざ転職しようと思っても自身の能力・スキルが不足している結果転職活動もうまくいかないということになり得ます。

なお、下記の記事で仕事が合わないサインについて詳しく説明しています。

ボーナスを貰う前でも退職した方がいいケース#2:
職場でのいじめやパワハラを受けている

ボーナスを貰う前でも退職した方がいいケースとして、職場でいじめやパワハラを受けている場合もあげられます。

職場でのいじめやハラスメントは、仕事の満足度を低下させるだけでなく、自身の健康にも深刻な害を及ぼしてしまいます。

いじめやハラスメントを個人の力で改善することは難しく、企業側の改善を待つことしかできません。しかし、いじめやハラスメントが蔓延している状態であれば、それらの改善を期待することも難しいと言えます。

そのため、特に自分が不当なハラスメントやいじめを受けており、改善も見込めない場合はボーナスを貰う前であっても退職した方が良いでしょう。

ボーナスを貰う前でも退職した方がいいケース#3:
退職後でもボーナスが支給される企業に勤めている

ボーナスを貰う前であっても退職した方がいいケースとして、退職後であってもボーナスが支給される企業に勤めている場合です。

企業によって異なりますが、「支給日在籍要件」が定められていない企業で、査定期間に在籍していれば退職後にボーナスを受け取ることができます。査定期間内に退職した場合には満額貰うことは難しいですが、在籍していた期間分だけ請求することは可能です。

退職後であってもボーナスを受け取ることのできる企業であれば、ボーナスのために合わない会社で無理して働き続ける必要もないため退職した方が良いと言えます。

ボーナスを貰う前でも退職した方がいいケース#4:
ボーナス自体が低い企業に勤めている

ボーナスなどの待遇が悪い企業に勤めている場合は、ボーナスを貰う前であっても退職した方が良いと言えます。

ボーナスは法律による定めはなく、企業ごとによって規則や金額すべて異なります。ボーナスが少なくなる理由として下記の様な点が挙げられます。

決められた支給額の少ない企業や、自分自身でどれだけ成果を上げていたとしても正当な評価がなされなければ、今後のボーナスアップを目指すこともできません。

また、業績の悪化している企業では、社員へのボーナスの資金が用意できないだけではなく、働き続けたとしても将来的に倒産してしまう可能性も十分に考えられます。

そのため、極端にボーナス支給額の少ない企業の場合には、転職を行い次の職場でのボーナスの方が高くなる可能性もあるため、ボーナスを貰う前であっても早めに退職した方が良いと言えます。

ボーナス前に退職するともったいないと言われる理由

ボーナス前に退職するともったいないと言われる理由は下記の通りです。

ボーナス前に退職するともったいないと言われる理由#1:
就業規則次第ではボーナスが支給されない場合がある

ボーナス前に退職するともったいないと言われる理由として、就業規則次第ではボーナスが支給されない場合があるためです。

就業規則の中で支給日在籍要件が設けられていない会社であれば、ボーナスの対象期間に在籍していれば、退職した後であってもボーナスを受け取ることは可能です。

しかし、企業が支給日在籍要件を定めている状態で、ボーナス支給日前に退職している場合にはボーナスを受け取ることができません。そのため、ボーナス支給日前に退職を検討している人は、就業規則で支給日在籍要件の有無を事前に確認しておくことが大切です。

ボーナス前に退職するともったいないと言われる理由#2:
退職予定者はボーナスが減額されることがある

支給日在籍要件のある企業ではボーナス支給日に在籍していればボーナスを受け取ることは可能ですが、将来的に退職が決まっている場合はボーナスが減額されることがあります。

企業はボーナスを社員に支払うことで、仕事のモチベーションアップを図り、将来的な会社への貢献を期待しています。また、ボーナス支給額も査定期間の業務実績や出勤率に加え、将来への期待値が金額に反映されています。

しかし、退職の決まっている人では、企業への貢献や将来性を期待することはできません。そのため、退職予定者に対して、「減額」や「ボーナスの支給なし」といった条件を定めている企業も存在します。

ボーナス支給前に退職を決め、伝えてしまうと、ボーナス支給日に在籍したとしても減額されたり、支給されないといったことになり得ます。

退職予定者についても就業規則内に定められているため、辞めることを決めている人は確認しておくことが重要になってきます。

ボーナスを貰ってから円満に退職するためにやるべきこと

これまで、ボーナス前に退職するともったいないと言われる理由についてご説明してきました。次に、ボーナスを貰ってから円満に退職するためにやるべきことについてご説明します。

ボーナスを貰ってから円満に退職するためにやるべきことは下記の通りです。

ボーナスを貰ってから円満に退職するためにやるべきこと#1:
ボーナスに関する規定を確認する

ボーナスを貰ってから円満に退職するためにやるべきことして、ボーナスに関する規定をしっかりと確認することが挙げられます。

ボーナスに関する規定を確認することで、「いつボーナスが支給されるのか」「退職してもボーナスを貰うことができるのか」など知ることができ、退職はできたけどボーナスがもらえなかったなどの問題が起きてしまうことを防ぐことができます。

ボーナスに関する規定は企業によって異なるため、退職前にしっかりと確認しておくことが大切です。確認するべき点は下記の通りです。

特に、支払日在籍要件の有無によって退職のタイミングも変わってくるため十分しておくことが必要です。

ボーナスを貰ってから円満に退職するためにやるべきこと#2:
ボーナス支給後に退職を伝える

ボーナスを貰い円満に退職するためにやるべきこととして、ボーナス支給後に退職を伝えることが挙げられます。

企業は退職予定者に対してボーナスの「一切の支給なし」や「減額」といった条件を定めている場合があります。ボーナス支給前に退職を伝えてしまうと自分の思っていた金額がもらえないといったことになる可能性も出てきてしまいます。

また、ボーナスは査定や企業の経営状態によっても変化するため、退職の意思表示で減額されていたとしても不服申し立てすることが難しいと言えます。

そのため、ボーナスを貰い退職するためには、ボーナス支給後に退職の意思を伝えるということが重要になります。

ボーナスを貰ってから円満に退職するためにやるべきこと#3:
引継ぎ期間を考慮する

ボーナスを貰ってから円満に退職するためにやるべきこととして、引継ぎ期間を考慮することが挙げられます。

法律上では、退職の意思表示から二週間後に退職となります。そのため、退職を伝えてあれば、ボーナス受け取り後すぐの退職であっても問題ありません。

しかし、他の社員への引継ぎを行うことなく退職してしまうと、非常に多くの人に迷惑が掛かってしまいます。

また、引継ぎを二週間で行うことは難しい場合もあり、残った人に迷惑をかけることなく円満に退職するためには十分に引継ぎの期間を確保することが重要になります。

自分自身で退職のタイミングがわからないと感じる人は転職エージェントの活用もおすすめです。転職エージェントでは退職交渉だけでなく退職のタイミングについてなど様々な相談に乗ってもらうことができます。

ボーナスを貰ってから退職する際の注意点

ボーナスを貰ってから退職する際の注意点についてご説明します。ボーナスを貰い退職する際の注意点は下記の通りです。

ボーナスを貰ってから退職する際の注意点#1:
退職の話は家族や親しい友人に留めて、社内ではできる限り内緒にする

ボーナスを貰ってから退職する際には、退職の話をする相手を家族や親しい友人に限定して、職場では秘密にすることが賢明です。

社内で退職の意志が広まると、ボーナスの査定に影響が出たり、現在の職場での立場や人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。また、職務における責任や機会が減少するリスクも考えられます。

退職の意思を秘密にすることは、新しい職場が決まるまで現職を安定して続けるためにも重要になります。職場でのプロフェッショナリズムを維持しながら、退職の準備を進めることは、スムーズなキャリア移行において不可欠と言えます。

ボーナスを貰ってから退職する際の注意点#2:
転職先の企業の支給額を加味して考える

ボーナスを貰ってから退職する際の注意点として、転職先の企業の支給額を加味して考えることが必要です。

ボーナスの支給額は、企業によっても異なりますが支給月の過去六か月間が査定期間に当たります。ボーナスをもらった後に退職した場合、転職先で査定期間が短くなってしまい、初ボーナスが少なくなってしまうこともあります。

現職のボーナスが少ない場合では、早期に転職をおこなうことで、転職後にボーナスが増える可能性も十分に考えられます。そのため、目の前のボーナスだけでなく現職と転職先を比較し考えていくことが重要になります。

また、ボーナスを貰うまで退職を待つことで転職時期が遅れてしまうことや転職の機会を逃してしまうこともあるため、何のために退職・転職を行うのかを十分に考えて行動することが重要です。

ボーナスを貰ってから退職する際の注意点#3:
支給日在籍要件の日程から逆算して転職活動を行う

ボーナスを貰いすぐに退職する際は、支給日在籍要件の日程から逆算して転職活動を行うこが大切になります。

一般的に転職活動を開始して内定を取得するまでに約三か月を要します。この期間を考慮することなく退職してしまうと、無職の期間ができてしまい、貯金で生活することにもなりかねません。

ボーナスをもらっていたとしても無職の期間が長くなってしまうことで、貯金も少なくなり経済的負担が大きくなってしまいます。

これらを回避するためにも逆算した上で転職活動を行っていることが重要になります。退職日の選定が難しいと感じる場合には、転職エージェントの活用もおすすめです。

転職エージェントでは転職活動期間や転職日など企業の情報やこれまでの経験を活かしてアドバイスしてもらうことができます。